農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > スマート技術で黒字化 植物工場等404カ所に 栽培管理システム有効

スマート技術で黒字化 植物工場等404カ所に 栽培管理システム有効

スマート技術で黒字化 植物工場等404カ所に 栽培管理システム有効
栽培管理システム/アプリなどといったスマート技術が大規模施設園芸・植物工場の黒字化に貢献できる可能性が大きいことが日本施設園芸協会(鈴木秀典会長)がこのほど公表した「大規模施設園芸・植物工場実態調査・事例調査」でわかった。なお、大規模施設園芸・植物工場の施設数は太陽光型、人工光型、併用型合計で404カ所となった。

 「大規模施設園芸・植物工場実態調査・事例調査」は、農水省の「令和3年度データ駆動型農業の実践・展開支援のうちスマートグリーンハウス展開推進」の一環として行われた行われたもの。調査は調査票の郵送、メール、FAX及びオンライン。回収数149票。
 回答者の栽培形態としては、太陽光型が46%、人工光型が39%、併用型が14%。このうち太陽光型および併用型について、暖房などの熱源は燃油が68%を占めたほか、電気(農業用ヒートポンプ)が35%、ガス・LPGが30%、バイオマスが14%などとなっている。
 一方、人工光型について、光源はLEDが94%、高圧ナトリウム・蛍光灯等が21%(複数回答可)。
 また、回答を組織形態で見ると株式会社(農地所有適格法人を除く)が56%で最も多く、次いで農地所有適格法人が37%。直近5年の比較では農業者等と株式会社の割合が半数程度だったが、2019年以降は株式会社の占める割合が増加傾向にある。
 スマート化については、全体的に対象が施設園芸、植物工場ということもあり、環境制御システムのほか、環境モニタリング(温湿度計測・記録システム等)の導入割合が高い。また、販売管理システム/アプリ、栽培・作業記録管理システム/アプリの導入も多い。太陽光型や人工光型では選果・包装装置の導入もそれぞれ全体の27%、28%と導入が進んでいる。
 スマート化のシステム/ツール導入の効果について、太陽光型では、回答者の半数以上が品質の向上・均一化、収量向上、作業量の減少の効果があるとしている。一方で課題としては、いずれの形態においてもコストが高いと回答した割合が7割以上を占める。このほか、システム/ツール及び取得データの分析・活用方法に関する理解や時間が不足していること、施設及び栽培実態に対してシステム/ツールの汎用性、拡張性、発展性が不足している、などの声もあった。
 このほか、販売管理システム/アプリ、その他営農・販売支援システム/アプリの導入状況と直近の決算を見たところ、導入しているほうが黒字化の割合が大きかった。また、栽培・作業記録・管理システム/アプリ、防除記録・管理システム/アプリの導入状況と直近の決算でも、導入している方が黒字化の割合が大きかった。報告書では「作業記録の振り返りと参照により確実な対策を行うことで生産性を上げられる可能性を示唆している」としている。
 新型コロナウイルス感染症拡大による影響は「販売先・売り上げ減少」が太陽光型で54%、併用型67%、人工光型で68%を占めた。更にいずれの栽培形態でも調達・流通関係への影響が25%以上となっている。具体的には資材・燃料・人件費などのコスト増加や特にホテルや飲食店との取引の減少などの影響が多く挙げられ、小売店への販売拡大のほか、売先の新規開拓、加工事業を始めとする新規事業の検討・実施により対策を講じた事例がみられる。
 このほか実態調査の一環として、高度な環境制御を行う植物工場・大規模施設園芸の施設数を整理。令和4年2月時点で太陽光型は対前年比6カ所増の176カ所、人工光型は同3カ所増の190カ所、太陽光人工光併用型は同5カ所増の38カ所で、合計は同14カ所増の404カ所となった。
 なお、対象は「太陽光型」は施設面積が概ね1ha以上で養液栽培装置を有する施設(大規模施設園芸)に限る。

関連記事

タイショー 畝立同時高速施肥機 うね内2段局所施肥のGRANVISTA

タイショー 畝立同時高速施肥機 うね内2段局所施肥のGRANVISTA

フジイ 油圧駆動の4WD 果樹園向け新型乗用草刈機

フジイ 油圧駆動の4WD 果樹園向け新型乗用草刈機

ブルモアーRC発売 パワフルラジコン草刈機

ブルモアーRC発売 パワフルラジコン草刈機

遠赤外線乾燥機『RCシリーズ』 25~55石の7型式 本年6月発売開始予定

遠赤外線乾燥機『RCシリーズ』 25~55石の7型式 本年6月発売開始予定