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ポンセ林業シミュレータ徳島県の2高校が導入 林業担い手育成サポート 新宮商行

4月は新学期がスタートする季節。新たな林業の担い手育成にと徳島県立池田高等学校三好校(徳島県三好市池田町)と、徳島県立那賀高等学校(同県那賀郡那賀町)は、新年度開始を前に新宮商行・林機課(坂口栄治郎社長)からポンセ林業用シミュレータを導入した。現場実習さながらの体験ができることから「林業への興味関心が高められれば」と期待していた。

 ハーベスタやフォワーダをはじめとするポンセ高性能林業機械の日本総代理店である新宮商行・林機課=本店:北海道小樽市稲穂2―1―1=では、林業用シミュレータを活用した担い手育成にも力を入れている。「今回、国が進めるスマート専門高校実現に向けた補助金を活用して導入いただいたポンセフルシミュレータは最新技術と最高のトレーニング機能を有している」と同社守田希世人課長。オプションのVRなどを駆使したハーベスタとフォワーダのシミュレーション機能を備えており、ハーベスタではハーベスタコンプリートマシンだけでなく国内で主流の油圧ショベルをベースにしたヘッドの操作方法が体感でき、伐倒や玉切り・枝払いなどの作業を行うことが可能なほか、フォワーダも材の積込みや木寄せなどの各種運材作業が体感できる。アームレスト付きの操作ジョイスティックは実機と同様の材質で、ヘッドのシミュレータには最新のポンセ・コンピュータシステムのOPTI7を搭載。簡単・明瞭なタッチパネル式ディスプレイで、精密な測尺生産量のレポートやデータ転送、生産した丸太個々の自動選別といった実践的な機能も体験可能だ。また、練習中の操作や作業の傾向を分析し結果を評価するシミュレータならではの学習・習得の効率を上げる機能も搭載しており、単に機械操作に慣れるだけでなく、技術の修練にも十分活用することができる。
 徳島県内ではとくしま林業アカデミーがハーベスタシミュレータを備えているが、高校では初とのこと。県内でも林業が盛んな地域の高校にこうした最新機械を設置して学生時代に触れられることは、地域の林業活性化を図る上でも大いに役立つと期待する。
 徳島県立池田高等学校三好校環境資源科では、森林資源の有効的な利用方法ならびに菌類の培養と草花の栽培および利用に関する学習を行っている。また、演習林実習や林業インターシップによる実践的な林業学習に力を入れている。
 環境資源課の森実秀敏教諭は「授業の中で地元の森林組合や県農林水産部と連携し、高性能林業機械を使った実習を行っているが、その事前指導に活用すれば機械操作に慣れた状態で安全に実施できると考えている。機械好きな生徒はもちろん、大きな重機に乗るのが苦手な子もゲーム感覚で操作できるので林業に興味を示すと思う。体験入学の際にも活用するなど、林業に関心を持つ人材を育てたい」と述べた。
 那賀高校は2016年4月に林業に関する学科「森林クリエイト科」(農業科)を新設。2年の進級時に林業従事者の育成を目指す「林業実践専攻」をはじめ、「木材加工専攻」、「地域資源活用専攻」から選択して習熟度を深めた後継者育成に力を入れている。農務課の浦裕明教諭は「実習が行えない雨の日に室内で練習や体験ができる。また、ソフト自体は海外のものなので、日本以外の林業がどのように行われているかにも触れられ、生徒の視野を広げることにもつながるはず」と期待を寄せていた。
 導入後もサポートを行っていく、と新宮商行の守田課長。「元々ポンセ製品をより効果的な活用をするため、2年前に小樽本店にシミュレータを設置したのがはじまり。機械の運転操作・制御システムの設定に関する知識・理解を深められることから教育機関にも積極的に推し進めており、昨年開校した北海道立北の森づくり専門学院にも導入いただいた。ポンセ実機同様、遠隔からサポートする体制を整えているので、林業従事者確保が大きな課題の中、シミュレータを普及させて少しでも貢献していきたい」と話した。

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