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施設栽培の水管理提案 ハミルスとゼロアグリ クボタ発表の新製品第3弾

施設栽培の水管理提案  ハミルスとゼロアグリ クボタ発表の新製品第3弾

 クボタ国内営業本部(鶴田慎哉本部長)は、11月8日、新製品11機種47型式を発表した。本紙では回を分けこれを紹介している。最終回の今号では、「しおれ検知式自動かん水制御システム〝ハミルス〟(ANSポット栽培仕様)」と、「AIかん水施肥システムゼロアグリシリーズ」の拡充を紹介する。★は新機能。価格は全て税込み希望小売価格。

【しおれ検知式自動かん水制御システムハミルス(ANSポット栽培仕様)】ハミルス(ANSポット栽培仕様)。
《開発の狙い》施設園芸の分野もスマート農業の促進が求められ、省力化だけでなく、収益性向上のため、付加価値向上への対応も強く求められている。そのニーズに対応するため、高品質・高糖度トマトの栽培に適したかん水制御システムとして、「ハミルス(ANSポット栽培仕様)」を発売する。
《主な特長》①植物の葉のしおれを数値で管理=ハウスの上部に設置したカメラにより、1分ごとに植物の画像を撮影し、AIにより葉の面積を抽出し数値化できる。人の目では判断できないレベルのしおれも識別可能。
 ②水ストレスのレベルを一定に管理可能=葉のしおれを数値化し、かん水を行いたいレベルをしおれ基準率として設定することで、常に一定の水ストレスでかん水を実行できるので、高品質・高糖度のトマトを安定的に生産することができる。また、かん水の系統ごとにしおれ基準率を設定できるので、それぞれ目標品質を変えて管理することも可能。
 ③かん水管理の省力化=高品質・高糖度トマトの栽培管理で重要な水の管理をハミルスに任せられるため、かん水管理の省力化が図れ、他の作業や販路開拓等の営業強化といった他の活動に注力できる。
 ④ANSポット栽培で利用可能=★今までアイメック栽培のみの適用だったが、今回ANSポット栽培にも適用できるようになった。ハミルスをANSポット栽培に適用することにより、従来のANSポット栽培の作り易さに加え、ハミルスの高品質・高糖度トマトを生産する制御システムが加わるため、従来より栽培期間を長く安定的に栽培することができ、収量・品質アップを図ることができる。
《今回適用するANSポット栽培の特長》①栽培しやすい専用土=ANSポット栽培に用いられるANS培土は、透水性が良く、かつ、保水性も良い、とても優れた性能を持つ人工の団粒構造の土。この性能により、非常に根張りが良くなり生育も安定する②管理が楽なポット栽培=ANS培土の性能により、1ℓ程度の小さなポットで栽培が可能。設置や撤去も簡単で、万が一病気が発生した際にも対象ポットの撤去や入替が可能なので、栽培管理がラクに行える③自動かん水制御=代表のポットに設置した土壌センサによる水分値で管理する。所定の水分を下回ると自動でかん水を実行する。
 ※ANSポット栽培は新商品ではない。
 2024年11月予定。
 価格は134万4200円。ハミルス(ANSポット栽培仕様)。備考:カメラ1台の場合。

 

【AIかん水施肥システムゼロアグリシリーズ※拡充(同製品はクボタ子会社㈱ルートレック・ネットワークスの製品)】

 ▽ゼロアグリPlus:ハイエンドモデル(地上部の統合環境制御も行いたい人向け)。
 ▽ゼロアグリLite:エントリーモデル(リモートで日射比例潅水を行いたい人向け)。
《開発の狙い》施設園芸の分野もスマート農業の促進が求められ、さらに環境負荷軽減につながる農業への展開も求められている。2013年に発売を開始したAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」のモデルを拡充し、エントリーモデルとしてリモートで潅水施肥を行える「ゼロアグリLite」と、ハイエンドモデルとして統合環境制御を行える「ゼロアグリPlus」を発売する。これにより、ゼロアグリシリーズとして、より多くの農業生産者の要望に応えることができるようになり、気候変動に適応した農業の生産性向上に貢献。
【ゼロアグリPlusの主な特長】①精密な潅水施肥に加え、地上部の環境も制御可能=★地下部の精密な潅水施肥管理が可能な現行のゼロアグリの性能はそのままに、ハウスの地上部の統合環境制御(ハウスの天窓や側窓、カーテンや加温機、CO2発生機等、ハウス内の環境を整える様々な機器と連携)もできるようになった。一つのIDで全て管理できるので、それぞれログインし直したりする必要はない。
 ②導入費のコストダウン=★通常、換気や暖房機等を制御する場合、それぞれの制御盤とつなぐことにより制御していくことが一般的だが、各機器と直接接続して、制御することが可能となるので、機器ごとに必要だった制御盤が不要となるため、全体でのコストダウンにつながる。※対応機器は一部限定されるが、順次増やしていく予定。
 ③現行機からのアップグレードが可能=★現行のゼロアグリのユーザーもアップグレードによりゼロアグリPlusの機能を使える。
【ゼロアグリLiteの主な特長】①遠隔制御が可能なエントリーモデル=★ゼロアグリLiteは、機能と価格を抑えて、手軽にスマホで管理できる自動潅水装置という位置づけとなっている。制御は、土壌センサーを利用せず、予報日射量によってその地域での日射量が一定の値になる時に潅水が実行される。現行のゼロアグリと同様に、スマホで遠隔制御とモニタリングが可能。
 ②現行機に比べ低予算での導入が可能=★価格をかなり抑えて、現行のゼロアグリに比べて約半分程度の本体費用で導入ができるようになる。まずは、リモート制御ができる自動かん水を始めたい人に推奨する。
 ③現行機へのアップグレードが可能=★ゼロアグリLiteの購入者もアップグレードにより現行のゼロアグリの機能を使える。
 発売時期は2025年1月予定。価格は、203万5000円(ゼロアグリPlus(ハイエンドモデル))、71万5000円(ゼロアグリLite(エントリーモデル))。
 ※上記以外に、ゼロアグリ・ライセンス料1万円/月(年払)が必要。

 

 

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