農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

中四国クボタ＝林繁雄社長、岡山市東区宍甘２７５＝は、３月24～25日、福山ビッグローズ（広島県福山市御幸町）で、「クボタアグリコネクト」を開催した。今ある農業を次世代に繋げていくために農家の課題に寄り添い総合的に解決策を提案する―をコンセプトに、スマート農業／水田転作／野菜・施設園芸の３エリアで機械展示と相談、実演・試乗も行った。

　今回の展示会は、クボタの掲げる〝Ｏｎ　Ｙｏｕｒ　Ｓｉｄｅ〟を体現。次世代に農業をつなぐキーワードとなる、スマート農業／水田転作／野菜・施設園芸の３テーマをエリアとして設定。協賛メーカー（42社）も協力し、各テーマに関連製品を展示した。また、特設会場には、クボタの技術顧問による講演会やアグリロボの試乗ができるミニ講習会も用意。約１０００名の来場者を出迎えた。
　林社長は「最近、農業では高齢化や資材の高騰など色々な課題がある。それらの課題を農家と一緒に解決していけたらと思っている。今回の展示会のコンセプトは、農家と担い手の間で信頼関係を築き、日本の農業を未来に繋げていくことだ。スマート農業、水田転作、野菜・施設園芸の３つのエリア、講演会、ミニ講習会を実施している。スマート農業エリアでは、アグリロボを充実させるだけでなく、水管理やドローン等も含めトータルソリューションとして提案していきたい。水田転作エリアでは、特に土づくり、緑肥の問題において相談コーナーや講演会を通じて、農家に提案していこうと思う。野菜・施設園芸エリアでは、傾斜地果樹用の運搬ロボを参考出品し、農家の意見もお聞きしながら最終的に商品化したいと考えている。中四国地域は山間地が多く、特に果樹関係は重労働や危険な作業があるので、安全かつ生産性の向上に繋がればと思う」と話した。
　入り口正面のスマート農機のエリアでは、アグリロボをはじめ、農業用ドローン、自動操舵、ラジコン草刈機などを各コーナーに分かれて展示がされ、農作業における省力化の提案を来場者に丁寧に行っていた。
　自動操舵エリアでは、農機運転が不慣れでも「より簡単」「より正確」に作業を可能にするため、様々なトラクターに取付可能な製品が紹介された。
　クボタ営農支援システムＫＳＡＳの推進にも注力。具体的な活用方法や手順についてのレクチャーを受けることができるコーナーも設置。電子地図を用いた圃場管理、作業の記録など農業経営の「見える化」、通信機器やセンサーなどを搭載したスマート農機と連携することで食味・収量などの作物情報を把握などができることなどをＰＲしていた。
　水田転作エリアでは、除草機や土づくりに役立つトラクタインプル各種などの展示を行い、大豆の水田転作やみどりの食料システム戦略に対応した提案なども行われていた。また、排水対策、低コスト稲作の提案、土壌診断・緑肥など個別相談に対応したコーナーも設置された。
　野菜・施設園芸エリアではキャベツ、玉ねぎ、ほうれん草など各コーナーに分かれ、作目体系に沿った機械を取り揃えて展示されていた。クボタキャベツ収穫機や乗用全自動野菜移植機等の大型機械から野菜洗浄機、培土器など作目コーナーごとに、ずらりと並んだ。
　また、ＡＩ潅水装置や水耕栽培などを紹介し、農作業の効率化、定質化、減肥における悩み解決を提案するコーナーや就農相談コーナーを設置。傾斜・不整地でも４つの脚輪で地面をとらえ、水平保持機構により傾くことなく収穫物を運搬できるロボット「ＫＡＴＶ」や、生産者に代わってハウス栽培の水やりと施肥をＡＩ技術で自動化できる「ゼロアグリ」などが展示され、来場者の関心も高かった。
　屋外エリアでは、アグリロボ田植機ＮＷ８ＳＡ、アグリロボトラクタＳＬ４８０の試乗ができるミニ講習会も行われた。また、特設会場では、クボタ技術顧問による「スマート農業技術とこれからの農業経営」「水田を利用した露地野菜栽培のための排水対策と土づくり」をテーマとした講演会も行われ盛況だった。