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麦大豆の増産へ 大型機械導入支援 新品種で単収向上狙う

麦大豆の増産へ 大型機械導入支援 新品種で単収向上狙う
1月下旬にスタートした通常国会。予算も成立し、いよいよ終盤戦。延長がなければほぼ1カ月後の6月21日には閉会となる。そうしたなか衆議院農林水産委員会では、様々な課題について議論が行われている。11日の委員会では、麦・大豆の増産について野党側委員から質問が寄せられた。

 立憲民主党の緑川貴士議員は、「昨年の大豆の輸入額が過去最大に、小麦も14年ぶりの高い水準になるなど、輸入価格が高いなかでも国外の農産物に頼らざるをえない、すなわち国内の供給力が改めて課題となっている状況だ。特に大豆については、様々な支援策で取り組んできたが、依然として面積も、収穫量も増えたとは言い難い。その原因は収量が伸び悩んでいること。こうした現状をどのように捉えるか」と質問。

 これに対し、平形雄策・農産局長は「大豆は単収については伸び悩んでいるとともに、地域差、年度差も大きい。単収伸び悩みの要因としては「古い品種が多い」「経営面積の拡大とともに適期作業ができていないこと」だとみている。その解決に向け、新品種の導入加速、作付けの団地化による作業の省力化、作業効率の高い大型機械の導入支援を実施していきたいと考えている」「地域差については、水田地帯で十分な排水対策が行われなくなっていることが主な要因とみている。そのため、弾丸暗渠など営農技術の導入を推進していきたい」などと説明した。

 緑川議員の指摘の通り、大豆の収量は伸び悩んでいるのが現状だ。農水省がまとめている大豆の長期累年によると、明治の中頃90㎏前後だったものが、大正時代には、(年により豊凶の差はあるが)おおむね100㎏前後まで上昇。戦中・戦後すぐは再び2ケタに戻ったが、昭和25年には再び3ケタに。その後は着実に増加を続け昭和50年に150㎏、平成12年には192㎏と最多を記録した。しかしその後は、漸減傾向で推移。近年は概ね150㎏前後で推移している。

 加えて、わが国の大豆の自給率は令和3年時点で7%。その他多くの作物が少なくとも2ケタあるなかでかなり厳しい状況だ。一方で国産の割合が低いだけに伸びしろがあるとも言える。前述の平形局長の発言の通り、新品種の導入推進や営農技術の普及加速をどのように進めていくのか。今後どのように支援をしていくのか改めて注目される。

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