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石井製作所 4年連続で販売増 無コーティング代かき播種機

石井製作所 4年連続で販売増 無コーティング代かき播種機

 石井製作所=石井智久社長、山形県酒田市京田4―1―13=は農研機構東北農業研究センター、山形農業水田試験場、山形大学らと共同開発した「水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種技術」の核となる播種機を2020年から販売しているが、近年、日本全国で急速に進むほ場の大区画化を背景に需要が高まり、4年連続で販売を伸ばしている。

 同機は代かき後の田面の極浅い土中に播種する代かき用ハローに装着する播種ユニットと鎮圧ローラーからなる直播機。
 同機を用いると、約0.5㎝深の極浅い土中播種が可能で、コーティングしなくても鉄コーティングと同程度の苗立率が得られると同時に、浮き苗や出芽前の鳥害の軽減を可能とした。これまでは、1㎝程度の土中播種では、出芽を促進するために過酸化石灰資材(以下、カルパー)やべんがらモリブデンのコーティング、表面播種では浮き苗や鳥害を防ぐために鉄コーティングが必要だった。しかし、同機ではこれら資材とコーティングの手間を省略できる。また、播種深が浅いことで転び型倒伏しやすい点についても短稈の耐倒伏性品種「萌えみのり」等の使用により解決することができた。
 「水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種技術」は、東北などの寒冷地において従来必要としていた種子コーティングが不要な直播技術であり、かつ代かきと同時に播種可能なことから資材コスト、人件費、作業時間を大幅に削減することができるだけでなく、移植以上の売上と利益を上げることが可能な技術だ。2022年には無コーティング代かき同時播種機を共同で開発した農研機構東北農業研究センター、山形農業水田試験場、山形大学、石井製作所は、日本作物学会において「寒冷地における耐倒伏性品種を用いた水稲無コーティング種子の代かき同時浅層土中播種技術の開発」という題目で第12回日本作物学会技術賞も受賞している。
【同技術導入のメリット】①仕上げ代かきと同時に播種するため省力的②1ha近い圃場でも播種途中の種子補給がほぼ不要で連続作業が可能③トラクターを用いるため田植機が沈車する水田でも播種できる④独自の栽培管理技術(水管理・除草)体系の有効性が確認されている⑤同播種法は播種と雑草発生が同時になるため,雑草制御にも有利⑥鉄コーティングと同等の苗立率の確保や移植栽培中心の市町村収量、鉄コーティングと同等の収量の確保が可能であることを実証した(秋田県で行った現地実証試験では、耐倒伏性多収品種「萌えみのり」の無コーティング直播は「あきたこまち」の移植栽培やカルパー直播栽培より収量が多く、10a当たり費用合計を低減できた。販売単価が「あきたこまち」より低くても10a当たりの売上や利益は「あきたこまち」の移植栽培より多くなることを示した)。
 石井社長談「今後は寒冷地を中心として本技術・機械普及を本格化し多くの農家様の省力化や省人化の手助けをしたい」。

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