クボタ 地球と人に優しい未来の食と農へ コンセプト機も展示 大阪・関西万博「未来都市」
クボタ(北尾裕一社長、大阪市浪速区)は、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博) 未来社会ショーケース事業 「フューチャーライフ万博・未来の都市」 にプラチナパートナーとして協賛。「未来の都市」をテーマにしたパビリオンに「食と農」をテーマにした展示を行う。8月28日に開かれた万博協会主催の記者会見でその展示内容について紹介した。
協賛12者の発表者、協会関係者。前列右から4番目が習田部長
「未来の都市」は協会とクボタを含む12者の企業・団体による共同出展事業で、組織や企業、業界の垣根を超え、それぞれの知見と技術力を活かし、Society5・0が目指す未来の都市、すなわち経済発展と課題の解決を両立する、「幸せの都市へ」をテーマにしている。パビリオンは会場西側のウォーターフロントに位置し、施設面積約4800㎡と今回の万博のなかでも大規模なもの。
パビリオンでは協会と協賛12者の共創による「15アトラクションの未来体験」が提供される。
28日に開かれた記者会見では、協賛12社・団体の展示内容が発表された。
このうち、クボタは理事・社長室長兼KESG推進部長兼秘書広報部長の習田勝之氏が登壇。クボタが担当する「食と農業」に関する出展内容について説明した。
出展のテーマは「未来につづく、地球と人にやさしいブラネタリーコンシャス(地球の限界を示すプラネタリー・バウンダリーに対し、人々の豊かな社会と地球環境の持続可能性が両立された状態を表現したもの)な〝食と農業へ〟」。人々の豊かな社会と地球環境の持続可能性を両立するクボタのテクノロジーや未来の「食と農業」の姿を紹介する。
展示コンセプトは「地球と人にやさしい未来の〝食と農業〟の研究所~Kubota Germination Lab~」。人類とともに進化し、いのちをつないできた「食と農業」の未来に思いを馳せ、気づきや新しい考えが「芽生え(Germination)」る場所を目指す。空間全体を使ったインタラクティブな展示・体験を通じて、①いのちと「食と農業」は過去から現在、そして未来へとつながっていて、自分自身もその役割を担うひとりであること②つくるから食べるまでのフードシステム全体の一人ひとりが考えることの大切さと、フードシステムを支えるテクノロジーの大切さ③多様な人々による協創が持続可能な「食と農業」の未来につながること――のメッセージを伝え、来場者に気づきや考えるきっかけを提供する。
具体的な展示内容としては、クボタのエリアに足を踏み入れると、全幅20mを超える天幕スクリーンと巨大LEDモニタが一体となり未来の「食と農業」が広がる。エリアの中央では未来の農家として食と農業をテーマにしたシミュレーションゲームに挑戦、様々な未来のテクノロジーや持続可能なフードシステムを楽しく学ぶことができる。更にゲームのプレーヤー以外の来場者も一緒に楽しめるような演出も予定している、という。
なお、記者会見で習田部長はパビリオン会場で、完全無人で自律的に作業を行う未来の農業機械について、コンセプトモデルを発表することを明らかにした。コンセプトモデルは2020年に発表した「コンセプトトラクタ」を更にブラッシュアップしたものになる見込みだ。「展示スペースは実際の作業を見せられるほど広くはないので、映像などと合わせてうまく見せたい」。
更に万博開催前、会期中を通じて未来を担う若者を中心に新たなアイデアを共創するイベントをリアルとオンラインで実施することも明らかにした。
習田部長は今回の出展について「食料、それを支える農業はこれからも人々の生活には欠かせないものだ。我々クボタとしてもこれまでの機械販売からソリューションを展開し農家さんを支えていくというところに移っている。一方、離農は世界中で起こっており、農業の大切さをよりよくわかってもらう。それが農業の活性化につながる」と狙いを語っている。
なお、クボタの展示エリアがある「未来の都市」パビリオンの建屋は今年11月に完成予定。