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“新しい酒米を作る”プロジェクト 集大成の日本酒完成 ヤンマーの遺伝・育種技術が貢献 

ヤンマーマルシェ=山岡照幸社長、大阪市北区=と日本酒メーカーの沢の鶴=西村隆社長、神戸市灘区=は6月1日、新商品発表会を開き、新しい酒米品種の栽培に成功し、その酒米で仕込んだ日本酒「沢の鶴NADA88(なだはちじゅうはち)」を発売すると発表した。両社が6年がかりで取り組んだ「酒米プロジェクト」の集大成となる商品。開発した新しい酒米品種は栽培しやすく安定生産が可能で、〝酒米の王様〟山田錦の双璧として期待がかかる。5000本の数量限定で販売。
 「NADA88」は、上品な香りと果実香が特徴の純米大吟醸。米の漢字の由来となる「八十八」と、兵庫・灘の地で米にこだわり続ける沢の鶴の思いを込めて命名した。
 原料となった酒米品種は「OR2271」(品種登録出願中)。山田錦に比べて草丈が10㎝ほど短く倒れにくいため栽培しやすいのが特徴だ。また、心白が大きくタンパク質と脂肪が少なく酒造りに適している。
 酒米は栽培が難しく、年々減少する酒米農家の状況を危惧した沢の鶴の要望で、ヤンマーが生産しやすい酒米の品種の開発に着手。両社は2016年3月、「新しい酒米を作る」を目標に酒米プロジェクトをスタートした。酒造りに適した酒米の「高品質」と「安定調達」を目指し、酒米種子や栽培方法、栽培環境、醸造方法などの課題に両者の知見とノウハウを共有し研究を進めてきた。18~20年に、3度にわたり開発商品を発表してきたが、今回の「沢の鶴NADA88」が最終商品と位置付けた。
 この日、神戸市灘区の沢の鶴資料館で開かれた発表会には沢の鶴の西村隆社長とヤンマーマルシェの山岡照幸社長らが出席。西村社長は「ヤンマーの先進的な技術やICTを活用した栽培に取り組んだ。今までにない酒米で日本酒・農業の未来を切りひらく。新しい酒米で醸した『新たな価値観』を多くの方に味わって欲しい」と挨拶。
 山岡社長は「ヤンマーグループの遺伝・育種技術と沢の鶴の酒造技術を合わせたプロジェクトで、酒米農家が育てやすい品種の開発に取り組み、栽培時に倒伏しにくく安定生産が可能な品種の開発に成功した。特徴的な米の形状で、少ない削りで美味しい日本酒造りに適している。まさに沢の鶴の新しい幕開けにふさわしい商品。300年を超える歴史と伝統、未来に挑戦を続ける同社ならではの酒造りにヤンマーの技術やデザインが関わり新しい歴史を作ることができ誇らしい」と語った。
 インターネットの応援購入サービス「Makuake」で先行販売する。

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