静岡・島田市で150年続く井村製茶 激動の茶業界の中 "香りを愉しむお茶"で勝負
静岡県島田市で150年続く茶農家、井村製茶がこだわるのは"香りを愉しむお茶"。肥料、土づくり、自園自製にこだわり、煎茶、香り緑茶、紅茶など多彩なお茶を生産し、数々のコンテストで上位受賞、市場で高い評価を獲得している。茶畑は現在7ha。面積拡大に納得のいく除草機を望む。井村製茶の井村典生氏に、茶園経営、今後の展望などを聞いた。
井村製茶は明治初期、手摘み・手揉みでお茶を作り販売したことにより始まった。当時は国内向けだけでなく輸出用として横浜にも出荷していた。井村典生氏は、その井村製茶の6代目。現在は香りにこだわった、独自の輝きを放つ各種のお茶が経営の柱となっている。7haの茶園を両親・夫人の家族4人と手伝い1名の5人で切り盛りしている。現在、栽培しているのは「やぶきた」が8割、そのほか「べにふうき」「さやまかおり」「さえあかり」。このうち「べにふうき」は紅茶用で、紅茶は売上高の過半を占めている。今年の茶葉の出来をお聞きすると「雨が多く収量・品質とも良かった」と。
――香りを愉しむお茶づくりが井村製茶の信条とお聞きしています。
「お茶のおもしろさは香りにあります。同じ茶の葉でも品種、管理方法、気象、製法など様々な条件によって何通りもの香りを生み出すことができます。井村製茶は150年以上、自園自製で、お茶づくりを続けてきましたが、お茶の香りとの出会いには、毎回驚かされています。現在の主力商品は、お湯を注ぐと桃の香りがする紅茶「ももか」。これは数々のコンテストで高い評価を頂いています。そのほか井村製茶伝統の深蒸し茶「はつめ」、クチナシ×ミルクの香り緑茶「さやか」なども好評です。また、希少な品種の茶葉を使って、それぞれの特徴が出るように小ロットで生産している「?香りの研究所」シリーズなどもあります」
――和紅茶に取組まれたきっかけは?
「約20年前、見様見真似でやってみたところ、ハマってしまったという感じです。日本では明治初期に紅茶の仕立てが発達したのですが、昭和40年台には紅茶生産量はほぼゼロに。平成初期くらいから、ぼちぼち復活。仕立て方の情報もない中、外国の紅茶を目標に、いろいろ研究しました。2000年代前半くらいに地紅茶サミットが始まり、ここで生産者が切磋琢磨する中、刺激を受け、萎凋の仕方、揉み方などでも、たくさんの気づきをもらいました。現在では、和紅茶全体の品質が上がり、外国産に勝るとも劣らないものができていると自負しています。井村製茶では、日本茶AWARD紅茶の部プラチナ賞、プレミアムティコンテスト★5プレミアムティ、国産紅茶グランプリなどを頂いています」
※令和5年12月のNIKKEIプラス1(日経新聞土曜版)では井村製茶の桃のような甘い香りが特徴の『ももか』が、『世界に誇れる国産紅茶』の第1位で紹介された。
――紅茶の品種。
「茶の木は、葉の大きさ、木の高さなどの特徴から、アッサム種(大葉種)と中国種(小葉種)の2系統に大別されます。そして、より細かい特徴による識別に『やぶきた』(中国種)『べにふうき』(雑種)などの品種があります。品種が異なると、木や葉の大きさや形だけでなく、病気への耐性、摘採時期、香りや味に影響する成分割合、適した加工方法などが変わります。緑茶には多肥を好む(アミノ酸が多い)中国種が向き、紅茶には少肥を好むアッサム種(アミノ酸が少ない)が向いています。「べにふうき」は、農研機構がアッサム雑種の紅茶『べにほまれ』を母(種子親)に、香りの良いダージリン系『枕Cd86』(チャイナダージリン)を父(花粉親)に交配し紅茶・烏龍茶など半発酵茶向けに開発した品種です。「べにふうき」は、紅茶用として開発されたアッサム種に近い品種であったため、香りがふくよかで渋味が強いという特長を持っていますが、農研機構の山本万里氏(農学博士)の研究で、これを緑茶に仕立てるとメチルカテキンが多く、花粉症に効くということで一時期大流行し、井村製茶でもこれを販売していましたが、緑茶で仕立てた『べにふうき』は渋みが強くやや飲みづらい。また、『べにふうき茶』は花粉症に即効性はあるものの、効果の持続性がないため、花粉症薬の良いものが出たのと同時に販売量は大きく減りました」
井村製茶は明治初期、手摘み・手揉みでお茶を作り販売したことにより始まった。当時は国内向けだけでなく輸出用として横浜にも出荷していた。井村典生氏は、その井村製茶の6代目。現在は香りにこだわった、独自の輝きを放つ各種のお茶が経営の柱となっている。7haの茶園を両親・夫人の家族4人と手伝い1名の5人で切り盛りしている。現在、栽培しているのは「やぶきた」が8割、そのほか「べにふうき」「さやまかおり」「さえあかり」。このうち「べにふうき」は紅茶用で、紅茶は売上高の過半を占めている。今年の茶葉の出来をお聞きすると「雨が多く収量・品質とも良かった」と。
――香りを愉しむお茶づくりが井村製茶の信条とお聞きしています。
「お茶のおもしろさは香りにあります。同じ茶の葉でも品種、管理方法、気象、製法など様々な条件によって何通りもの香りを生み出すことができます。井村製茶は150年以上、自園自製で、お茶づくりを続けてきましたが、お茶の香りとの出会いには、毎回驚かされています。現在の主力商品は、お湯を注ぐと桃の香りがする紅茶「ももか」。これは数々のコンテストで高い評価を頂いています。そのほか井村製茶伝統の深蒸し茶「はつめ」、クチナシ×ミルクの香り緑茶「さやか」なども好評です。また、希少な品種の茶葉を使って、それぞれの特徴が出るように小ロットで生産している「?香りの研究所」シリーズなどもあります」
――和紅茶に取組まれたきっかけは?
「約20年前、見様見真似でやってみたところ、ハマってしまったという感じです。日本では明治初期に紅茶の仕立てが発達したのですが、昭和40年台には紅茶生産量はほぼゼロに。平成初期くらいから、ぼちぼち復活。仕立て方の情報もない中、外国の紅茶を目標に、いろいろ研究しました。2000年代前半くらいに地紅茶サミットが始まり、ここで生産者が切磋琢磨する中、刺激を受け、萎凋の仕方、揉み方などでも、たくさんの気づきをもらいました。現在では、和紅茶全体の品質が上がり、外国産に勝るとも劣らないものができていると自負しています。井村製茶では、日本茶AWARD紅茶の部プラチナ賞、プレミアムティコンテスト★5プレミアムティ、国産紅茶グランプリなどを頂いています」
※令和5年12月のNIKKEIプラス1(日経新聞土曜版)では井村製茶の桃のような甘い香りが特徴の『ももか』が、『世界に誇れる国産紅茶』の第1位で紹介された。
――紅茶の品種。
「茶の木は、葉の大きさ、木の高さなどの特徴から、アッサム種(大葉種)と中国種(小葉種)の2系統に大別されます。そして、より細かい特徴による識別に『やぶきた』(中国種)『べにふうき』(雑種)などの品種があります。品種が異なると、木や葉の大きさや形だけでなく、病気への耐性、摘採時期、香りや味に影響する成分割合、適した加工方法などが変わります。緑茶には多肥を好む(アミノ酸が多い)中国種が向き、紅茶には少肥を好むアッサム種(アミノ酸が少ない)が向いています。「べにふうき」は、農研機構がアッサム雑種の紅茶『べにほまれ』を母(種子親)に、香りの良いダージリン系『枕Cd86』(チャイナダージリン)を父(花粉親)に交配し紅茶・烏龍茶など半発酵茶向けに開発した品種です。「べにふうき」は、紅茶用として開発されたアッサム種に近い品種であったため、香りがふくよかで渋味が強いという特長を持っていますが、農研機構の山本万里氏(農学博士)の研究で、これを緑茶に仕立てるとメチルカテキンが多く、花粉症に効くということで一時期大流行し、井村製茶でもこれを販売していましたが、緑茶で仕立てた『べにふうき』は渋みが強くやや飲みづらい。また、『べにふうき茶』は花粉症に即効性はあるものの、効果の持続性がないため、花粉症薬の良いものが出たのと同時に販売量は大きく減りました」






