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クボタ 水素燃料電池トラクタ 開発中の試作機公表 国内ほ場での実証段階へ

クボタ 水素燃料電池トラクタ 開発中の試作機公表 国内ほ場での実証段階へ
クボタ=北尾裕一社長、大阪市浪速区=は3月28日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受け開発を進めている、水素燃料電池トラクタ(以下、FCトラクタ)の試作機を公表した。試作機の最大出力は60馬力のディーゼルエンジン搭載トラクタと同等水準。燃料は圧縮水素。燃料電池は固体高分子型。用途は一般農作業全般。
 クボタでは、2021年公表の「環境ビジョン」で掲げた2050年カーボンニュートラル実現に向け、機械の動力源に関する脱炭素化の取り組みとして、バッテリーを使用した電動化のみならず、水素燃料電池利用による電動化、水素やバイオ燃料、合成燃料を燃料とするエンジンなど、全方位の研究開発を進めている。
 世界各国でカーボンニュートラルの動きが加速する中、クボタはバッテリー式の小型電動トラクタ・建設機械を開発し、市場投入した。しかしクボタが網羅する農機・建機のシリーズは多岐にわたり、各シリーズに適した出力を得るための技術の一つとして、エネルギー密度でバッテリーよりも優位性のある水素燃料電池を搭載するFCトラクタの開発も進めてきた。
 水素を燃料として、水素と酸素の化学反応によって生み出した電気でモーターを駆動して走るFCトラクタは、走行中に排出するのが水だけのため環境性に優れ、CO2排出がゼロとなるだけでなく、水素の充填も一般的なバッテリーの充電よりも短時間で行えることが特徴だ。
 クボタは2021年にNEDOの助成事業「燃料電池の多用途活用実現技術開発」に採択されて以降、本格的にFCトラクタの開発を進めてきたが、今後は、試作機を用いた国内のほ場における実証実験段階に移行し、農作業への適合性確認やトラクタに適した水素供給手段を検討しながら、実用化をめざす。

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