ガス化炉実証運転 松本ハイランド農協で もみ殻から非晶質シリカ回収 クボタ
クボタ=花田晋吾社長、大阪市北区=は、長野県松本市のJA松本ハイランド和田広域ライスセンターで、未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収し、廃熱をもみの乾燥に利用するガス化炉の長期実証運転を開始する。更に、シリカの用途開発と販路開拓も進め、未利用バイオマスのもみ殻を資源とエネルギーとして有効活用する地域資源循環モデルの構築をめざす。
【開発の背景とねらい】お米の外皮であるもみ殻は、国内で年間約160万t発生しており、その約3分の2は畜産の敷料、堆肥、土壌改良材などに利用されているが、残る約3分の1(年間約50〜60万t)は十分に有効利用されておらず、処理先の確保が課題となっている。特に稲作地域では、もみ殻の発生量が畜産分野の需要を上回り、一部では産業廃棄物として処理されているケースもある。かつては「野焼き」が一般的に行われていたが、現在は大気汚染(PM2.5など)への影響から、廃棄物処理法により原則禁止されている。
米の集荷・乾燥調製を担うライスセンターでは、毎年大量に発生するもみ殻の処理が大きな課題。従来は、保管スペースの確保や運搬・処理コストの負担に加え、環境負荷への対応も必要であり、施設運営の効率化と持続可能性の観点から改善が求められていた。もみ乾燥に必要な熱源についても、エネルギー価格の変動や環境配慮の要請が高まる中、より安定的かつ環境負荷の低い調達手段が求められていた。こうした背景から、JA松本ハイランドでは「廃棄物の削減」と「エネルギーの有効活用」を同時に達成できる新たな仕組みの導入を検討してきた。
一方、もみ殻には約20%のシリカ(SiO₂)が含まれている。シリカは、ゴム製品、樹脂、塗料、化粧品など幅広い産業分野で利用される工業材料であり、もみ殻から回収したシリカについても、用途に応じた品質調整や評価を行うことで、産業利用の可能性がある。また、もみ殻は成長過程で大気中のCO₂を吸収した植物由来のバイオマス資源であり、ガス化に伴う熱を化石燃料の代替として利用することで、温室効果ガス排出量の削減にも寄与することが期待される。こうした背景のもと、クボタは未利用のもみ殻の有効活用、CO₂排出削減といった課題解決をめざし、もみ殻処理に最適化したガス化炉を開発した。このガス化炉で未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するとともに、廃熱をもみの乾燥の熱源として有効活用する。クボタはシリカの用途開発と販路開拓にも取り組み、他地域への展開も可能な未利用もみ殻の地域資源循環モデルの構築をめざす。
【今回長期実証運転を開始したガス化炉の概要】もみ殻を高温で加熱して有機分をガス化し、シリカを濃縮・回収する施設。もみ殻を高温で単純燃焼した場合には、GHS(国連が定めた化学物質の危険有害性を世界共通のルールで分類・表示する仕組み)において発がん性区分1A(ヒトに対する発がん性が知られている)に分類される結晶質シリカ(二酸化ケイ素(SiO₂)のうち、石英、クリストバライト、トリジマイトなどのように原子が規則正しく配列したもの。非晶質シリカは規則的配列のないもの)が生成する可能性がある。本施設では、もみ殻が炉内で流動しながら反応する流動床方式を採用するとともに、水スプレー冷却機構を組み込むことで炉内の局所的な高温化を抑制。これにより炉内全域を800℃未満に維持することで結晶質シリカの生成を抑えながら非晶質シリカを安定的に回収する。
本施設は2022年にJA松本ハイランドに設置され、技術実証を経て、本年から定格条件での長期実証運転を開始した。
【ガス化炉の主な仕様】▽炉形式=流動床式(水スプレー冷却機構を付帯)▽原料=もみ殻▽原料処理量=10t/日▽シリカ回収量=1.5〜2.0t/日。
【今後の展望】JA松本ハイランドにおいて、本施設を米・麦の収穫時期に合わせて継続的に稼働するとともに、シリカの用途開発や販路開拓にも取り組み、サステナブル材料としてのもみ殻地域資源循環モデルの構築をめざす。
クボタは今後も、水循環、資源循環、カーボンニュートラルを軸とした技術開発を通じて、環境課題と社会課題の解決に貢献するとともに、未利用バイオマスを資源として有効活用する新たな環境事業の実現をめざす。
【開発の背景とねらい】お米の外皮であるもみ殻は、国内で年間約160万t発生しており、その約3分の2は畜産の敷料、堆肥、土壌改良材などに利用されているが、残る約3分の1(年間約50〜60万t)は十分に有効利用されておらず、処理先の確保が課題となっている。特に稲作地域では、もみ殻の発生量が畜産分野の需要を上回り、一部では産業廃棄物として処理されているケースもある。かつては「野焼き」が一般的に行われていたが、現在は大気汚染(PM2.5など)への影響から、廃棄物処理法により原則禁止されている。
米の集荷・乾燥調製を担うライスセンターでは、毎年大量に発生するもみ殻の処理が大きな課題。従来は、保管スペースの確保や運搬・処理コストの負担に加え、環境負荷への対応も必要であり、施設運営の効率化と持続可能性の観点から改善が求められていた。もみ乾燥に必要な熱源についても、エネルギー価格の変動や環境配慮の要請が高まる中、より安定的かつ環境負荷の低い調達手段が求められていた。こうした背景から、JA松本ハイランドでは「廃棄物の削減」と「エネルギーの有効活用」を同時に達成できる新たな仕組みの導入を検討してきた。
一方、もみ殻には約20%のシリカ(SiO₂)が含まれている。シリカは、ゴム製品、樹脂、塗料、化粧品など幅広い産業分野で利用される工業材料であり、もみ殻から回収したシリカについても、用途に応じた品質調整や評価を行うことで、産業利用の可能性がある。また、もみ殻は成長過程で大気中のCO₂を吸収した植物由来のバイオマス資源であり、ガス化に伴う熱を化石燃料の代替として利用することで、温室効果ガス排出量の削減にも寄与することが期待される。こうした背景のもと、クボタは未利用のもみ殻の有効活用、CO₂排出削減といった課題解決をめざし、もみ殻処理に最適化したガス化炉を開発した。このガス化炉で未利用のもみ殻から非晶質シリカを回収するとともに、廃熱をもみの乾燥の熱源として有効活用する。クボタはシリカの用途開発と販路開拓にも取り組み、他地域への展開も可能な未利用もみ殻の地域資源循環モデルの構築をめざす。
【今回長期実証運転を開始したガス化炉の概要】もみ殻を高温で加熱して有機分をガス化し、シリカを濃縮・回収する施設。もみ殻を高温で単純燃焼した場合には、GHS(国連が定めた化学物質の危険有害性を世界共通のルールで分類・表示する仕組み)において発がん性区分1A(ヒトに対する発がん性が知られている)に分類される結晶質シリカ(二酸化ケイ素(SiO₂)のうち、石英、クリストバライト、トリジマイトなどのように原子が規則正しく配列したもの。非晶質シリカは規則的配列のないもの)が生成する可能性がある。本施設では、もみ殻が炉内で流動しながら反応する流動床方式を採用するとともに、水スプレー冷却機構を組み込むことで炉内の局所的な高温化を抑制。これにより炉内全域を800℃未満に維持することで結晶質シリカの生成を抑えながら非晶質シリカを安定的に回収する。
本施設は2022年にJA松本ハイランドに設置され、技術実証を経て、本年から定格条件での長期実証運転を開始した。
【ガス化炉の主な仕様】▽炉形式=流動床式(水スプレー冷却機構を付帯)▽原料=もみ殻▽原料処理量=10t/日▽シリカ回収量=1.5〜2.0t/日。
【今後の展望】JA松本ハイランドにおいて、本施設を米・麦の収穫時期に合わせて継続的に稼働するとともに、シリカの用途開発や販路開拓にも取り組み、サステナブル材料としてのもみ殻地域資源循環モデルの構築をめざす。
クボタは今後も、水循環、資源循環、カーボンニュートラルを軸とした技術開発を通じて、環境課題と社会課題の解決に貢献するとともに、未利用バイオマスを資源として有効活用する新たな環境事業の実現をめざす。





