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目指せ林業プロ 我が社のホープ “木を育てる”に魅力 わたらせ森林組合の福田和希さん

目指せ林業プロ 我が社のホープ “木を育てる”に魅力 わたらせ森林組合の福田和希さん
趣味の登山から木を育てる林業に興味を持ちこの世界に飛び込んだのが、わたらせ森林組合=群馬県みどり市東町花輪237=で8年目を迎えた福田和希さん(34歳)だ。前職の頃から週末に単独行で山登りを楽しんでいたという福田さん。ある時、木曽の御嶽山に泊まりで登りに行った際に、日本三大美林で名高い木曽ヒノキに携わる人と話したのが転機になった。「木曽の人たちが山を大事にしていること、御嶽山神社の周りに生えている枝打ちされたヒノキ林を見て、自分も木の育成に携わりたいと思ったのがきっかけです」。
 その後、群馬県の林業支援就職支援研修に参加。現場研修が現在所属するわたらせ森林組合だった。「最終日に直径70・80㎝の木をチェンソーで伐らせてもらい、その時の爽快感が強烈で、より楽しくなって」と述懐する。研修時からフレンドリーな雰囲気が良かったこともあって、そのまま就職先に決めたそうだ。
 同組合では代替わりの真っ最中で、8年目の自分は真ん中ぐらいだという。フォレストワーカーを経て、一昨年にフォレストリーダーの資格も取得。現在の仕事内容を尋ねると6対4で下草刈りや植付けなどの造林作業が多いとのこと。ただ、人員の具合いなどを見て、伐倒や搬出作業も行っており、プロセッサなど高性能林業機械を扱う作業も増えてきた。
 当初は肉体労働と思うところがあったが、作業に慣れていくうちに頭を使う仕事・頭脳戦と感じるようになってきた。「木の倒し方も上手く倒せば造材が楽になり、集材もプロセッサでどこに置けばその後の仕事が楽になるなど、結果として皆と繋がっている。なかなか上手くいかない方が多いけど、上手くいったら楽しい。何より任せてもらえる作業が増えた分、やりがいを感じてます」と述べた。
 そのやりがいをアップさせているのが家族の存在。林業に入って結婚。2人の子供にも恵まれ、今年の夏に新居へ引っ越したばかり。「長女は楓笑(かえ)、長男には大桜(たお)と木にまつわる名前を付けました。週末は専ら子供たちと過ごしています」と言い、家族が増えた分、安全に対する意識が今まで以上に高まったという。「作業中に蜂に刺され、アナフィラキシーショックになって身の危険を感じることがあった。現場は携帯の電波が届かない場所の方が多いだけに、緊急時の連絡体制や応急処置など林業ならではの課題は多いと思う」と言い、こうした点について、組合全体で対策に取り組んでいることに感謝していた。
 そんな林業という仕事について、自然の中で働けるスケールの大きな仕事と回答する。「カッコ良い言葉で言うと水の保全であったり土砂災害防止には必要な仕事。
〝国土の保全〟という言葉にビビッときました。ここ東毛地域は県内でも動物による食害が多い地域で立ち枯れの木を多く目にする。もっと仕事を覚えオールマイティにできる人間になり、地元の財産を守りたい」。
     ◇
 本レポートは各地のJ―クレジット発行体を取材した「カーボン・オフセットで森づくり」に続き、各素材生産業者や森林組合などから若手林業従事者を紹介いただき、林業に入った感想などを聞くと共に、各事業体代表者などから人材獲得や育成について取り組んでいる工夫などを聞く。

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