農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

肥料高騰が続く中、高能率散布、均一散布を実現する施肥機として紹介したいのが、松山＝松山信久社長、長野県上田市塩川５１５５＝のニプロブロードキャスタ「ＭＰＷ５００／７００」だ。ホッパー容量５００ℓと７００ℓの２モデルを用意。片側散布幅10～21ｍで、ダブルスピンナー方式による高い散布精度を発揮。春作業に向けて実演を行っている。

　

　田起こし前の元肥や追肥作業において、無駄に肥料を落とさず効率的な作業が行えると、昨年の発売以来好評なのがニプロブロードキャスタＭＰＷ５００／７００だ。ワイド散布で作業能率アップと高い散布精度を誇る同機。散布方式はダブルスピンナー方式を採用し、片側10～21ｍの範囲で散布ができる。往復散布でオーバーラップさせることにより、広範囲に均一散布が行える。オーバーラップ散布の利点は、トラクタの走行位置が多少ずれても、重ね合わせの肥料の量は大きな差が生じにくいことだ。
　肥料落下口位置は肥料が羽根に直接当たらない中央部分で、肥料を砕きにくく散布ムラを低減。４枚の羽根が繰出した肥料を均一に散布し、水平ディスクによる散布は風の影響を受けにくい構造となっている。肥料の散布量が確認できる調量モードを用意し、より正確な散布量の設定ができる。散布が難しい外周散布用にワンボタンで右側ディスクの散布を停止する外周モードを用意している。
　ＡＧ―ＰＯＲＴ付トラクタの車速連動に対応。トラクタから取り出した車速信号に合わせて、電動シャッターの開度が変動し、より均一に散布する事が可能。旋回モードの採用により設定した車速以下になると自動でシャッターが閉じ、オペレーターの負担が少なくスムーズな作業が行える。
　ＭＰＷ５００は45馬力以上、ＭＰＷ７００は60馬力以上のトラクタに対応。ホッパー容量は、ＭＰＷ５００は５００ℓ、ＭＰＷ７００は７００ℓで残量センサー装備で肥料が少なくなると警告音と警告灯で知らせてくれる。また、施肥終了後に余った肥料を簡単に排出できるエンプティキットを装備している。
　装着方法はＪＩＳ標準オートヒッチ対応で着脱も簡単。同機の能力について実演などを通して確かめてほしい。
【主要諸元】▽全長×全幅×全高（㎜）＝１０８５×１４９５×９１０（㎜）▽質量＝２４０㎏▽ホッパー容量＝５００ℓ▽適応馬力＝33・１kW（45‌PS）～▽散布幅＝10～21ｍ▽作業速度＝４～10㎞／ｈ▽作業能率＝1.9～0.4分／10ａ▽ＰＴＯ回転数＝２９０～５４０rpm▽装着方法＝ＪＩＳ標準オートヒッチ0.1兼用▽散布対象＝粒状肥料、土壌改良剤。