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ザルビオで可変施肥 JA全農がスマート農機実演会  ヤンマーアグリジャパン、ビコン、ニコン・トリンブルが協賛

ザルビオで可変施肥 JA全農がスマート農機実演会  ヤンマーアグリジャパン、ビコン、ニコン・トリンブルが協賛
(写真説明)マップ情報を基に散布するビコン・ワイドスプレッダー

 JA全農は4月12日、衛星画像とAI分析による最先端の栽培管理支援システム「ザルビオフィールドマネージャー(以下、ザルビオ)」を活用した可変施肥実証実演会を宮城県大崎市内のほ場で行った。肥料などの資材を減らして生育ムラが抑えられる可変施肥がザルビオを活用することで簡単に行えることを広く知らしめるために実施。午前はJA関係者、午後は地元生産者を中心に来場した中で実演。ザルビオで作成した可変施肥マップを基に正確に散布していく様子を披露した。


        サルビオの特長が説明された

 JA全農では低コストで農家が導入しやすい経営・栽培管理システムとしてZ―GISとザルビオを推進している。ザルビオは人工衛星データとAIの解析により栽培管理の意思決定をサポートするシステムで、最大の特長は可変散布マップをスマート農機と簡単に連携できること。過去15年分の衛星データから元肥の設計に使える地力マップや追肥時に便利な生育マップが手軽に入手できるのが魅力だ。今回は対応する農機を保有する農業生産法人ITOの協力を得て、ザルビオで作った可変施肥マップを実際に農機に読み込ませて散布実証を行った。

 「ザルビオはパソコンを使って活用するシステム。特別なソフトを準備することなく、インターネットのブラウザ上で活用できる」と東北営農資材事業所の奈良岡寛久TAC・生産対策課調査役。ザルビオでできることとして①衛星画像データでほ場に行かなくても生育状況が見えるので作業の効率化が図れる②AI(人工知能)と衛星画像でほ場管理や生育予測、病害予測、可変施肥などが簡単にでき収量アップに貢献③可変散布で農薬使用量を削減させてコストダウン実現に伴う収益性向上の3つをあげた。また、全ての機能が100ほ場まで月額1100円(税込、年間契約が必要)の低価格で利用でき、水稲や大豆など18品目まで対応していることも紹介。「2ほ場まで無料で試せるので、利便性を感じて欲しい」と述べた。

 実演機はニコン・トリンブルの自動操舵システム「Trimble GFX―750」を搭載したヤンマートラクタ「YT4104A」にビコンジャパンのビコン・ワイドスプレッダー「ROM1550G」の組み合わせ。天候の影響から166aの水稲ほ場で土壌改良材を散布。テント内にモニターを設置。色の濃淡で示した地力の違う部分ごとに散布量を変化させる様子をリアルタイムで披露した。

 ニコン・トリンブル農業システム営業部営業課の山田一海氏は「同機には先進的な技術を行うのに必要なオプションも登録いただき、フルラインアップに近い状態。ザルビオのマップを入れ込むことで施肥量の可視化なども行える。ザルビオとの組み合わせは昨年から増えている。宮城県は今年から全県を網羅するRTK基地局の運用が開始したので利用者が進むのではないか」と述べた。

 ビコンジャパンはホッパー容量1100ℓの「ROM1100G」も展示。シリンダーの動く様子や装着しているジョンディアトラクタのモニター内からも操作できることを紹介した。宿谷貴博営業推進部課長は、「ビコン・ワイドスプレッダーROMシリーズは肥料を正確に・遠くに飛ばすことができるのはもちろん、可変施肥やセクションコントロールといった細密散布を可能にする便利な機能が備わっている。実演したROM1550Gは重量センサーを4つ搭載。同センサー搭載モデルには散布量が的確かどうかを自動で計測しながら散布するオートキャリブレーション機能も備えているので、肥料高騰下において無駄撒きを控えたいと考える生産者から好評を得ている。ザルビオは北海道でホクレンと実証事業を行っている実績もあり、相性はバッチリ。こうした実演会で周知させていく」。ヤンマーアグリジャパン東北支社の和田由紀夫アグリサポートグループ専任部長は「ザルビオは簡単にほ場記録が得られるため、〝スマート農業を始めたい〟と思いついたら即始められる点でも有効」と述べた。

 「どのような結果になるか楽しみ」と、ITOの伊藤正夫代表取締役(60歳)。90町歩の面積で米と大豆主体に生産。構成員は父と妻の3人で、状況に応じてアルバイトを活用している。「これだけの面積なので雇用人数を少なく済むため自動操舵システムなども早くから導入している。ザルビオはビコン・ワイドスプレッダーを入れた際に紹介され、今年から活用する。これを機に勘と経験を頼りに行っていた施肥設計を改めるつもり。100%必要なところを80~90%まで元肥散布を抑え、ザルビオで生育状況を見て追肥するやり方に変える」と期待していた。

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