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農機レンタルに期待大 導入しやすい料金など 農業支援サービス需要へ適切なアプローチを

 人手不足が厳しい農業現場において、大きな助けと期待される農業支援サービス。その普及に向け農機のレンタルやサブスクリプション(サブスク)、シェアリングに対し高い期待があることが農水省の分析で分かった。同省統計部データ分析支援チームがレポートとしてまとめたもの。同レポートによると、今後のさらなる普及に向けてはサービスのパッケージ化や団体加入割引など利用料低減に関する工夫やサービスの存在を認知してもらう機会の増加などが必要だとしている。

 分析は、農業支援サービスの現在の利用状況や今後の利用意向を明らかにするとともに、現在サービスを利用しておらず、今後も利用する意向がない農業者の特徴や農業支援サービスを利用していない理由を明らかにすることを目的とし、2020年度農林業センサス農林業経営体調査及び令和4年度農業支援サービスに関する意識・意向調査をもとに実施した。

 分析では、意向調査の回答者を現在の利用状況と将来の利用意向で4つのグループ(▽グループ1:現在希望する全ての農業支援サービスを利用している▽グループ2:現在希望する一部の農業支援サービスを利用しており、今後も利用を希望している▽グループ3:現在農業支援サービスは利用していないが今後利用を希望する▽グループ4:現在利用しておらず、今後も利用を希望していない)に分類し分析した。

 その結果、普及度の高いサービスとしては、耕うん・育苗・定植・草刈・剪定・収穫等、農薬散布・施肥が挙げられた。一方、ニーズが大きいサービスとしては、農業機械のレンタル・サブスク・シェアリング、臨時的な人材派遣、生育や経営の分析・コンサルティングが挙げられている。

 今後の農業支援サービス普及に向けて必要なこととしては、グループ2では、現在利用しているサービスのさらなる充実化(特に臨時的及び年間を通しての人材派遣サービスについてサービス内容の多様化)のほか、サービスのパッケージ化や団体加入割引など利用料低減に関する工夫をあげた。また、臨時的な人材派遣サービス及び農機のレンタル・サブスク・シェアリングについては、その他のサービスと併せてアピールすることで利用者のニーズを惹きつけられる可能性が高いなどとした。

 グループ3は、利用意向が利用開始につながるような具体的なサービス内容の周知のほか、年間を通じての人材派遣については、サービス内容の充実化が必要とした。

 グループ4に対しては、サービスの存在を認知してもらう機会を増やすとともに、まずは利用意向を持ってもらえるようなサービス使用のメリットを周知することが求められるなどとしている。

 レポートでは、「今後農業支援サービスを普及させていくためには、利用者のニーズをきめ細かに捉え、利用者のサービス受容段階に応じた適切なアプローチを行っていくことが重要」とまとめている。

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