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農業者の挑戦促す 農業DX構想2.0へ 野心的な『未来予想図』示す

農業者の挑戦促す 農業DX構想2.0へ 野心的な『未来予想図』示す
昨年6月から検討がスタートした「農業DX構想」の見直し。これまで計6回の有識者検討会が開かれ、様々な業界からのヒアリングが行われてきた。1月16日に開かれた検討会では、有識者からのヒアリングのほか、新たな「農業DX構想2・0」の構成案も示された。新たな構想では、「デジタル化の各段階のメリットを示すことで意欲ある農業者等に挑戦し続けていくことを促す」を目的と設定。また、あわせてDXが実現した際の野心的な『未来予想図』を示すこととしている。

 農業DX構想は、農業・食関連産業のデジタル変革(DX)推進の羅針盤・見取り図として令和3年3月に策定されたもの。策定後、生成AIなどの新たな技術の誕生など情勢が大きく変わってきていることから、昨年6月から構想の見直しに向け、有識者検討会が開催してきた。

 1月16日の有識者検討会では、㈱農情人、㈱クニエがそれぞれAIやWeb3など新技術の活用可能性について、意見を述べた。また、検討会では、「農業DX構想2・0」の構成案についても示している。

 構成案では、現構想について、「進捗は分野ごとにまちまちだが、全体としては一歩一歩着実に前進しており、DXに向けた移行期に入っていると評価できる。ただし、個々の農業者等のデジタル化の取組が行われていても、有機的連携に至っていない場合が多く、マクロレベルでは未だDXが実現しているとは言えないため、ユースケースを創出して横展開することが必要」と説明。加えてデジタル化は国が旗を振っただけでは進まず、メインプレイヤーである農業者の積極的にチャレンジする意欲が必要であり、そこにテック企業、行政、研究者等の創意工夫や支援が組み合わされることで成果につながると指摘。移行期に入っている現時点ではDX実現に向け達成していくべき「マイルストーン」を示す必要がある、とした。
 
そのうえで、起点、デジタル技術導入時の支援、導入後の支援、デジタイゼーションの段階、デジタライゼーションの段階、DXの段階に分け、DXの実現に向けた道筋を示すこととしている。

 また、デジタル化推進にあたっての留意点として、「デジタル技術を導入すればそれだけで明るい経営展望が開けるものではなく、その導入に当たっては安定的に経営できる見通しが必要」「テック企業はユーザーである農業者向けにUI(ユーザーインターフェイス)、UX(ユーザーエクスペリエンス)、アクセシビリティへの配慮やきめ細やかな相談対応、現実的な課題解決策の提示などの対応が求められる」などを挙げている。

 加えて新たな構想では、農業DXによって創造される野心的な「未来予想図」を示すこととしている。例えば生産段階においては、「農地の大規模化と超高速通信網の整備が進展し、スマート農業機械等が広く導入され、AIが操作する無人農機による農作業が普及している」などの予想図を挙げている。

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