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担い手向けライン拡充・兼業向けSP機 クボタ2022年上期新製品発表 アグリロボトラクタ フルライン アップ完成 新型「レクシア」

クボタ機械事業本部(渡邉大本部長)は1月21日、2022年上期新製品13機種を発表した。本紙では回を分けこれを紹介する。今回はトラクタ。担い手向けのアグリロボトラクタMR1000AH(KVT仕様)とフルラインアップが完成した新型レクシア、兼業・一般向けのニューグランフォースのスペシャル(SP)機。★印は新機能。価格は全て税込み。
【アグリロボトラクタMR1000AH(KVT仕様)】発売型式▽有人仕様(オペレータが搭乗した状態での自動運転が可能)=ホイル仕様MR1000AH―OP(100馬力)1型式、パワクロ仕様同PC―OP(同)1型式▽無人仕様(使用者の監視下において無人自動運転作業が可能)=ホイル仕様同A(同)1型式、パワクロ仕様同PC―A(同)1型式。
《開発のねらい》日本農業は高齢化や後継者不足等に伴う離農や委託、経営効率化を図るための農地集積により営農規模の拡大が進んでいる。そのような状況下、担い手農家は人手不足や作業効率の向上・省力化等、様々な課題を抱えており、スマート農機を活用した課題解決の取り組みが急務
となっている。
 それらの課題解決に向け、クボタではGPSを活用した自動運転農機を「アグリロボシリーズ」と称し展開し、トラクタ、田植機、コンバインの主要3機種を取り揃えている。トラクタでは有段変速ミッションのアグリロボMR1000Aを既に販売し好評となっているが今回ラインアップの拡充として、無段変速KVT(Kubota Variable Transmission)を搭載したMR1000AHを発売する。
《主な特長》①自動運転機能▽有人仕様=オペレータがトラクタに搭乗した状態での自動運転が可能。ほ場の仕上がり状態の確認がしやすく、作業精度が向上すると共に、オペレータの疲労を軽減させる。また、未熟練者でも簡単に操作を行うことができる▽無人仕様=使用者の監視下においてトラクタの無人自動運転が可能。標準装備の無線リモコンで離れた位置からでも自動運転の開始や停止が行えると共に、監視タブレットでの耕深・車速の指示も可能。ほ場内の状況に合わせた作業が行える。有人仕様同様、作業精度の向上や未熟練者でも簡単に操舵を行うことができ、無人仕様では保有トラクタとの同時作業により大幅な作業効率の向上に、貢献する。
 ②作業ルート自動生成と開始点自動誘導機能▽ほ場外周走行によるマッピング操作、および作業に必要な情報を入力するだけで、ほ場形状に合わせた最も効果的な作業ルートを自動生成。未熟練者でも効率の良い作業が行える▽スイッチを押すだけで枕地幅を考慮した作業開始位置まで自動で移動できる機能によりロス(過度の重複、残耕)の少ない作業が行える。
 ③自動運転適応インプルメントの拡充=★「耕うん、代かき、粗耕起、肥料散布、播種」の作業に適応しているが、使用インプルメントの作業幅やサイズの任意設定が行えるようになり適応インプルメントを大幅に拡充。
 ④オートステアリング機能の向上▽直進オートステア機能を搭載し、自動運転対象外の作業においても直進時のステアリング操作はトラクタに任せることが可能。未熟練者でも各種作業が精度よく行え、作業能率も向上(※無人仕様のアグリロボトラクタでも、同機能はオペレータが搭乗する必要がある)▽★ルートオートステア機能と後進オートステア機能を新たに追加し、更なる作業精度や作業能率の向上を実現=ルートオートステア機能:ほ場中央部の自動運転作業後に残った枕地周り作業を自動操舵で行うことができる機能。後進オートステア機能:前進だけでなく後進時も自動操舵を行える機能。
 ⑤安心サポート機能▽無人仕様=障害物を検知するレーザーやソナーを装備。障害物に近づくと自動運転を停止する▽無人仕様・有人仕様共通=自動運転作業時、機体がマッピングしたほ場からはみ出る・機体が作業経路から外れる等の状況になった場合、自動運転を停止させる安心サポート機能を装備。
 ⑥ターミナルモニタ=自動運転に必要な各種設定をタッチパネル式ターミナルモニタ1台で行える。また、大画面のカラー液晶モニタで設定や状態の確認が容易に行える。
 ⑦RTKアンテナユニット(VRS対応可)を装備▽RTKに対応し誤差の少ない(数㎝)高精度測位が可能▽別売オプションとしてRTK基地局キットを採用。MR1000AHでは、基地局の設置が不要となるVRS方式(仮想基準点方式)にも対応。
 ※VRS方式とは国土地理院が管理する電子基準点から得たデータを基にサービスプロバイダがインターネット回線を通じて補正データを配信するサービスを利用する方式。基地局の設置が不要で携帯電話が使用可能なエリアであればどこでも使用可能。
 発売時期は有人仕様=2022年3月、無人仕様=同年6月。
 希望小売価格は、MR1000AHQMAXWUL1―OP(レクシアシリーズ、100馬力、アグリロボ、無段変速KVT、キャビン、モンロー・オート、逆転PTO、ワイドトレッド、鋳物製ウエイト台、前輪:11・2―24・後輪:13・6―38H、有人仕様)=1319万6700円~同PC3―A(同、前輪:360/70R20・クローラ幅:450㎜、無人仕様)=1644万1700円。
【トラクタ新型レクシアフルラインアップ完成】発売型式ホイル仕様MR600H(60馬力)、同650H(65馬力)、同700H(70馬力)3型式。パワクロ仕様同650H―PC(65馬力)、同700H―PC(70馬力)2型式。
《開発のねらい》担い手農家を中心として営農規模の拡大が進展する中、快適性・操作性・高能率・高精度・省力化といった作業性向上に対するニーズが高まってきている。加えて、デザイン性の向上に対するニーズも高まっており、購入の際の大きな判断材料の一つになってきている。今回、それらのニーズ応えた新型レクシアの60馬力から70馬力のモデルを発売。これにより、新型レクシアシリーズのフルラインアップが完成した。
《主な特長》①無段変速KVTミッション▽★トランスミッションは無段変速KVT(Kubota Variable Transmission)を採用し、変速操作なしで発進から最高速度までスムーズな走行が可能に。また、KVTは大容量HSTとハイとローの2つの遊星ギヤを備え、高効率かつ滑らかな無段変速を実現▽★ノークラッチでのブレーキ停止が可能になるスムーズな発進ができることに加え、坂道発進補助機能も備え登坂発進時のずり下がりも抑制▽★クルーズ機能を搭載し車速重視の作業では負荷に応じてエンジン回転を自動で増減。車速を一定に保ち作業効率が向上。
 ②デザイン一新のワイドキャビン▽★ワイドキャビンを採用し、現行機に比べキャビン容積を約15%アップ。外観、内装共にデザインを一新した▽★複数の情報が同時に確認できる大型液晶ディスプレイ付のメインメータ、オペレータの体格に合わせて角度と高さの調整ができるチルト・テレスコ付きのハンドル、エアーサスペンションシート、夜間照明等を新たに採用し、快適作業をサポート。
 ③LED作業灯とフットライトの採用▽★作業灯は全てLEDを標準装備しドアの開閉と連動して左側昇降用ステップを照らすフットライトを新採用。視界の悪い時間帯の作業性や視認性を向上。また、倉庫等の暗所での移動をサポートするため作業灯をキーオフ後一定時間点灯するディレイオフ機能を備えている④操作性の向上▽★アームレストに使用頻度の高いレバーやスイッチ類を集約し操作性向上▽★電気切り替え式の電子油圧シャトルレバーを新採用し前後進の切り替えがフィンガータッチ操作可。
 ⑤直接通信ユニットの搭載▽★本機稼動情報を自動的に直接サーバーへ送信する直接通信ユニットを搭載し、機械の位置や稼動情報を活用した「MY農機」や「自動日誌作成」等のKSAS(クボタスマートアグリシステム)の様々なサービスが利用可能に⑥安心・安全サポート機能▽エンジン始動時にパスワード認証が必要な「エンジンセキュリティ機能」を採用し、盗難被害への防止を強化(機能の入切は選択可能)▽片ブレーキの誤操作を防止する「片ブレーキあんしん機構」を採用し、ブレーキペダルの連結忘れを防止する。
 発売時期は2022年2月。希望小売価格はMR600HQMAXTL―P(無段変速ミッション、キャビン、モンロー・オート、逆転PTO、鉄板製ウエイト台、前輪8.3―20後輪:12・4―32H、単体仕様)=848万4300円~同700HQMAXUPC3―P(同、鋳物製ウエイト台、前輪:320/85R20クローラ幅:450㎜、単体仕様)=1017万600円。
【ニューグランフォース24馬力ホイル・マニュアルシフト仕様のスペシャル機を追加発売】発売型式ホイル仕様FT240SPB(24馬力)1型式。
《開発のねらい》日本農業は今後、担い手農家の規模拡大が一層加速し、担い手中心にシフトしていくことが予想されるが、一方で、これまで日本農業を支えてきた一般・兼業農家層も引き続き重要な役割を担っていくと考えられる。そのような環境下、クボタでは2016年から、求めやすい価格で誰でも操作しやすいトラクタとして『ニューグランフォース』を販売しているが今回、顧客からの要望が多い「2駆4駆切替レバー」を標準装備した24馬力ホイル・マニュアルシフト仕様のスペシャル機を追加発売する。
 クボタは、これからも一般・兼業農家が快適に、安心して農作業を続けていけるよう応援していくとしている。
《主な特長》①2駆4駆切替レバーを標準装備=★ほ場での作業中は4駆、移動などで道路走行する際は2駆に切り替えることができ、タイヤの摩耗低減に有効②前・後進12段のマニュアルシフト=主変速3段と副変速4段の組み合わせで12段の速度が選べ精度の高い作業ができる。
 ③ダンパー付きワンピースフルオープンボンネット=ヘッドランプとフロントグリルが一体型のワンピースボンネットに、軽い力でフルオープンできるダンパーが装備されエンジン周りの日常点検を容易に行える。
 ④その他の標準装備の機能▽ブレーキ操作なしで、極小一点旋回ができる「U倍速ターン」を標準装備▽代かき作業中の旋回でも、遠心力に影響されず高い水平精度を保持して旋回できる「代かきモンロー」を標準装備。
 ▽旋回時や後進時に自動で作業機を上昇させる「おまかせオートアップ」「バックアップ」を標準装備▽ハンドルから手を離さずに作業機の昇降が可能な「ポンパレバー」を標準装備▽主要な機能をまとめて『入』・『切』できる「ワンタッチ耕うんスイッチ」を標準装備▽大きな文字と警告ランプで見やすいメータパネルなので、各種情報がひと目で確認できる。
 発売時期は2022年1月。希望小売価格は、FT240SPBMAJQF5(スペシャル機、2駆4駆切替レバー、キャビン、マニュアルシフト、モンロー、メカオート、AD倍速、ポンパ、バックアップ、オートアップ、大径タイヤ、サイドドライブロータリ(スーパージョイント)、耕幅1.5m)=261万8000円。
 FT240SPQBMAQF6(スペシャル機、2駆4駆切替レバー、キャビン、マニュアルシフト、モンロー、メカオート、AD倍速、ポンパ、バックアップ、オートアップ、サイドドライブロータリ(スーパージョイント)、耕幅1.6m)=316万2500円。

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