井関農機 低コスト4条コンなど 24年下期新商品を発表 業界初の1 2 3 Psのロボトラ
井関農機(冨安司郎社長)は6月7日、国内向けとして、業界初となる120馬力クラスの有人監視型ロボットトラクタ(24年5月発売)及び低コスト農業応援機として機能を厳選した4条刈コンバイン(24年3月発売)、高能率・低燃費を実現するディスクハロー(24年6月発売)の3機種4型式を発表した。価格は全て消費税込み希望小売価格。
有人監視型ロボットトラクタTJW1233―R
「T.JapanW」TJW1233―R(123馬力)。大型トラクタに〝ISEKIドリームパイロット〟を搭載した「T.JapanW」TJW1233―Rを発売。
《開発のねらい》井関農機は2018年に、農林水産省策定の『農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドライン』に準拠した『有人監視型ロボットトラクタ』を発売した。
続いて、2021年に、『有人監視型・有人搭乗型ロボットトラクタ』を発売し、今回、120馬力クラスで国内初の『有人監視型ロボットトラクタ』を発売する。大規模化の加速に伴うオペレータの疲労軽減、および不慣れなオペレータの習熟にかける時間コストの低減等が期待できる。
《主な特長》①有人監視型ロボットトラクタ=自動化LV2の有人監視型ロボットトラクタ。使用者訓練を受けた監視者がロボットトラクタを直接目視可能な環境下で自動作業を行える。
②2周波による高精度作業=GPS(GNSS)の位置情報に対し、無線基地局RTK(リアル・タイム・キネマティック)による補正と、携帯電話を通じて受信するVRS(バーチャル・リファレンス・ステイション)、本機アンテナ内IMUの機体のローリング・ピッチング・ヨーに対する補正により高度な位置補正を行い高精度な自動運転を実現。
③VRS(Ntrip)対応=ネットワーク型RTK―GNSSとも呼ばれ、携帯電話等を通じて測位精度を高める方式にも対応。
④変形ほ場に対応=様々な形の圃場で作業ができる。自動操舵モードを搭載しており、オペレータが搭乗しての自動操舵作業も可能。
⑤Home位置誘導機能=ロボット作業終了後にリモコン操作により設定したHome位置まで自動で走行。大区画ほ場でも監視位置までトラクタを自動で呼び寄せられる。
発売は2024年5月。
価格は2191万9700円~2302万6300円。
コンバイン フロンティアファイター
コンパクトタイプ:HFR4042(42馬力)、高馬力タイプ:HFR4050(50馬力)、4条刈りコンバインHFRシリーズに低コスト農業応援機として、機能を厳選したシンプルフィットモデル。
《開発のねらい》近年、生産資材の価格が高騰する中、農業機械の低価格化が求められている。今回、ヰセキコンバインの高い基本性能は維持し、機体を水平に保つ車体水平制御など機能を厳選してシンプルで使いやすく、低価格にしたコンバインHFR4042と4050を新たに投入する。
《主な特長》①充実の基本装備=▽車体水平制御:車体の左右傾斜を自動で制御する。車体を常に水平に保つことで刈取性能、脱穀精度の安定化が図れる▽IQアクセル:作業シーンに応じてエンジン回転を自動的にセットする。アクセル操作が不要で快適な作業を実現する▽舟形クローラ:クローラの前後を切り上げた舟形クローラを採用している。前後進時の泥押しを軽減し湿田走破性が向上する▽カラーモニタ:メーターパネルにはカラーモニタを採用した。作業に必要な情報を分かりやすく表示する▽ズームオーガ:伸縮するオーガで、用水路を挟んだ農道、高低差のある農道でも余裕の排出が可能。スムーズな位置合わせができ排出中でも伸縮できる②高精度脱穀=▽ツインエイトスレッシャー:大径こぎ胴、2番処理胴、排じん処理胴の3つの処理胴と唐箕、排じんファンなどで風をコントロールし、高精度な選別を行う▽IQ脱穀制御:作業時に、エンジン負荷、車速に応じて、また唐箕の風量が最適になるように、作業域内でエンジン回転を制御する。特に低速作業時や旋回時に、より飛散ロスの少ない作業を実現する③安全性(安心の手こぎ作業)=▽手こぎ緊急停止=万一の時は、緊急停止ボタンを押すことでエンジンを停止させることができ、より安全性を高めている。手こぎモード時は、エンジン・フィードチェンが即時に停止するだけでなく、こぎ胴カバーが自動的に少し開き、巻き込みを低減する構成となっている▽手こぎモード:手こぎガイドを上げることで、エンジン回転が約30%減速し、フィードチェンが低速で動く手こぎモードに入る。落ち着いたスピードで安心して手こぎ作業が行える。
発売は2024年3月。
価格は726万円~759万円。
中型トラクタ用ディスクハロー
ID2000。45~60馬力のトラクタに適応可能で、高効率・低燃費を実現するディスクハローを発売する。
《開発のねらい》大規模化する畑作市場における耕起作業や播種床作りに対する提案として、中型トラクタ向けディスクハローを発売する。
《主な特長》①高効率・低燃費な作業=作業幅2000㎜、作業速度約8~10㎞/hの高速度作業により、従来の作業体系を覆す高効率化を実現する。作業面積に対する作業時間は従来のロータリ作業と比べ、約1/3~2/3に削減できる。またPTO動力を使用しないため、耕作面積に対する消費燃料は約1/4に減少する。
②高耐久・低コスト=耐久性に優れた花形ディスクは従来のロータリ刃のように頻繁に交換する必要がなく、交換作業の時間も省くことができる。
また未耕地の除草機としても使用可能なため、除草剤の節約も可能だ。
③機体各部の優れた性能=▽大口径花形ディスク:直径560㎜の大口径花形ディスクを採用、0~15㎝の作業深度を実現する。大口径なので、残渣物などが詰まって作業ができなくなるリスクを軽減する▽トゥースローラー:2列のディスクが耕した土を、トゥース型ローラーの突起部分がさらに破砕する。土を破砕すると同時に鎮圧の役割を果たすので、後工程も楽▽2本のチゼル爪:重量が軽くてもしっかり刺さる独自構造。2本のチゼル爪が土中に刺さり込み、直進性と耕うん深度が向上する▽クッションスプリング:18枚あるディスクすべてに独立したスプリングサスペンションを採用している。石など圃場内に障害物がある場合も、安定した深さの作業を実現し、機体を保護する。
発売は、2024年6月。価格は140万9100円。