農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

農業機械の普及発展に

　十勝農業機械協議会（山田政功会長）が10月27日、帯広市内の北海道ホテルで創立50周年記念式典及び祝賀会を開催した。会員企業をはじめ十勝総合振興局、ホクレン、ＪＡ、帯広市長など約80名が出席。50年の軌跡を振り返りつつ新たな一歩を踏み出した。山田会長は「会員相互の研鑽親睦を図り、円滑な農業機械の普及発展に必要な事業を行う」と力強く述べた。

　式典の開会に先立ち、オープニング映像としれたＯＢ一同て「明治から大正、昭和30年代を振り返る」と題して十勝の開拓から人力農具、畜力農具、機械化までの変遷を上映。開拓時に使われた伐木用手曲鋸やいも鋤、土地条件に合わせて改良されたプラウなどの懐かしい機械や作業の様子、機械開墾の始まりと共に登場したホイールトラクタや作業機の登場から現代に至るまでを貴重な写真を繋げたスライドを放映した。

　続いて山田会長が式辞を述べ、スライド作成にあたり、村や町に存在していた鍛冶屋が十勝の開拓に重要な役割を果たしていたことをあげ、そうした内容をまとめた50周年記念誌の作成を進めていることを述べた。また、出来上がったばかりの第35回国際農業機械展in帯広公式記録集を紹介し、「協議会の今後に向けて、農業の近代化に寄与することを目的に、会員相互の研鑽親睦を図り、円滑な農業機械の普及発展に必要な事業を行っていく。なかでも農機展は重要な事業と捉えている。少子高齢化が進み、農家戸数の減少、規模拡大に伴う合理化にむけた北海道型スマート農業が求められる中、農機具業界として求められる方向性を示すことが重要であり、作業の安全啓蒙を図り、農業の発展に取り組む」と挨拶した。
　続いて感謝状を贈呈。現職を除いた協議会三役または事務局長を８年以上歴任、もしくは10年以上役員を務め退会した人を対象８名にそれぞれ壇上で記念品などの贈呈が行われた。代表して元日農機の岡川英雄氏が挨拶し「平成15年～30年まで協議会の運営に携わらせていただき、その間４回の農機展を経験した。特に印象に残っているのが33回開催。口蹄疫と東日本大震災で８年間のブランクを経ての開催が大成功に終わり、農業者様から〝農機展を待っていたよ〟と声を多くかけていただき、嬉しかったことを覚えている。十勝農業のみならず北海道農業の発展に貢献してきた協議会の運営に参加できたことは受賞者一同の喜びであり誇り。今後の発展に期待したい」と述べた。
　来賓を代表して芳賀是則北海道十勝総合振興局局長、米沢則寿帯広市長、野村文吾帯広商工会議所副会頭、有塚利宣十勝農業協同組合会長、磯本聡一北海道農業機械工業会会長の５名が祝辞を述べた。芳賀局長は協議会が地域の先頭に立って十勝農業の機械化を牽引してきたことに敬意を表し、米沢市長は農機展開催など地域産業の発展に尽力してきたことに感謝。野村副会頭も「この地で農機展を開催してきた功績は大きく、十勝農業発展の歴史は農業機械発展の歴史」と最大級の賛辞を贈った。
　有塚会長は「以前２万１０００戸あった農家が現在生産農家は約４５００戸。その農家が25万haの面積で日本全国の生産額の12％を占めている。農業も変わり今はスマート農業である。時代の先導を切ってこの十勝が進められることに感謝したい」と述べた。最後に磯本会長は「農業現場では経営規模の拡大とオペレータの逼迫、トラクタの大型化とそれに伴う作業機の大型化が顕著になっている。農業者からは省力化と省人化とともに、自動化を求める声が大きくなっており、これら時代とともに進化する農機ニーズに応えることは我々製造者及び輸入者全体の責務。経営に適した農業機械に始まり、導入可能な最先端技術から将来の姿を映す技術まで一度にみれる国際農業機械展は国内で例がない。今後もそうした役割を果たし続けてもらいたい」と述べた。
　続いて行われた祝賀会はバイオリニストの和光優人氏とピアニスト長尾崇人氏による歓迎の演奏からはじまり、宗像伸行ホクレン帯広支所支所長が乾杯の発声を務めた。歓談中には有塚会長と松田前十勝農業機械協議会前事務局長が思い出話を語り、十勝農業機械懇話会の岸本正会長の三本締めで閉幕した。
【感謝状授与者（敬称略】▽岡川英雄（元日農機）▽加藤清（元ヤンマーアグリジャパン）▽辻宏志（元ＩＨＩアグリテック）▽得永和良（元日本ニューホランド）▽成田慶一（元ロールクリエート）▽松田清明（元十勝農業機械協議会）▽三浦二三雄（元ヰセキ北海道）▽吉田秀則（タカキタ）。