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ヤンマー学生懸賞論文・作文要旨 

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論文大賞・青島萌華さんら 情報が食べられるレストラン ~食と農の本来の魅力の伝達と実践~

 ▽タイトル=「情報が食べられるレストラン」~食と農の本来の魅力の伝達と実践~。
 ▽要旨=筆者らは所属しているゼミナールにおいて、本学と連携協定を結んでいる奈良県御杖村(みつえむら)で採れる農作物をはじめとした食資源に着目し、食と農の魅力発信を通じた地域活性化を目的とする期間限定のレストランを奈良市内で運営した。
 食と農の魅力発信を通じた地域活性化のため、本レストラン事業に取り組んでいたが、活動する中で当初は想定していなかった問題意識を2点抱いた。
 1点目は、食と農において味というのは魅力の一部分にしか過ぎないということである。当初は、村で生産された食材を使用して、おいしい料理を提供することに意義があると考えていた。しかし、おいしい料理を提供するだけでは食材の産地の魅力は伝わらず、どの産地であっても同じ味であることが多い。人が食べ物をおいしいと感じるときには、味に魅力を感じたという理由以外にも、何か別の付加価値が影響をもたらすのではないかと考えた。
 2点目は、消費者の満足ばかりが重視され、食材の本来の価値が共有されない地産地消は、農業が持続できないことである。地産地消により、産地の分かる安心・安全な食材は新鮮なうちに安価で取引される。本来、安心・安全・新鮮は食材にとって価値のあることだが、それらの価値は消費者に伝わっていたとしても見過ごされ、食材は安価に購入されてしまっている。生産者の負担が大きくなる地産地消は、持続可能な農業には繋がらない。生産者の食材に対するこだわりや取組みといった食材の持つ本来の価値を消費者に伝え、理解してもらう必要がある。
 食料廃棄に関する学習やフランス料理店の調査などから、食と農の魅力となる付加価値は、地域の優位性・独自性のある情報だと考えた。御杖村の食材と情報を収集し、それらを基に調理方法や盛り付け、メニュー構成のすべてに意味を込めた「情報が食べられるレストラン」でフレンチのコース料理を提供した。「情報が食べられるレストラン」の実施により、本当に情報が付加価値となるのかの検証を行った。
 そして、レストランの運営を通じて新たな付加価値や気づきを得ることができた。食材の最終提供者が生産から接客までに生まれる食と農の魅力を理解することで、フードバリューチェーンが創出する付加価値が向上したり、フードロスを防ぐことが食と農の新たな付加価値となったりする可能性があること、レストランの努力の過程は、消費者に共感をもたらす可能性があることである。
 「情報が食べられるレストラン」の取り組みにより、食や農が本来持つ付加価値を消費者に伝えることができるほか、生産者と消費者をつなぐ新たなコミュニティの場として栄え、食農産業の発展に寄与できると考えている。

作文金賞の木暮千尋さん 私の心を変えた「大きな発見」 ~異国の養豚から教えられたこと~

 ▽タイトル=私の心を変えた「大きな発見」~異国の養豚から教えられたこと~。
 ▽要旨=農業高校に進学した私を変えたのは、〝養豚部〟に入ったことがきっかけでした。それは、今の私の「将来の目標」に大きな影響を与えています。
 養豚部の活動の中、高校2年生の終わり頃に顧問の先生の勧めで、公益社団法人国際農業者交流協会が主催する「未来の畜産女子育成プロジェクト」というデンマーク養豚について学ぶ研修に参加しました。この研修により、日本とデンマークの多くの相違点を知り、またグローバルな視点で養豚を考える良い機会となりました。
 相違点としての一つ目は、農業に対する国民の意識の根本的な違いでした。国民一人一人が食材に高い関心があり、健康に育った家畜は人の身体にも良いという考え方から、アニマルウェルフェアを国が法律化し、厳しい規制下で管理がされていたことです。
 二つ目は、放牧を行う有機畜産農家が日本よりもはるかに多く、アニマルウェルフェアへの取り組みは当たり前、付加価値のために有機畜産に取り組む農家が多いことでした。研修の中で、放牧養豚農家の方から「一番大切なことは消費者にどう育ったのかストーリーを伝えることだよ」と教えていただきました。ストーリーとは豚の餌、使用された抗生物質や薬、飼育環境など情報のことで、これにより消費者に商品の魅力や安全性を理解してもらっていました。
 デンマークでの広大な土地を活用した豚目線による養豚経営に衝撃を受けました。この研修での大きな発見となりました。これから目指すべき農業の3Kは「かっこいい」「感動あり」「稼げる」と言われていますが、これはまさに、デンマーク養豚そのものだと思いました。そして、私の目指す養豚もここにあると感じました。
 私は研修に参加するまで、普通に養豚企業への就職を考えていました。しかし、研修後「自ら養豚を営みたい、自分の農場を持ちたい」と考えが大きく変化しました。農業大学校に進学する前、祖父母に養豚経営への起業を宣言しました。「安定した利益が得られるようになったら加工にも挑戦したい。その時は加工部門を任せるね」という私の提案に、二つ返事で「いいよ。それまで生きなきゃね!」と気さくに返してくれました。この言葉は私の背中を押してくれているようで、とても心強く感じたことを覚えています。それにより、さらに自分の夢に進んでいける自信になりました。まだまだスタートラインに立ったばかりですが、私の気持ちはもう未来に向かって動いています。

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