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食料生産向上へ貢献 ネビジンなどを紹介 ~三井化学アグロ~

三井化学アグロは12月2日、三井化学が主催する「三井化学フォーラム2021」で、農薬事業等について説明した。
 フォーラムは「社会課題の解決」をテーマに開催され、三井化学の橋本修社長がビジョン説明、またメディアアーティストの落合陽一氏が特別講演。その後グループ各社がソリューションを紹介した。
 三井化学アグロは、宮井俊樹営業本部長が講演。宮井氏は、国内の農薬事業、ハイブリットライスの種子事業、スマート農業関連技術の開発から推進まで携わり、また気象予報士として農作物の被害等を防ぐため、社内外に情報提供活動も行っている。
 講演では、三井化学アグロの事業として、世界の食料生産向上への貢献と、安全安心な食を支える製品開発力について説明。また、殺菌剤「タチガレン」、土壌消毒剤「ネビリュウ」を紹介した。以下、要旨。
【世界の食料生産の向上への貢献】事業の歴史は、1921年に日本で初めて農薬の合成に成功したことから始まった。独自性の高い原体の創出と製品開発を継続的に行うことで食料生産の向上に貢献してきた。原体の創出に必要となる高度な技術、原体の性能を最大限に発揮し使い易さを追求する製剤技術が特長だ。例えば、水田に入ることなく雑草防除できる投げ込み型製剤「ジャンボ剤」を最初に開発。更に「Sジャンボ剤」は薬剤の拡散スピードが速く、中期以降、稲が成長してからの使用でも防除効果を発揮する。
【苗づくりに欠かせないタチガレン(殺菌剤)】タチガレンは苗立枯病に対して優れた効果を示し、更に移植時の発根や活着を促進、水ストレスによる影響も受けにくくする。近年は特に北日本で育苗期に天候不順となり立枯病が発生したり、徒長する年が多くなっているが、このような年にはタチガレンは不可欠となっている。健全な苗づくりは高密度育苗や、機械の高度利用等の大規模生産にも貢献する。タチガレン液剤は野菜、花などの苗づくりにも使用できる。
【あぶらな科野菜の根こぶ病の特効薬・ネビジン(土壌殺菌剤)】ネビジンは、キャベツ等幅広い種類のアブラナ科野菜に使用でき、根こぶ病の病原菌を特異的に不活性化させるため、土壌の微生物等に対する影響が少ない。
 ラインナップの一つ「ネビリュウ」は、農薬散布する際の粉立ちを抑えて播きやすさを追求。有効成分を鉱物質の単担体の周りに付着させ、大きな粒子にしたことで粉立ちを抑えた。土壌表面に播かれた粒子は機械で土壌に混和されることで有効成分が均一に分散して効果を発揮することができる。
 小松菜の栽培でネビリュウの効果を検証した福岡県JAみいの小松菜部会では「長年悩まされてきた根こぶ病だったが、ネビリュウできれいに防除できた。使い易くドリフトも気にしなくてよかった」と高評価を得た。
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 同社三井化学は今後、本各発表テーマに関するウェビナーや各種イベントを開催する予定。

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