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黒石市と井関 及びヰセキ東北 有機農産物の産地づくりへ

黒石市と井関 及びヰセキ東北 有機農産物の産地づくりへ
(写真説明)アイガモロボ放鳥式

連携協定で実証事業

5月25日田植えイベント、放鳥式

 
黒石市と井関農機、ヰセキ東北は、今年3月に「持続可能な発展のための有機農産物の産地づくりに関する協定」を締結、黒石市大川原地区で令和5年産の有機ムツニシキの栽培についてスマート技術を活用した有機農産物の実証事業を行っている。5月25日には黒石市が田植イベントを行い、大川原地区の同実証ほ場で高樋憲黒石市長、生産者の高橋健一氏、井関農機、関係機関などが参加し、ヰセキ東北が提供した「PRJ8DZL」で田植え、その後アイガモロボの放鳥式を行った。


              直進アシスト田植機「PRJ8DZL」に乗車する高樋市長


 田植イベントは見事な五月晴れのもと開催された。初めに、黒石市農林部農林課の佐藤氏が出席者を紹介。続いて、ヰセキ東北の羽野誠一郎氏が、今回の田植作業に使用する「PRJ8DZL(直進アシスト機能付き)」について説明。「今回使用する田植機は、直進・旋回アシスト機能付きのスマート農機です。直進アシスト機能による作業者の疲労軽減と、初心者の方でもまっすぐに植えることができると利点は地域の人手不足解消にも役立つものだと考えています」と述べた。
 続いて井関農機の德安美沙都氏が「アイガモロボは、自動抑草ロボットとして有機栽培の雑草対策にご使用頂く機械です。このロボは田の中を濁らせることで日光を遮り、光合成をさせないことで雑草を生やさないことを目的としています。これまで非常に手間がかかっていた作業を自動化できる機械ということで大変ご注目頂いています。昨年は岡原地区で1台実証を行っていましたが、今年は3台で実証を進めていく予定です」とアイガモロボを説明した。
 次に、PRJ8DZL による田植え。基準点を定める一列目を羽野氏が作業した後、二列目からは高樋憲市長、生産者の高橋健一氏が乗車して田植えが行われた。田植機から降車した高樋市長は「以前、ムツニシキを植える際に通常の田植機に乗車しましたが、なかなかまっすぐ植わりませんでした。今回乗車させて頂いた機械では、不慣れな私でもまっすぐに植えることができ、また疲労の軽減にも繋がることも実感できました。いずれ一面全てを田植機がやってくれたら理想ですね」
と感想を述べた。
 次に、高樋市長、生産者の佐藤陽介氏、生産者の高橋健一氏により、アイガモロボの放鳥式が行われた。高樋市長は、放鳥されたアイガモロボを見ながら「アイガモロボは何日間入れておくのがベストか」「抑草効果はどの程度なのか」「ひとつの田に対して一台で十分なのか」などと質問、德安氏が説明した。
 また、生産者の高橋健一氏は「今年からアイガモロボの実証を始めるが、期待している」と話していた。
 閉会にあたり、高樋市長は「本日は大変いい勉強をさせて頂きました。中山間地域を維持していく仕組みとして、兼業農家の強化が地域の存続にあたって重要であると考えています。高品質な作物を高付加価値を付けて生産しながら、無人化などのスマート農機を兼ね合わせて安定した生産体制を築き上げていくのが、地方にとって大切です。我々が1つの良い参考事例になれればと考えており、また、ならねばならないと考えています。1つの課題解決をしながらしっかりと作り上げていきたい」と述べた。
 次に、ヰセキ東北の加藤敏行社長が挨拶。「日頃より黒石市さま、市長の高樋様をはじめ、生産者の皆さまより特段のご尽力を頂きありがとうございます。本日は非常にいい天気の中、市長が先頭に立ち、弊社のスマート農機を体験頂きました。有機農業は非常に手間暇がかかりますが、今日ご覧頂いた方々にはスマート農機が労力を軽減できることと、人にも優しく環境にも優しい機械であるということをご覧いただけたかと思います。黒石市の素晴らしい棚田の景観を今後も残していくために、わたしたちはこれからも黒石市さま、生産者の皆さまにご意見をいただきながら一生懸命頑張ってまいります」と述べた。

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