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KSASをさらに進化・拡大 クボタ2023年上期新商品②

クボタ=渡邉大機械事業本部長、大阪市=は1月18日に、コンバイン4機種と乗用半自動野菜移植機に加え、営農支援システムKSASの機能拡大を新製品として発表。本紙では回を分けこれを紹介している。今回は、「KSAS KSASリモートセンシング」と「KSASほ場水管理システムWATARAS連携」を紹介する。★は新機能。

【営農支援システムKSAS KSASリモートセンシング(生育マップ機能)】

《開発のねらい》近年、担い手は、規模拡大や法人化、複合経営化に伴い、ほ場管理や従業員管理、気象変動による収量品質低下等の課題を抱えている。これら課題に対し、同社では、電子地図によるほ場管理やパソコン、スマートフォンによる作業記録等の「農業経営の見える化」、通信機器やセンサー等を搭載するスマート農機を活用した作業情報や作物情報の記録、可変施肥等による「データに基づく収量・品質向上を目指す新しい営農サイクルの実現」をサポートする「クボタスマートアグリシステム(以下、KSAS)」のサービスを提供している。2023年3月から新たにKSASリモートセンシングとして生育マップ機能を搭載する。KSASユーザーであれば、カメラを搭載したドローンで空撮したほ場の画像をKSASに取り込み、KSAS上で生育マップを閲覧できるようになる。
 生育状況の可視化が可能になることで、目視で行ってきたほ場の見回り等の生育状況の確認に要する時間を大幅に削減でき、適切な施肥コントロールにより品質、収量の向上が期待される。
《生育マップ作成について》▽専用のDJI製空撮ドローンにより撮影した画像を専用アプリで合成し生育マップを作成する▽作成した生育マップを、KSASに取り込み、KSAS上で生育マップを確認する▽生育マップ確認後、KSASで作成した可変施肥マップを出力、microSD経由で可変施肥機能対応ドローンやハイクリブームに取り込み可変施肥を行う。
《主な特長》①専用アプリによる生育マップ作成=★KSASユーザーであれば、専用アプリをKSASからダウンロードでき、高速で生育マップを作成できるようになる(使用のPCの性能にもよるが、10‌haの空撮(飛行時間15分から20分)のデータで、合成時間は10分から15分程度になる)。
 ②生育マップ=▽★加速化する担い手の規模拡大の中で、ほ場枚数を減らすための合筆やほ場整備が必要になっている。一方で合筆したほ場内の生育ムラによる減収や倒伏、食味・品質の低下のケースも課題となっている。生育マップを通して、ほ場内の生育差の見える化が可能になることで、可変施肥や栽培管理の改善に活用することができる▽また、これまで目視で行ってきたほ場の見回り、生育状況の確認に要する時間を大幅に削減ができる。
 ③可変施肥マップの作成と可変施肥機能対応ドローンによる追肥=生育ムラの改善及び効率的な施肥技術として可変施肥に取組むことが可能になる。可変施肥を通して、経営安定化と「みどりの食料システム戦略」に貢献できる。
 リリース時期は2023年3月。
《営農コース無料プラン》=▽2022年2月より営農コースの無料プランをスタートした。登録ほ場枚数100枚までは、機能制限なしで、KSASの全機能を利用することができる(登録ほ場枚数101枚以上は有料プラン)▽無料プラン・有料プランに関わらず、KSASは入会特典として初年度無料だ。
《申込方法》=▽KSAS営農コースに入会が必要になる▽申込は次のKSAS専用WEBサイトから受付けている(https://ksas.kubota.co.jp)。
《コース・料金体系》①KSAS営農コース=▽担い手向けのほ場管理や日誌等の営農マネジメント機能を利用できるコース▽KSAS対応機と連動することで、収量や品質の向上等、課題解決に取り組め経営の安定化が期待できる。
 ②KSAS機械サポートコース=主に販売会社・販売店・JAが顧客の機械順調稼働をサポートする。KSAS対応農機を持つ人が無料で利用できるコースだ。ユーザーがスマートフォンで機械情報を確認できる「MY農機」サービスも提供している。
 ③システム利用料=▽KSAS営農コース:無料プラン(登録ほ場枚数100枚以下)は初年度無料(1年間)、2年目からも無料▽有料プラン(登録ほ場枚数101枚以上)は初年度無料(1年間)、2年目からは月額2200円(税込)▽KSAS機械サポートコース(MY農機サービス含む)無料。


【営農支援システムKSAS ほ場水管理システムWATARAS連携】

KSAS水管理アプリ(PC版)。なお、KSAS水管理マップ(スマホ版)はWATARASと連携しない。
《開発の狙い》KSAS(クボタスマートアグリシステム)は、「高収量・良食味米農業」へ向けた営農サイクルをつくる同社の営農支援システム。一方、WATARAS(ワタラス)は、水田の給水・排水をスマートフォンやパソコンでモニタリングしながら、遠隔操作または自動で制御できるシステム。近年、担い手の規模拡大や法人化、複合経営化に伴い、パソコン・スマートフォンを用いた電子地図によるほ場管理や作業記録等の「農業経営の見える化」のニーズが高まっている。
 そのためWATARASの水管理状況をKSASで確認したいというニーズも高まっており、このたびKSAS―WATARAS連携機能を備えた「KSAS水管理アプリ(PC版)」をリリースする。
《主な特長》①KSAS画面で水管理状況を一括表示=★WATARAS設置済ほ場に加え、未設置ほ場を含めた水管理状況を、KSAS水管理アプリで一括表示することができる。
 ②水管理マップで水位・水温・給水状況を見える化=★水位・水温に応じたグラデーション表示や給水状況による色分け表示ができる。
 ③連携費用=★KSAS―WATARAS連携に伴う追加の費用は発生しない。
 リリース時期は2023年3月。
 ※WATARASは、㈱クボタケミックスの製品だが、クボタ農業機械の販売ルートで販売する。(了)