朝日アグリアがもみ殻灰活用の指定混合肥料開発 水稲向け総合土改剤 公定規格の見直しに対応
肥料メーカーの朝日アグリア(村上政徳社長)は、粒状有機肥料の製造企業としては国内トップクラス。全農と共同開発した堆肥および普通肥料の利点を併せ持つ低コスト肥料(混合堆肥複合肥料)「エコレット」は、播き易く、側条施肥できることから耕種農家から高い評価を獲得しており、急速に普及拡大している。
また、昨年の肥料法改正で規格が新設された「指定混合肥料」の第一弾商品として上市した水稲向け総合土壌改良資材「稲サポ」と園芸オールインワン肥料「農家想い454」はいずれも牛ふん堆肥入りで使用割合は約30%、約20%(乾物換算値)。ペレット状に粒状加工することで広域流通できる利点があることから、今後の普及拡大が見込まれる。
さらに、12月1日から肥料原料の公定規格の見直しにより、副産原料の規格が設定され、これまで土壌改良の特殊肥料という扱いだったもみ殻灰や木質灰が指定混合肥料の中で混合して使用できるようになった。今後、各肥料メーカーが副産原料の活用を加速することが予想される。
こうした中で朝日アグリアでは、もみ殻灰を活用した普通肥料の開発に取り組んでいると聞いて開発担当者に話を聞いた。
もみ殻は国内で年間約200万tが稲作農業から排出されていると推計される。かつては東北エリアなどで転換畑への利用という形で暗渠に活用されてきたという経緯がある。また、2001年に廃棄物処理法が施行される前までは、ごく当たり前に野焼きが行われ、もみ殻は焼却処理するモノだったが、現在では、「燃やせない」「腐らない」と処理に困っている稲作農家も多い。余剰のもみ殻は各自治体とも処理に悩んでおり、産業廃棄物として処理しなければならないケースも見られる。
一方、もみ殻にはケイ酸成分が多く、効果的に肥料に有効活用するための研究も農研機構を中心に民間企業と連携して進められてきた。課題となったのは、最大限肥料として活用できる可溶性ケイ酸の量を確保できるかどうか。燃焼の条件が悪いと可溶性ケイ酸のレベルが下がってしまう「灰の老化」が起こることが知られている。
こうした中で高度なコントロール技術で熱処理し、有害物質を排出せず有益な非晶質の可溶性ケイ酸(シリカ)を含む「もみ殻灰」を製造する装置がこのほど富山県射水市のエンジニアリング企業NSIC(関連企業の北陸テクノ)によって開発されたことで、今後は肥料原料としてもみ殻灰が大いに活用されることが期待されている。
この装置は、経済協力開発機構(OECD)パリ国際会議で発表され、11月24~26日に東京ビッグサイト青海展示場で開催されたアグロ・イノベーション2021の展示コーナーでも模型を展示し、もみ殻の「カーボンレスシリカ灰」を紹介した。現在、この装置で製造した「もみ殻灰」を活用し、JAいみず野(富山県射水市)と朝日アグリアが共同して、製品化に向けた取組を進めている。今後、水稲向け総合土壌改良資材として指定混合肥料登録し、数年かけて生産者の圃場で試験を行う予定だ。P・K・Siの成分比率は7・7・20で暫定的に設計。もみ殻灰は原料中の20%を使用する形で検討。朝日アグリアでは畜産堆肥と配合することを想定している。「もみ殻灰を活用する際に最も重要な点は比重が軽いことをどう解決するか。他の原料と組みわせることで改善することが一番重要な課題」と担当者は締めくくった。
同社では、リン酸・カリを多く含む鶏ふん灰、カリ成分を多く含む木質灰やとともに、天然資源由来の灰の原料活用を積極的に進めて行く考えだ。
また、昨年の肥料法改正で規格が新設された「指定混合肥料」の第一弾商品として上市した水稲向け総合土壌改良資材「稲サポ」と園芸オールインワン肥料「農家想い454」はいずれも牛ふん堆肥入りで使用割合は約30%、約20%(乾物換算値)。ペレット状に粒状加工することで広域流通できる利点があることから、今後の普及拡大が見込まれる。
さらに、12月1日から肥料原料の公定規格の見直しにより、副産原料の規格が設定され、これまで土壌改良の特殊肥料という扱いだったもみ殻灰や木質灰が指定混合肥料の中で混合して使用できるようになった。今後、各肥料メーカーが副産原料の活用を加速することが予想される。
こうした中で朝日アグリアでは、もみ殻灰を活用した普通肥料の開発に取り組んでいると聞いて開発担当者に話を聞いた。
もみ殻は国内で年間約200万tが稲作農業から排出されていると推計される。かつては東北エリアなどで転換畑への利用という形で暗渠に活用されてきたという経緯がある。また、2001年に廃棄物処理法が施行される前までは、ごく当たり前に野焼きが行われ、もみ殻は焼却処理するモノだったが、現在では、「燃やせない」「腐らない」と処理に困っている稲作農家も多い。余剰のもみ殻は各自治体とも処理に悩んでおり、産業廃棄物として処理しなければならないケースも見られる。
一方、もみ殻にはケイ酸成分が多く、効果的に肥料に有効活用するための研究も農研機構を中心に民間企業と連携して進められてきた。課題となったのは、最大限肥料として活用できる可溶性ケイ酸の量を確保できるかどうか。燃焼の条件が悪いと可溶性ケイ酸のレベルが下がってしまう「灰の老化」が起こることが知られている。
こうした中で高度なコントロール技術で熱処理し、有害物質を排出せず有益な非晶質の可溶性ケイ酸(シリカ)を含む「もみ殻灰」を製造する装置がこのほど富山県射水市のエンジニアリング企業NSIC(関連企業の北陸テクノ)によって開発されたことで、今後は肥料原料としてもみ殻灰が大いに活用されることが期待されている。
この装置は、経済協力開発機構(OECD)パリ国際会議で発表され、11月24~26日に東京ビッグサイト青海展示場で開催されたアグロ・イノベーション2021の展示コーナーでも模型を展示し、もみ殻の「カーボンレスシリカ灰」を紹介した。現在、この装置で製造した「もみ殻灰」を活用し、JAいみず野(富山県射水市)と朝日アグリアが共同して、製品化に向けた取組を進めている。今後、水稲向け総合土壌改良資材として指定混合肥料登録し、数年かけて生産者の圃場で試験を行う予定だ。P・K・Siの成分比率は7・7・20で暫定的に設計。もみ殻灰は原料中の20%を使用する形で検討。朝日アグリアでは畜産堆肥と配合することを想定している。「もみ殻灰を活用する際に最も重要な点は比重が軽いことをどう解決するか。他の原料と組みわせることで改善することが一番重要な課題」と担当者は締めくくった。
同社では、リン酸・カリを多く含む鶏ふん灰、カリ成分を多く含む木質灰やとともに、天然資源由来の灰の原料活用を積極的に進めて行く考えだ。