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かんしょ省力生産へ セル苗移植で中間検討会 

かんしょ省力生産へ セル苗移植で中間検討会 

 新稲作研究会(丸山清明会長)は10月2・3日、宮崎県で令和6年度の中間検討会を開催した。今回のテーマは「カンショのセル苗移植による省力安定生産技術」。2日は都城市のウエルネス交流プラザ茶霧茶霧ギャラリーで室内検討会、3日は現地検討会として、農研機構九州沖縄農業研究センター都城拠点など3カ所を回った。

 室内検討会では、今回ケガで出席できなかった丸山会長に変わり藤本潔副会長が挨拶にたち「今回の検討会での議論を通じてカンショの機械化省力技術の開発・普及が進むことを期待する」と挨拶。
 また、来賓として九州農政局の満永俊典・生産部長が挨拶。基本法改正に合わせ成立、運用がスタートしたスマート農業技術活用促進法について紹介したうえで、「カンショは南九州の基幹作物であり、昨今は輸出品目として重要な存在となっている。一方で様々な課題も山積している。今回の検討会が今後の課題解決につながると期待している」などとした。
 講演では、農水省農産局地域作物課の鈴木里沙課長補佐(いも類班)がかんしょをめぐる状況を報告。また、農研機構中日本農業研究センター温暖地野菜研究領域栽培管理グループの田口和憲上級研究員が「新しいサツマイモ―品種と技術―」と題して「あまはづき」「ゆきこまち」「ひめあずま」などの新品種や画像診断によるいも選別AIなど新技術の開発などを紹介した。
 その後、中間成績検討として、中日本農業研究センター温暖地野菜研究領域栽培管理グループ・関正裕グループ長、栃木県農業総合研究センター研究開発部野菜研究室・鈴木惟史主任、宮崎県総合農業試験場畑作園芸支場・大辻智子主任研究員、九州沖縄農業研究センター暖地畑作物野菜研究領域畑作物・野菜栽培グループ・落合将暉研究員がそれぞれ成績を報告した。
 閉会挨拶はヤンマーアグリジャパンの石原淳・常務取締役。「ヤンマーアグリでは野菜作関連機械についても積極的に省力化、生産性向上を目指した開発を進めているところ。来年度には、直進アシスト付きの乗用移植機の発売を予定しており、野菜作でもスマート農業に取り組んでいく。今後、生食用の野菜においては商品の差別化や競争力のある安心・安全な野菜づくり、加工・業務用においては、安定した生産力と省力化が、より一層求められるようになる。機械の役割は今後、より重要になってくる。様々なニーズに応じた関連機器、サービスの開発、改良に努めていきたい」とした。
 3日の現地検討会では、はじめに農研機構九州沖縄農業研究センター都城拠点の交配温室付近の施設内で、落合研究員らから掘取りイモの説明、種イモの蒸熱処理装置の説明を受けたあと、ヤンマーアグリジャパンが半自動野菜移植機PH1を説明。交配温室を見学した。
 その後、宮崎県農業試験場畑作園芸支場に移動。大辻主任研究員から試験概要や掘取りイモの説明などが行われた。
 最後に霧島酒造のイモテラスを視察。イモテラスは、同社の酒造りで必要なサツマイモの安定生産に向けて、種苗段階のサツマイモ基腐病拡大防止やさつまいもの研究開発を目的に昨年9月から稼働開始した施設。イモテラスでは茎頂培養の取組状況の説明を受けたほか、育苗温室の見学を行った。

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