農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

近年、気候変動の影響で病害虫の発生が増加し、果樹農家はかつてない防除の課題に直面している。このような状況下で、ショーシン＝山岸由子代表取締役会長兼社長、長野県須坂市小河原２１５６＝が開発するスピードスプレヤーの存在感が高まっている。国産スピードスプレヤーを初めて開発したパイオニアの同社は、リンゴやモモなど主要な果樹産地が自社近くにある強みを最大限に活かし、ユーザーの声を製品開発に反映。特に果樹園向け「３Ｓ―ＦＳＣ６０２ＴＬ」は、現場の課題を解決する切り札として重宝されている。
　重宝される要因の一つが『超低車高キャビン』。棚園や立木の下枝に接触することなく安全に散布することを目指したもので、その高さ１１９・５㎝。薬剤散布のムラをなくし効率的な防除を可能にする。特に棚栽培が主流のぶどう園や下枝が密生するリンゴ園など、これまで難しかった場所の薬剤到達性を高め、防除効果を飛躍的に向上。その上で広々とした運転室にはエアコンとカラーバックモニターを完備。酷暑の中での散布作業や長時間作業でも快適性を維持し、作業の負担軽減にも貢献している。
　また、同機では燃費の良いディーゼルターボエンジンを搭載して燃費を抑え、ランニングコストの低減にも寄与。操作性と機動性の高さも特筆すべき点で、小回り性能の高さはほ場内の旋回や棚下などの狭小地での作業に威力を発揮。細かな部分への散布も機械で行えるようになり、果樹園全体の作業効率改善にも役立っている。
　年間を通じて何度も行われる防除作業は、安定収穫実現に向けた重要な作業。薬剤散布の効率と精度を向上だけでなく、作業者の労働安全改善にも役立つことが期待される同機の『超低車高キャビン』をまずは体感あれ。
《主な仕様》▽エンジン定格出力：32・５kW▽薬液タンク容量：６００ℓ▽最大吐出量：98ℓ／分▽使用時風量：６６４㎥／分。