ササキ あぜ塗りを高速で 超耕速カドヌールエース
畦塗りは時速0.5㎞前後の微速で行うのが一般的。それをほ場条件によるものの、最高速度2.0㎞で実現するのがササキコーポレーション(佐々木一仁社長)の超耕速「カドヌールエース」だ。砕土性の高いCK爪と土上げ性を高めた大型爪で高速でも十分な土量を確保し早く塗って固く締まった畦を形成。ほ場枚数が増え、作業効率を上げたい生産者にうってつけだ。
同社が主催する体験会や展示会のデモコーナーでデモが始まると、生産者が歩みを止めて腕組みする光景を見る。それだけで超耕速カドヌールエースの作業スピードが生産者を驚かすに十分なインパクトを与えていることが伝わってくる。
というのも、畦塗りはトラクタの高馬力化を図っても作業時間の短縮には繋がらず、作業時間を短縮するためには作業速度を速くするしかないのが現状。その中で、ササキコーポレーション=森県十和田市大字三本木字里ノ沢1―259=の超耕速カドヌールエースは従来の作業速度を大幅に上回る最高作業速度2㎞/hを実現している。
トラクタ馬力30~50PSに適応する「KA430」「435DX」と、50~70PSに適応する「KA530」「535DX」の4モデルをラインアップ。高速作業を実現するための機構を搭載している。その一つがササキ独自の正転ロータリーカット。石の多いほ場や、湿田等で特に優れた性能を発揮し、幅広い土質・石入りほ場などの悪条件でも作業を止めることなく畦を塗っていく。また、前処理カバー内へ土の付着を軽減するためにステンレスカバー&ウェーブラバーを装備したことで高速作業時のカバー内部の土の流れを最適化。けん引抵抗を軽減させたことで高速作業を実現する。
畦塗り作業において最も大切なのは崩れない畦を作ることだが、その実現のために高速作業でも畦をしっかり締め込むアクティブディスクを開発。1枚1枚のディスクの土の押込み時間を長くすることで高速作業時でも畦をしっかりと締め込む。上面・法面はもちろん、肩部と呼ぶ部分も押し込む〝トリプルプレス〟で頑丈な畦を形成するだけでなく、畦の土台となる元畦を階段状にカットして新畦をしっかり支える構造で丈夫な畦を形成。導入した生産者から「作業時間・作業日数が半分になった」「超低速のゆっくりした作業をしなくて済み、他の作業に時間がとれる」など、高い評価を得ている。
カドヌールエースを含め、作業時間を削れる超耕速シリーズは、最高速度毎時5.5㎞で代かきができる「マックスハローエース」と、同じく最高速度毎時5.5㎞の高速ロータリー「アクティブロータリー」をラインアップ。耕地面積の増大で同時期に複数の作業を掛け持ちするケースが珍しくない中、作業時間の削減によって燃料費などの生産コスト削減を図れることから好評を得ている。
複数または3機種全て揃えて作業の高速化を図った生産者もあり、少しでも早く、そして良い条件の時にたくさん作業をこなしたい農家の強い味方になっている。