農機の高度化推進 電動化などにも対応 日農工賀詞交歓会
日本農業機械工業会(木股昌俊会長)主催の令和6年新年賀詞交歓会が1月10日、東京都港区の八芳園で開かれ、会員をはじめ官庁、関係団体など合わせて約170名が出席した。木股会長は、開会のあいさつで、新たな課題が次々と出現しているが、これらに関しても積極的に取り組み、担い手を支える役割を果たしていくとの決意を示した。
今回の賀詞交歓会は新型コロナが5類に移行したこともあり、従来の立食形式での開催に。会場では、木股会長をはじめ副会長、専務・常務理事が入口に並んで出席者を出迎えた。
会は、冒頭、能登半島地震の被害者に対し黙祷を捧げたのち木股会長が主催者を代表して挨拶。木股会長は農業を巡る現状について、基幹的農業従事者数は今後急減することが確実であり、労働力不足が深刻な問題となっている、などと説明。「このような農業構造の急速な変化に対応し、食料の安全保障を図るため、政府はスマート農業の社会実装を進めている。当工業会としても、ロボット農機をはじめとする農機の高度化と現場への導入を着実に進めるとともにオープンAPIの推進などを通じて、日本農業の諸課題解決に貢献していく。また、2050年農林水産業のCO2ゼロエミッション化については、農機業界としては、関係業界と連携して電動化や燃料のカーボンニュートラル化に取り組む。このほか、欧米等における化学物質規制の動き、軽油を燃料とする特殊自動車に対する排ガス規制など、対応が迫られている新たな課題が次々と出現しており、これらにも積極的に取り組んでいく」とした。農作業安全については、安全な農機の供給に努めるとともに、農業者に対する安全意識啓発や安全に農機を利用してもらうための使い方の周知など行政と協力し引き続き注力していくなどと述べた。
また、来賓として、経産省の橋本真吾・審議官(製造産業局担当)、農水省の平形雄策・農産局長が挨拶。橋本審議官は「日本は今後、コストカット型経済から投資、賃金、物価が伸びる成長型経済へと転換していくと考えている。農機業界については取り巻く環境は厳しいものがあるが、データ活用や自動化といった先進的な技術の開発など『次なる農業機械化』の推進が期待されている。経産省としても、GX、DXを軸に関係省庁と連携し皆様の積極的な取組を支援する」。
平形局長は農作業安全について「農機販売店の皆様にもご協力頂き4400人が指導員に登録されている。こういった方を確保しつつ研修を充実させ、事故が発生しないような体制をしっかり作っていきたい」とした。
その後齋藤徹副会長が献杯の挨拶。増田長盛副会長の中締めで盛会のままお開きとなった。