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【現地ルポ】熊本市の「子出藤農園」 紙マルチを剥がさず耕せる

紙マルチはコスト面でも魅力と語る

 

 

       子出藤社長 

 

 王子エフテックス 玉ねぎ農家を環境面から支える

 「紙マルチにしたことで、これまで必要だったマルチを剥がす作業の手間がなくなったことは非常に大きい」と話すのは、熊本市西区で〝塩たまちゃん〟というブランドの玉ねぎを生産する『子出藤(ねでふじ)農園』の子出藤税(ねでふじちから)社長(55)だ。子出藤社長が昨年10月から新たに導入したのは、王子エフテックス=安井宏和社長、東京都中央区銀座5―12―8=が製造・販売している「OJIサステナマルチ(農業用紙製マルチシート)」。効果を実感していると話す。
 同農園は、たまねぎ専業農家で、面積は7‌ha。収量は年間で400tあるというが、手作業で植え付けから収穫まで行っている。「あまくておいしい塩たまちゃんひとつひとつに愛情をたっぷり込めて育てている。だからこそ、傷つけないように手作業にこだわって栽培している」と子出藤社長。現在社員は、4人の正社員とパート8人のほか、アルバイトが3~4人おり、手作業にこだわるからこそ社員は重要で、作業を進めるにあたり軽労化や省力化も欠かせない。
 「OJIサステナマルチ」は、セルロースを主体原料とした、作業負荷軽減型+環境配慮型の農業用紙製マルチシート。収穫後に土の中に鋤き込むと土壌分解されるため、回収作業の負担が軽減されることから、子出藤社長は使ってみようと判断したと話す。さらに、昨年の九州農業WEEK(今回はJアグリ九州として開催)で同社の製品を見た農業の先輩から薦められたこともあり、導入してみることにしたという。
 実際に使ってみた感想を子出藤社長に聞くと、「土壌分解されるマルチなので、剥がさずにそのまま畑を耕せるのは魅力。プラスチック資源の廃棄料金も上がる中、剥がすという作業面がなくなるだけでなく、コスト面でも従来のものとさほどトータルの金額が変わらないのであれば選択肢になる。また、雨が降ったことも関係するかもしれないが、2日耕すと分解が進み、ほぼ使い終わったマルチは出てこなくなった。また、弊社は手作業で手間暇かけて栽培するスタイルで、安心・安全をアピールしている。その中で、『OJIサステナマルチ』は地球環境対策という面からもPRできるので、こういった面からもありがたい。このペースで作業を進め、軽労化・省力化に繋がることを確認したうえで、来期も使っていければ」と話した。
 今後の目標について子出藤社長は、「この地域は高齢化が進み、自分のところも含めて担い手農家が増えてくると思う。この地域に育ててもらった者として、後継者のいない農家の土地や、その土地で働いていた人の力を借りて、今よりももっと面積を増やし、地域活性化をしつつ、貢献していきたい」とした。
 最後に、「実は長男が昨年農業学校を卒業したのだが、長男だからと農業を継いで欲しいとは考えていない。ただ、自分が農業で働く姿を見せ、農業も職業選択の一つであることを提案している。子どもたちには自分で納得のいく職業を選択してもらいたい」と語った。

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