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7年度予算に3478億円 生産性向上に向け 高性能林機等の導入支援

 いかに林業を成長産業に変えていくのか。林野庁は、令和7年度予算概算要求で、対前年度当初比15・8%増となる3478億3100万円を計上した。このうち、「花粉症解決に向けた総合対策」には35億1200万円を要求。スギ人工林の伐採・植替えに寄与する路網整備や伐採・植替えの一貫作業の導入、生産性向上に資する高性能林業機械の導入などを支援する。また、「戦略的技術開発・実証事業」では、林業機械の自動化・遠隔操作化技術等の開発・実証を支援する。

  今回新規となる「花粉症解決に向けた総合対策」の要求額は31億1200万円。花粉の少ない森林への転換促進に向け、スギ人工林の伐採・植替え等の加速化やスギ材の需要拡大、花粉の少ない苗木の生産拡大、林業の生産性向上及び労働力の確保、スギ花粉の飛散量の予測・飛散防止等の対策を推進する。
 事業内容を具体的にみると、スギ人工林伐採重点区域における、伐採・植替え等に寄与する路網整備や伐採・植替えの一貫作業、森林所有者への働きかけ支援による意欲ある林業経営体への森林の集約化や、花粉症発生源対策に係る普及啓発等を支援する。
 また、林業の生産性向上及び労働力の確保に向けては、意欲ある木材加工業者等に対する高性能林業機械の導入、農業や建設業など他産業との連携等を支援する。
 一方、林業デジタル・イノベーション総合対策のうち「戦略的技術開発・実証事業(拡充)」では、9000万円(前年度当初7000万円)を要求。林業の安全性、生産性及び収益性の飛躍的な向上や、日本固有のスギを活用する木質系新素材の社会実装に向けて、林業機械の自動化・遠隔操作化技術、森林内の通信技術、木質系新素材の開発・実証を支援する。
 林業機械に関する取組については、①伐倒・集材等の素材生産や造林作業の自動化・遠隔操作化等に向けた林業機械の開発・実証、事業規模での実証・改良②森林作業の安全性・生産性の向上に資するソフトウェア・機器の開発・実証③森林内の通信環境の確保に向けた通信技術・機器等の開発・実証―を支援。
 また、木質系新素材については、改質リグニンを導入した、リサイクル可能な材料や製品の軽量化・長寿命化に資する材料の開発・実証を支援する。
 このほか、新規の「ICT活用推進対策」には1億154万円を要求。ICT等の先進技術を活用して資源状況等を的確に把握し、地域の森林・林業ビジョンを構想できる技術者の育成や、林業高校や林業大学校におけるスマート林業教育の導入を推進。また、森林資源調査、生産計画・管理、路網設計・施工の効率化・省力化を図るソフトの導入等を支援するとともに、林地台帳を効率的に更新するためのツールの整備等を進める。

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