井関邦三郎記念館20周年特別展 “農家を過酷な労働から解放したい”の今日

テープカット。左から石﨑議長、井関景太氏、岡原市長、小田切専務、武智・愛媛県美術館館長
井関農機(愛媛県松山市馬木町700)の創業者、井関邦三郎氏の記念館と畦地梅太郎美術館が今年7月、開館20周年を迎え、特別展「井関邦三郎〝農家を過酷な労働から解放したい〟の今日」と「畦地梅太郎生誕120年特別展」が10月23日まで開催される。その開展式が7月15日、同館で開催された。期間中、井関邦三郎記念館では、農業の近代化を進めた邦三郎翁の根本理念がどのように実現され、また継承されてさらなる進化に繋がっているのかを農機具の展示と映像で振り返る。
開館20周年記念特別展の開展式では、始めに岡原文彰宇和島市長が主催者挨拶。「道の駅と隣接した美術館記念館は大変珍しいと聞くが、畦地梅太郎、井関邦三郎両者は宇和島名誉市民として顕彰され、この地域の文化振興の場として当時設置されたと聞き及ぶ。梅太郎さんは個性を開花し眼力にも花開いていった、邦三郎さんにおかれましては、農家を過酷な重労働から解放したいとの思いから、それに見合う機械を開発していった。二人に共通するのは、信念を持ち人生というのを築かれ、強い使命を持ち時代を切り開かれたこと。それぞれの生き様をこの特別展で表現している。この美術館・記念館が今後25周年、30周年となり、皆様に広く長く愛されることを切にお願いする」と述べた。
続いて、石﨑大樹・宇和島市議会議長、畦地梅太郎氏令孫・畦地堅司氏(リモート参加)、井関邦三郎氏令孫・井関昭夫氏、井関農機代表取締役専務小田切元氏が来賓祝辞。
井関昭夫氏は祝辞の中で、昭夫氏本人の子供の頃の記憶では既に邦三郎氏は病床であったが、叔母から聞いた話として、邦三郎氏の幼少の頃のエピソードを紹介し、学校嫌い勉強嫌いであった話には笑いが起こり会場を和ませた。
小田切専務は「井関農機の創業は1926年8月、創業者の井関邦三郎翁が松山市に井関農具商会を創立し、全自動籾すり機の製造を開始したことが、現在の井関農機の原点となります。私たちは『農家を過酷な労働から解放したい』という創業者の強い思いを連綿と受け継ぎ、数多くの発明を通し日本農業の機械化・近代化を牽引するスタンダードを確立してきました。この創業の精神は今でも社内で大切に語り継がれている「人からほめられるような、ええもんを作るんやぞ」という翁の言葉に象徴されていると感じております。こちら三間町では名誉町民でもある井関邦三郎翁のご功績・お人柄は今後も出来るだけ多くの皆様にこの記念館をご観覧いただき、感じていただけたらと思います」と述べ、続いて「井関グループのいま」を紹介した。
【井関グループのいま】現在の井関グループの基本理念は、邦三郎翁の創業の精神を継承しつつ、『「お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供」を通じ豊かな社会の実現へ貢献する』としています。道具としての農業機械だけでなく、農業のノウハウや情報活用を含めた「サービス」を加え、最近では食の安全や安心のために有機農業への取組支援や普及にも力を入れているところです。この南予三間の地から始まった井関農機は、農業機械総合専業メーカーとして現在国内外に製造関連会社7社、国内販売会社9社海外5社の関連会社を束ねる井関グループとして、翁の精神を引き継ぐ社員達が世界中で活躍しています。この間、日本並びに世界の状況は刻々と変化し、地球環境問題や食料安全保障など様々な社会課題に直面しています。一つ目は日本農業の課題、農業就業人口の減少と高齢化です。この解決の一つとして政府が進めるスマート農業があります。2つ目は食料問題です。日本の人口は減少傾向にありますが、世界人口は増加の一途をたどっており、いまや80億人に到達しています。この1割にあたる8億人程度が飢餓、満足に食べることができないという事実があります。最後に3つ目は、気候変動の問題です。5年前の西日本豪雨では南予地方も大きな被害を受けました。異常気象は今年も各地に甚大は被害を及ぼしています。
これらの社会課題の解決への寄与が我々井関グループの社会的使命であり、農業の持続的発展に貢献することが井関グループの存在意義で井関邦三郎記念館では、農業の近代化を支えた邦三郎翁の根本理念「農家を過酷な労働から解放したい」という想いがどのように実現されていったのか、またその後どのように継承され、更なる進歩へと繋がっていったのかを農機具の展示と映像によって振り返ります。さらに、2025年に創立100周年を迎える井関農機の「スマート農業」の展開を紹介し、これからの農業が向かうであろう新たな方向性を探ります。
◇
その後、来賓によるテープカット。特別展が開展した。特別展は「畦地梅太郎生誕120年特別展」と「井関邦三郎〝農家を過酷な労働から解放したい〟の今日」の併催。「畦地梅太郎生誕120年特別展」として同日は講演会「畦地梅太郎と南予~120年と20年」も開催された。
また、7月15日と16日はヰセキ中四国(中谷淸社長)の協力により、道の駅「みま」の駐車場内でスマート農機の展示・運転席試乗の他、乗車撮影会、先着100名に記念グッズのプレゼントがあった。展示されたのは、トラクタBF35、田植機PR6、コンバインHFR475。
10月1日には、井関農機の開発製造本部・小野シニアアドバイザーが同記念館で講演する。テーマは『井関農機が取り組むスマート農業』。
井関農機(愛媛県松山市馬木町700)の創業者、井関邦三郎氏の記念館と畦地梅太郎美術館が今年7月、開館20周年を迎え、特別展「井関邦三郎〝農家を過酷な労働から解放したい〟の今日」と「畦地梅太郎生誕120年特別展」が10月23日まで開催される。その開展式が7月15日、同館で開催された。期間中、井関邦三郎記念館では、農業の近代化を進めた邦三郎翁の根本理念がどのように実現され、また継承されてさらなる進化に繋がっているのかを農機具の展示と映像で振り返る。
開館20周年記念特別展の開展式では、始めに岡原文彰宇和島市長が主催者挨拶。「道の駅と隣接した美術館記念館は大変珍しいと聞くが、畦地梅太郎、井関邦三郎両者は宇和島名誉市民として顕彰され、この地域の文化振興の場として当時設置されたと聞き及ぶ。梅太郎さんは個性を開花し眼力にも花開いていった、邦三郎さんにおかれましては、農家を過酷な重労働から解放したいとの思いから、それに見合う機械を開発していった。二人に共通するのは、信念を持ち人生というのを築かれ、強い使命を持ち時代を切り開かれたこと。それぞれの生き様をこの特別展で表現している。この美術館・記念館が今後25周年、30周年となり、皆様に広く長く愛されることを切にお願いする」と述べた。
続いて、石﨑大樹・宇和島市議会議長、畦地梅太郎氏令孫・畦地堅司氏(リモート参加)、井関邦三郎氏令孫・井関昭夫氏、井関農機代表取締役専務小田切元氏が来賓祝辞。
井関昭夫氏は祝辞の中で、昭夫氏本人の子供の頃の記憶では既に邦三郎氏は病床であったが、叔母から聞いた話として、邦三郎氏の幼少の頃のエピソードを紹介し、学校嫌い勉強嫌いであった話には笑いが起こり会場を和ませた。
小田切専務は「井関農機の創業は1926年8月、創業者の井関邦三郎翁が松山市に井関農具商会を創立し、全自動籾すり機の製造を開始したことが、現在の井関農機の原点となります。私たちは『農家を過酷な労働から解放したい』という創業者の強い思いを連綿と受け継ぎ、数多くの発明を通し日本農業の機械化・近代化を牽引するスタンダードを確立してきました。この創業の精神は今でも社内で大切に語り継がれている「人からほめられるような、ええもんを作るんやぞ」という翁の言葉に象徴されていると感じております。こちら三間町では名誉町民でもある井関邦三郎翁のご功績・お人柄は今後も出来るだけ多くの皆様にこの記念館をご観覧いただき、感じていただけたらと思います」と述べ、続いて「井関グループのいま」を紹介した。
【井関グループのいま】現在の井関グループの基本理念は、邦三郎翁の創業の精神を継承しつつ、『「お客さまに喜ばれる製品・サービスの提供」を通じ豊かな社会の実現へ貢献する』としています。道具としての農業機械だけでなく、農業のノウハウや情報活用を含めた「サービス」を加え、最近では食の安全や安心のために有機農業への取組支援や普及にも力を入れているところです。この南予三間の地から始まった井関農機は、農業機械総合専業メーカーとして現在国内外に製造関連会社7社、国内販売会社9社海外5社の関連会社を束ねる井関グループとして、翁の精神を引き継ぐ社員達が世界中で活躍しています。この間、日本並びに世界の状況は刻々と変化し、地球環境問題や食料安全保障など様々な社会課題に直面しています。一つ目は日本農業の課題、農業就業人口の減少と高齢化です。この解決の一つとして政府が進めるスマート農業があります。2つ目は食料問題です。日本の人口は減少傾向にありますが、世界人口は増加の一途をたどっており、いまや80億人に到達しています。この1割にあたる8億人程度が飢餓、満足に食べることができないという事実があります。最後に3つ目は、気候変動の問題です。5年前の西日本豪雨では南予地方も大きな被害を受けました。異常気象は今年も各地に甚大は被害を及ぼしています。
これらの社会課題の解決への寄与が我々井関グループの社会的使命であり、農業の持続的発展に貢献することが井関グループの存在意義で井関邦三郎記念館では、農業の近代化を支えた邦三郎翁の根本理念「農家を過酷な労働から解放したい」という想いがどのように実現されていったのか、またその後どのように継承され、更なる進歩へと繋がっていったのかを農機具の展示と映像によって振り返ります。さらに、2025年に創立100周年を迎える井関農機の「スマート農業」の展開を紹介し、これからの農業が向かうであろう新たな方向性を探ります。
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その後、来賓によるテープカット。特別展が開展した。特別展は「畦地梅太郎生誕120年特別展」と「井関邦三郎〝農家を過酷な労働から解放したい〟の今日」の併催。「畦地梅太郎生誕120年特別展」として同日は講演会「畦地梅太郎と南予~120年と20年」も開催された。
また、7月15日と16日はヰセキ中四国(中谷淸社長)の協力により、道の駅「みま」の駐車場内でスマート農機の展示・運転席試乗の他、乗車撮影会、先着100名に記念グッズのプレゼントがあった。展示されたのは、トラクタBF35、田植機PR6、コンバインHFR475。
10月1日には、井関農機の開発製造本部・小野シニアアドバイザーが同記念館で講演する。テーマは『井関農機が取り組むスマート農業』。