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井関農機 新型アイガモロボ全国実証へ

井関農機 新型アイガモロボ全国実証へ

 井関農機は、有機米デザイン、ナチュラルスタイル(以下、NS社)と連携し、安価版アイガモロボ(特許出願中)の実証を開始する。主な特徴は、NS社が開発したスマホ通信機能を省いた「自動航行システム」と、新たに開発した「ブラシ型パドル」の搭載。抑草機能はそのままに「ほ場の均平」「水管理」「強風」に関して技術向上を図っている。発売時期については未定だが、2024年度に全国で実証実験を行い、製品化に向けた準備に取り組んでいく(一部本紙2月13日号既報)。

【実証・開発のポイント】2023年から販売開始したアイガモロボ現行機(以下、現行機)は、農研機構らと行った実証実験により、十分な抑草効果と収量の平均10%増加、機械除草回数の58%減少(農研機構)が確認され、顧客からも好評を得て全国各地の水田で稼働している。一方、現行機の導入には、アイガモロボに合わせたほ場条件に整えることが必要なことから、条件が合わないほ場では導入に至らないことがあった。
 今回の安価版アイガモロボでは抑草機能・生育への影響はそのままに適応条件を拡大し、スマートフォンとの通信機能を省きながら操作の簡易化と機能向上及び低価格化を図る。また、水のにごりやトロトロ層での抑草効果に加え、ブラシが水底を掻くことで発生初期の雑草を浮かせる効果も期待されている。
【開発ポイント】▽中山間地などでも導入しやすいサイズや価格▽稼働スピードを向上し、1台あたりの稼働可能面積を拡大▽基本作動でスマートフォンを不要とし、操作に不慣れな人への導入ハードル低下▽ほ場の必要水位や均平精度などの稼働条件を拡大▽ブラシ型パドルや小型化により強風適応性を拡大▽ブラシ型パドルによる推進力向上で稲の繁茂程度に関わらない安定稼働。
【今後の展開】2024年度は、様々な条件下での課題抽出を目的に、全国で安価版アイガモロボの実証実験を計画している。発売時期・販売価格については現時点では未定だが、早期の市場投入を目指し、有機米デザインが製品化・量産化・製造、NS社が要素技術開発を担い、発売に向けた準備を進めていく。
 井関農機では「安価版アイガモロボの開発により、有機米の普及・拡大に向けた取り組みを一層加速させ、国が掲げる『2050年までに(耕地面積に占める)有機農業の取組面積の割合を25%(100万‌ha)に拡大する』目標達成にも貢献していきたい」としている。
【アイガモロボについて】有機米デザインが開発した雑草を抑制する自動ロボット。アイガモロボは、代掻き後の水田を太陽光発電で得られる電力によって自律航行して、水中を撹拌し泥を巻き上げることで光を遮るとともに、土の物理性に影響を及ぼし、水面下にある雑草の生長を抑制する。除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかる労力を大幅に削減できる。現行モデルは、2023年1月から井関農機で販売開始。

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