井関農機 農業でつくる明るい未来と笑顔 第28回さなえ図画コンクール 最優秀賞は井上蓮飛くん

井関農機(冨安司郎社長)が平成8年から恒例行事として開催してきた「さなえ全国子ども図画コンクール」が今年で第28回を迎え、今回までで3万4300点の応募があった。今年は「農業でつくる明るい未来と笑顔」をテーマに開催。1~12歳迄の年齢層から1332点の応募があり、その中から全国最優秀賞1名、全国優秀賞5名、全国特別賞10名が選ばれた。
第28回さなえ図画コン 最優秀賞は井上蓮飛くん
「さなえ全国子ども図画コンクール」の趣旨は『将来を担う子どもたちに農業の魅力を伝え、将来の日本の農業を応援していく』というもの。
当日は縄田幸夫・取締役常務執行役員営業本部長、髙野重幸・営業推進部部長などが出席した。
開会の挨拶で縄田常務は「資材価格高騰という状況の中、農機メーカー各社は苦渋の決断として価格改定を行った。それによって一時的な需要喚起等があったものの、その反動もあり、農家の皆様の購買マインドも良くない。さらに酷暑、大雨・洪水など自然環境の厳しさが市場環境に影響を与え、それも中小農家の離農に拍車がかけているという状況だ。そうした中、機械の大型化、スマート農機の導入が進んでいる。作付け転換に伴う大型商品も伸びている。また、食料・農業・農村基本法改定についていろいろ議論されている中で、環境配慮型の農業、スマート農業、食料安全保障の観点から、イノベーションへの関心の高まりの変化も見られる。こうした日本農業の中で、井関農機のさなえ全国子ども図画コンクールは今年で第28回目を迎えることになった。井関はこのコンクールを通じて家族とのふれあい、自然との共生を大切にしながら食料の生産を続けるエッセンシャルな農家の皆さんをこれからも応援してまいりたい」と述べた。
その後、全国賞入選作品の発表(別表)。同コンクールは、全国の営業所を通じて応募用紙を配布。6~8月の間に応募を受け付け、その中から審査委員が各地区別賞、全国賞を選定。その後、全国賞(最優秀賞1名、優秀賞5名、特別賞10名)、各地区別賞(優秀賞3名、特別賞5名)を決定する。受賞作品は井関のウェブサイトで紹介。受賞者には賞状のほか副賞としてとして商品券、図書券などが、また、参加者全員にISEKIオリジナルグッズが贈られる。
外部審査委員は、千葉大学教育学部名誉教授の藤澤英昭氏と、国画院会長の古城和明氏。
第28回の全国最優秀賞に輝いたのは、鹿児島県の井上蓮飛(イノウエ レント)君(男・10歳)の『田んぼ道で牛のさんぽ』。審査委員も「すごく良い。ここには牛が描かれているが、家族として描かれている。ユニークで面白い作品」などと口を揃えて絶賛した。
【藤澤審査委員講評】今回は全部の応募作品を2人で見て、何回かの選考過程を経て、最終的に決定した。いま、AIの脅威を強く感じている。AIでは例えば絵の描き方も中学校の教科書1冊分の内容も簡単にできてしまう。だが、そこに出てくるのは、誰もが知っていて、だれもがなじみやすいもの。だがこれでは全く進歩がない。今回は、そういうものではなく、新鮮な子供たちの眼差しが感じられるものを、そしてエネルギッシュな絵ということにこだわって選んだ。
【古城審査委員】ここに集まった子供さんの絵からは、のびのび、おおらかにご家族が働いている姿を純粋な目で見ていることが感じられた。すばらしいと思った。年々レベルアップもしている。
閉会の挨拶は髙野営業推進部部長。「未来に希望を感じる、明るく素晴らしい絵が集まった。このコンクールを井関として今後も続けてまいりたい」と述べた。
受賞作を囲み、右から縄田常務、藤澤審査委員、古城審査委員、髙野部長