農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

受付時間 平日9:30~17:00

TEL 03-3831-5281

毎週 火曜日発行
 >  > 転換期迎える米づくり 需要に応じた生産を 令和5年産収穫量は9万t減661万t

転換期迎える米づくり 需要に応じた生産を 令和5年産収穫量は9万t減661万t

転換期迎える米づくり 需要に応じた生産を 令和5年産収穫量は9万t減661万t

重要な高温耐性品種 栽培体系の転換が必要に

 昨年は米づくりに厳しい年だった。高温少雨の影響で作柄が悪化する地域が発生。収穫量が減少する結果となった。一方で担い手不足も加速しており省力的な生産の重要性が増している。加えて低米価に打ち勝つために付加価値を高め、持続可能な農業へと転換できる有機栽培も重要な取組の一つだ。このほかにも米粉、加工用、飼料用など需要にあわせた生産も必須となっており、米づくりは転換期を迎えているといえる。今年の水稲生産を見据えるうえで、昨年の状況を改めて振り返ってみたい。

 農水省が令和5年12月12日に公表した作物統計調査によると、令和5年産水稲の作付面積(子実用)は前年産比1万1000‌ha減の134万4000‌ha。このうち、主食用作付面積は同9000‌ha減の124万2000‌haとなった。
 主食用作付面積を都道府県別にみると、最も大きいのは新潟で10万600‌ha。次いで、北海道が8万2200‌ha、秋田が6万9900‌ha、茨城が5万7800‌ha、宮城が5万7200‌ha、福島が5万3100‌haなどとなっている。
 また、水稲の全国農業地域別の10a当たり収量をみると、北海道においては、田植期以降、おおむね天候に恵まれたことから、平年比18㎏増の579㎏。東北及び関東・東山においては、田植期以降、5月下旬から6月上旬にかけての日照不足の影響があったものの、その後の天候におおむね恵まれたことから、東北は同1㎏増の569㎏、関東・東山は同5㎏増の544㎏となった。
 中国、四国及び九州は、6月から7月にかけての梅雨前線等による大雨や日照不足の影響があったものの、その後の天候におおむね恵まれたことから、中国は同4㎏減の514㎏、四国は平年並みの482㎏、九州は同4㎏減の497㎏となった。
 北陸、東海及び近畿は、田植期以降の日照不足等に加え、一部地域で7月から8月にかけての少雨や7月以降の記録的な高温の影響があったことから、北陸は同27㎏減の513㎏、東海は同8㎏減の494㎏、近畿は同5㎏減の503㎏となった。
 沖縄は、台風の影響が見られたものの、その後の天候におおむね恵まれたことから、同9㎏増の318㎏と見込まれる。
 この結果、全国の10a当たり収量は同3㎏減の533㎏が見込まれる。
 以上の結果、収穫量(子実用)は前年産比10万4000t減の716万5000tの見込み。このうち、主食用の収穫量は、同9万1000t減の661万tと見込まれる。
 収穫量を都道府県別にみると、最も多いのは新潟で51万4100t。次いで、北海道が47万5900t、秋田が38万5800t、宮城が32万3800t、山形が30万8600t、茨城が30万6300tなどとなっている。
 また、農家等が使用しているふるい目幅ベースの全国の作況指数は101の「平年並み」となる見込み。全国農業地域別にみると、北海道は104の「やや良」、東北は101の「平年並み」、北陸は97の「やや不良」、関東・東山は102の「やや良」。東海は99、近畿は100、中国は101、四国は101、九州は101でいずれも「平年並み」。沖縄は103の「やや良」となっている。

関連記事

AGRI EXPO新潟 ㉖年2月朱鷺メッセで初開催 

国際農機 作業時の不便解消に 実用的農機パーツを発売

国際農機 作業時の不便解消に 実用的農機パーツを発売

クボタ、大阪・関西万博2025で「未来の食と農」エリアを展示|汎用プラットフォームロボットがスマート農業の未来を描く

クボタ、大阪・関西万博2025で「未来の食と農」エリアを展示|汎用プラットフォームロボットがスマート農業の未来を描く

サタケ、「KOMECT(コメクト)」を第3回九州農業WEEKに初出展|DXを活用した次世代型生産支援システム

サタケ、「KOMECT(コメクト)」を第3回九州農業WEEKに初出展|DXを活用した次世代型生産支援システム