農研機構 両正条田植機実現へ 植付位置制御機構を開発
農研機構はこのほど、水稲苗を縦横2方向とも揃えて植える両正条植えが可能な植付位置制御機構を開発した。
SDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれるなか、わが国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっている。これを受け、農水省は食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定した。
戦略の中では、2050年までに有機農業の取組面積を100万ha(2021年度は26万6000ha)に拡大する目標も設定されたが、目標達成のためには栽培面積の大きな水稲作での取組が不可欠。
一方、水稲の有機栽培において手間がかかる作業として「除草」が挙げられ、規模拡大を阻む一つの要因となっている。農研機構はこれまでに、水稲の除草作業の効率化を目的とした高能率水田用除草機を開発(農機メーカーから市販)し、この機械を活用すれば条間の除草は高能率で行うことが可能。しかし、株間にレーキ(熊手)などを作用させると苗を損傷させる恐れがあるため、条間と比べて除草率が上がらず、残った雑草を手取り除草しなければならない場合がある。
そこで、水稲苗を田植機作業方向(縦方向)だけではなく、その直交方向(横方向)の位置も列状になるように揃えて碁盤の目状に苗を植える両正条植えができる植付位置制御機構を開発し、これを市販の乗用型田植機に組み込んだプロトタイプを製作した。
プロトタイプ機はマット苗用田植機をベース機として製作したが、同じ走行部を利用するポット苗用田植機にも開発した機構を搭載することが可能であり、農研機構の農業機械技術クラスター事業で開発を進めている。
また、開発機による両正条植えは栽植密度が1坪当たり37株と慣行よりも低くなることから、慣行栽培と比較した収量性への影響の評価や各地域での気候適応性、除草率の向上による収量性の改善効果の確認などが必要。そのため現在、農研機構のNAROプロジェクトなどにおいて確認試験を各地で実施している。
両正条植えができる開発機を活用することにより、高能率水田用除草機を縦方向だけではなく、横方向の活用が可能となり、これまでは除草機を使っていても必要だった株間の手取り除草の省力化が可能。今後は実証試験でデータを蓄積するとともに、メーカーへの技術移転を進めて早期実用化を目指す。
SDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれるなか、わが国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっている。これを受け、農水省は食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定した。
戦略の中では、2050年までに有機農業の取組面積を100万ha(2021年度は26万6000ha)に拡大する目標も設定されたが、目標達成のためには栽培面積の大きな水稲作での取組が不可欠。
一方、水稲の有機栽培において手間がかかる作業として「除草」が挙げられ、規模拡大を阻む一つの要因となっている。農研機構はこれまでに、水稲の除草作業の効率化を目的とした高能率水田用除草機を開発(農機メーカーから市販)し、この機械を活用すれば条間の除草は高能率で行うことが可能。しかし、株間にレーキ(熊手)などを作用させると苗を損傷させる恐れがあるため、条間と比べて除草率が上がらず、残った雑草を手取り除草しなければならない場合がある。
そこで、水稲苗を田植機作業方向(縦方向)だけではなく、その直交方向(横方向)の位置も列状になるように揃えて碁盤の目状に苗を植える両正条植えができる植付位置制御機構を開発し、これを市販の乗用型田植機に組み込んだプロトタイプを製作した。
プロトタイプ機はマット苗用田植機をベース機として製作したが、同じ走行部を利用するポット苗用田植機にも開発した機構を搭載することが可能であり、農研機構の農業機械技術クラスター事業で開発を進めている。
また、開発機による両正条植えは栽植密度が1坪当たり37株と慣行よりも低くなることから、慣行栽培と比較した収量性への影響の評価や各地域での気候適応性、除草率の向上による収量性の改善効果の確認などが必要。そのため現在、農研機構のNAROプロジェクトなどにおいて確認試験を各地で実施している。
両正条植えができる開発機を活用することにより、高能率水田用除草機を縦方向だけではなく、横方向の活用が可能となり、これまでは除草機を使っていても必要だった株間の手取り除草の省力化が可能。今後は実証試験でデータを蓄積するとともに、メーカーへの技術移転を進めて早期実用化を目指す。