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今のニーズ捉えた3機種5シリーズ 低価格でも使い易く 農地の大規模化に対応 クボタ2022下期新製品

クボタ国内営業本部(飯塚智弘本部長)は2022年下期新商品3機種5シリーズを発表した。このうち、今回は『トラクタ・スラッガーマニュアルシフト仕様スペシャル』(ホイル3型式、パワクロ1型式)とアグリロボ田植機10条のNW10SA(無人仕様)、田植機ワールドシリーズWD6/8を紹介する。価格は全て消費税(10%)込み。★印は新機能。
【トラクタ・スラッガーマニュアルシフト仕様スペシャル】▽ホイル仕様=SL38H(38馬力)/同45H(45馬力)/同54H(54馬力)▽パワクロ仕様=同54H―PC(54馬力)。
《開発のねらい》生産資材の高騰が続く中、農業機械の低コスト化のニーズが高まっている。このような環境下、シンプル・安価なスラッガーマニュアルシフト仕様を更に使いやすく、求めやすい価格を実現した「日本農業応援スペシャル機」として発売する。
《主な特長》①求めやすい価格設定=シンプル装備により、無段変速仕様(C仕様)同馬力機種と比較して、キャビン仕様で111万1000円、安全フレーム仕様で95万7000円安価な価格設定を実現(2022年7月価格改定後と比較)。
 ②さらに使いやすくなったマニュアルシフト=シンプルで扱いやすいHパターンのマニュアフト。副変速とクリープの組み合わせで前・後進20段のきめ細かい変速が可能。★シャトル変速部にダブルコーンを採用し、前後進切り替えがよりスムーズになった。
 ③充実の基本装備・快適装備=ワンタッチ耕うんモードスイッチ、ニューSTモンロー、AD倍速ターン、安心PTO、外部操作スイッチ等の充実の基本装備に加え、ワイドキャビン(キャビン仕様)、オートエアコン(キャビン仕様)、サスペンションシートなどの快適装備を継承。★外部入力端子付きCDラジオ、リヤワイパ(いずれもキャビン仕様)を追加標準装備。
 発売は2022年8月。
《希望小売価格》ホイル仕様475万6400円~678万7000円、パワクロ760万1000円。


【アグリロボ田植機NW10SA(無人仕様)】NW10SA―PF―A(ディーゼル10条植無人仕様)
《開発のねらい》国内農業は高齢化に伴う離農や委託、経営効率化を図るための農地集積等により、営農規模の拡大が進んでいる。そのような状況下、担い手農家は人手不足や作業効率の向上、省力化など様々な課題を抱えており、スマート農業を活用した課題解決の取組が急務になっている。クボタはGPS搭載農機を「ファームパイロットシリーズ」と称して展開、2020年には自動化レベル2(有人監視下での自動化・無人化が可能)のアグリロボ田植機を8条クラスで市場導入した。このほど10条クラスへNW10SAを追加する。アグリロボ田植機のラインアップ拡充を図る事で、様々な顧客の課題解決を図る自動運転田植作業を提案する。
《主な特長》①自動運転機能=補助者の監視下において、オペレータが搭乗しなくても生成されたほ場マップに基づいて自動で田植作業を行う。ほ場マップは、最初に田植機が最外周を走行することで生成される。例えば、隣接ほ場の場合、今までと同じ作業人数で2台分を苗補給することが可能になるので、従来機(オペレータが操縦)と無人機を同時稼働させることができる。それにより大幅に作業能率向上を図ることができる。また、最外周もオペレータ搭乗による有人監視で自動田植作業が可能。
 ②積層灯・無線リモコン=「青・緑・桃色」の積層灯で無人運転中の機体状態を知らせる。また無線リモコンで各種操作ができるので、補助者が監視者として操作可能。
 ③ターミナルモニタ搭載=自動運転アシスト機能、自動運転機能に必要な各種設定を、タッチパネル式ターミナルモニタで行う。
 ④自動調整機能(条間調整、自動各条クラッチ機能、ロータ自動機能)=ほ場1枚を自動で全面植付するために、最終工程で奇数条数をなくすための条間を自動調整する条間調整機能、植付中の各条クラッチをほ場形状に合わせて自動的に作動する自動各条クラッチ機能、外周の旋回跡走行時は自動的にロータを起動するロータ自動機能を搭載。
 ⑤RTKアンテナユニット(VRS対応可)を装備=誤差の少ない(数センチ)高精度測位が可能。別売オプションとしてRTK基地局キットを採用するが、NW10SAでは、基地局の設置が不要となるVRS方式(仮想基準点方式)にも対応。
 ※VRS方式とは=国土地理院が管理する電子基準点から得たデータを基に、サービスプロバイダがインターネット回線を通じて補正データを配信するサービスを利用する方式で、基地局の設置が不要で、携帯電話が使用可能なエリアであれば、どこでも利用可能。
 ⑥安心サポート機能=
超音波ソナーを前方・側方・後方で合計10個装備しており、障害物を検知すると自動で停止する。
 ボイスアラームを搭載しているので、注意喚起を音声で行う。また、操作方法についても音声で知らせるので、不慣れな人でも安心して操作できる。GPS測位レベルの低下、走行ラインからの逸脱、機体傾斜過大、機械の故障などの異常を検知した場合、走行を停止する。
 ⑦可変施肥機能=KSAS(クボタスマートアグリシステム、同機能を使用するには、KSAS営農支援コースに入会する必要)上で事前に作成した施肥マップを受信することで計画通りの可変施肥を行い、稲の生育のバラつきを抑え、食味・収量の安定が期待できる。
 ⑧直接通信ユニット搭載=機械の位置情報・稼働情報を活用したサービス「MY農機(機械の状態やメンテナンス記録が管理出来るKSAS機能)」を利用できる。また、KSAS営農コースで、ほ場及び作付計画を登録し、同機で作業を行うと、モバイル操作無しに自動で作業日誌が作成される。
 発売は2022年10月。
《希望小売価格》820万2700円。

【田植機ワールドシリーズWD6・8】WD6(ディーゼル6条植)/同8(同8条植)。
《開発のねらい》▽コスト意識の高い担い手農家に向けて、クボタは2013年に「シンプル&低価格」をコンセプトとしたワールドシリーズ田植機を市場投入した▽2015年・2021年には、市場要望の高い装備を追加した、ワールドシリーズのスペシャル機を投入し好評を得ている。
 ▽このほどワールドシリーズをWD6・8へモデルチェンジし、市場投入する▽業界最安価(2022年6月現在クボタ調べ)6・8条ディーゼル田植機として、更なる稲作での生産コスト低減に貢献する。
《主な特長》①新デザイン=★クボタオレンジを採用し、新ワールドシリーズ市場投入にてクボタ乗用田植機は統一色となった。また、高輝度のLEDライトを採用し、移動での視認性やほ場での作業性が向上した。
 ②高出力ディーゼルエンジン=環境に優しく、経済的で、且つ粘り強く、湿田や深田で余裕の作業が可能な高出力ディーゼルエンジンを搭載(WD6:17・3PS、WD8:21・0PS)。
 ③アクセル連動主変速レバー=★主変速レバー操作に連動して、最適なエンジン回転数へ自動で制御する。これまでの主変速レバーでの前後進とアクセルレバーによるエンジン回転数の調整が必要なく、自動制御効果にて従来機との比較では、燃費が9.1%(クボタ調べ)改善。
 ④レール式予備苗台=作業者が苗補給を楽にスピーディーに行なえる。また、市場要望の強かった片側レールから両側レールへの変更(別売オプション)も可能となり、様々な苗補給スタイルに幅広く適応。
 ⑤疎植株間・密播苗対応=★疎植に加えて、横送り30回の密播苗について、今回新たに対応可能となった。高密度播種により、苗箱数を無理なく減らし、コスト低減と省力化に貢献。
 ⑥新施肥機=★着座状態で施肥量調整が可能になり、残肥排出も容易になった。施肥作業の時間短縮・効率化が図れる。
 ⑦メンテナンス性の向上=★バッテリの配置を座席下から機体横へ変更した。メンテナンス作業時のアクセス性を向上させ、長期格納時やメンテンナンス時のバッテリ着脱作業時間を短縮することができる。
 発売は2022年10月。
《希望小売価格》232万1000円(6条)~370万7000円(8条・粒状側条施肥仕様)。

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