施設協総会 GPECへ結束強化 CNなど情報提供も実施
日本施設園芸協会(大出祐造会長)の令和6年度定時総会が6月7日、東京都千代田区のKKRホテル東京で開催された。議事では令和6年度事業報告などが原案通り承認。その中で7月に開催されるGPECの出展状況も説明され現在までに180社超のエントリーがあったことを報告。役員の選任では石黒信生氏が新副会長に承認された。
冒頭、大出会長は「日本の施設園芸の10年後はどうなっているかと考えるが、残念ながら想像できない。業界もある意味袋小路に陥ったと感じている。我々は企業として5年先10年先を予測しながら設備投資を行っていくが、日本の施設園芸の10年後の姿が見えないだけに、取り掛かれないのが正直なところだと思う。政府や農水省はスマ農新法やみどりの食料システム法、新たに国会を通過した食料・農業・農村基本法などをもとに、新しい施策を展開すると思うが、10年後の姿をより具体的な形でご提示いただければ企業として次の設備投資に向かうことできる」などと述べた。
それに対し、来賓を代表して挨拶した農林水産省園芸作物課花き産業施設園芸振興室長の小宮英稔氏は「今年度の大きな課題の一つは食料・農業・農村基本法の見直し。農業の憲法とも言われ施策の中核を成す法律。四半世紀ぶりに改正法が成立した。施設園芸においても引き続き、我が国の食料供給の要として、環境に配慮しながら安定生産の実現が求められていくと思う。もう一つの大きな課題は環境問題。皆様のご尽力もあり、施設園芸の脱炭素化を進めているところ。一刻も早く取り組み、2050年にむけてゼロエミッション化をしなければならない。2027年には横浜で国際園芸博覧会が開催され、日本の技術の粋を集めてゼロエミッションハウスの展示にチャレンジすることが決まり、本年度はその基本設計を固める年。会長が言う10年後の姿の一つの出口が園芸博のゼロエミッションハウスと思っており、検討への参画をお願いしたい」と協力を仰いだ。
議事は6号議案まで審議され、令和5年度事業報告の中で、昨年6月2日に行った同協会創立50周年式典を開催したことを報告。農水大臣から感謝状を授与されたほか、昨年10月に亡くなった故木田滋樹名誉会長による最後の激励メッセージを紹介したことを述べた。
令和6年度事業計画では各種農水省補助事業に関する説明がなされたほか、今年7月24~26日まで東京ビッグサイトで開催されるGPECに向けて、改めて協力支援を求めた。また、施設園芸技術セミナーの地域セミナーは10月30日・31日に北海道で開催し、札幌を予定していること、情報提供事業としてカーボンニュートラルの時代に即した新たな施設園芸の方向を勉強する会員向けセミナーを開催することなどを説明した。
また、役員の選任も行われ、大出会長をはじめ多くの役員が留任した中、石黒信生理事(イノチオアグリ社長)が副会長に承認されたほか、2名の理事の新任が承認。石黒新副会長は「業界は課題が多いが、少しでも力になりたい」と抱負を述べた。