みちのくクボタ夢農業2024 近未来農業の体感 担い手、スーパー担い手へ
みちのくクボタ(荻野伸充社長)は7月11~13日、岩手県滝沢市のツガワ未来館アピオで担い手、スーパー担い手向けに「夢農業2024」を開催した。広大な会場には本機50台余り、作業機約100台、関連商品約600アイテムを展示したほか今回は実演スペースに水を張った田んぼまで登場させ、実演・試乗会も行った。またアリーナではKSAS、施設園芸、営農セミナー等も行って、クボタの近未来農業がすぐそこまで来ていることを実感させた。3日間で3600名が来場した。
駐車場から実演スペースに向かうと、圧巻の風景が広がっていた。まず目に飛び込んできたのは、雨上がりの真夏の陽光を受け光る水田。展示会場の実演ほ場でお目にかかるのは初めてだ。1枚の水田ではロボット田植機による移植作業が、隣接するもう1枚では、ハローを付けたトラクタが代掻き作業の実演を行っていた(水田ゾーン)。その奥は転作作物ゾーン。その手前の果樹関連ゾーンでは、3社のSSが到達距離も方向もそれぞれ異なる迫力ある噴霧を実演して見せた。水田ゾーンの奥にはスマート農業/乾直/土耕・高収益野菜/畜酪ゾーンに分かれて実演・試乗。
水田ゾーンでしばらく実演の様子を見ていた花巻市の金沢克文(かなざわ・かつのり)・浩好(ひろこ)夫妻は「これからはこういう農業(スマート農業)が当たり前になっていくのだろう。こうして水田の作業を目にするとそのイメージが確かになる。これまでも乾いた地面で田植機のデモ走行や展示された作業機は数多く見てきたが、やはり、田んぼだと迫力がある」と話していた。
金沢さんは兼業農家として夫人と二人、繁忙期には息子さんも加わり3人で、鉄コと移植を半々で3haの稲作を経営している。現在はほ場が小さいため、最新機械の導入は待っている状態。基盤整備事業が終われば5~6軒で法人化し、最新機械を入れた効率的な農業をやっていきたいと話合い、楽しみにしている。みちのくクボタの夢農業には、その時期が来た時の情報収集のため、毎年訪れていると話していた。
※みちのくクボタではRTK補正基地局を岩手・青森両県にほぼ完備している(石田専務)。
大規模に繰り広げられる実演と説明、試乗‥、そしてずらりと並べられた100台を超える作業機と説明スタッフは、農家にそうした近未来の農業をイメージさせるに十分なものとなっており、「ここで農業経営の頼れる相棒を!」というみちのくクボタの熱意が伝わってきた。また、来場客を乗せて会場内を走行するグリーンスローモビリティも新しい時代の展示会を感じさせた。
アリーナの中では、KSAS/施設園芸/小物商品/肥料・農薬のコーナー。また、農業の異常気象対策、J―クレジット、補助事業活用のポイントなど今の話題にフォーカスした技術顧問による営農セミナーが関心をあつめたほか、キッズワークショップ「トラクターモーターを作ろう!」、自社(MKファームこぶし)製ワインの即売会も花を添えた。
荻野社長と石田専務アグリ事業本部長に話を聞いた。「今回は、TVCMのほかスーパ担い手・担い手へ向けてDMを発送、またQRコードとランディングページを活用し来場事前登録も集め、岩手第一営業部の展示会と、担い手推進部の大型農機・スマート農機の試乗・実演会を合体させて全エリアを対象に開催した。統括したのは営業企画部(伊藤達也部長)。出展機は本機50機余り、110社の協賛メーカーにご協力頂き、トラクタ作業機100台以上、関連商品約600アイテムの出展規模となった」と。また今回の夢農業の狙いを聞くと「担い手が弊社顧客に占める割合は、数で3割、売上で7割を超えるが、拠点別の展示会では目新しさが少なく、なかなか、この層を惹きつけることができていなかった。今回ここに訴求した。販売目標は全体としては敢えて設定しなかったが、それぞれが即売展示なのか、情報(顧客ニーズ)収集なのか、情報発信なのか、意味合いを考えて展示会に臨むよう指示した」。