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ササキ、車載式草刈機2機種を披露 高速道路の草刈り機械化 ネクスコ・メンテナンス関東と共同開発

ササキ、車載式草刈機2機種を披露 高速道路の草刈り機械化 ネクスコ・メンテナンス関東と共同開発
ササキコーポレーション(佐々木一仁社長)は、11月24・25日、東京ビッグサイトで行われた「ハイウェイテクノフェア2022」で、ネクスコ・メンテナンス関東と共同開発した「車載式草刈機」2機種をNEXCO東日本グループブースで紹介した。農機開発のノウハウを活かした同機。会場での評判も上々で、異業種とのコラボにも積極的に対応していく。

 高速道路を支える最先端技術が集結した同展示会にあって、ササキコーポレーション=青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1―259=がネクスコ・メンテナンス関東と共に開発した車載式草刈機は、人力で行っていた高速道路の草刈り作業を変え、作業環境の改善を図る画期的な機械として関心を集めていた。
 開発したのは「車載式ブームモア型(のり面草刈装置)」と「車載式構造物回避型(ガードレール支柱際草刈装置)」の2機種。車載式ブームモア型は刈幅1100㎜、総重量1999㎏で、Y字型ハンマーを64枚搭載。農業用作業機の場合は動力源にトラクタのPTOを活用するが、同機ではガソリンエンジンの油圧ユニットを動力として安定した動作環境を実現。車両部のオフセット時や格納時に発生するトラックを含めた重心のズレを抑制するために可動式カウンターウエイトを設置して作業時や移動の際の走行時も安定したバランスを保ち、飛散した枯れ草はブロワで道路上から排除できるようになっている。
 車載式構造物回避型は刈幅650㎜、総重量1975㎏で、フリーナイフ刃を3枚搭載。同社の〝際刈アタッチ〟と同様に、ガードレール支柱などの交通安全施設を傷つけずに草刈り作業が行える仕様になっている。
 共に複雑な架装工事の必要なく2tトラックに積載ができ、路肩に収まる範囲での作業を想定した機体構成。構造物回避型搭載トラックにブームモア型搭載トラックが追走することで、ガードレール支柱の際草刈りと、のり面の草刈り作業を効率的に行え、路肩から2mの範囲における草刈り作業をほぼ機械化することが可能になる。操作方法は助手席側に手動無線リモコンを設置。リモコンはジョイスティックで簡単に操作が可能だ。
 高速道路の植栽管理機には現在海外の専用車両を使用しているが、故障やメンテナンス時の部品注文は海外からの輸入となるため手間と時間がかかっていたことから、農業機械で同様な作業を行えないかと4年前に相談を受けたことが発端。この度、世界でも類を見ない車載型草刈機が誕生した。紹介していたネクスコ・メンテナンス関東の後藤哲也技術管理課長は「現在は5~6人の人員が刈払機を使って行うだけでなく、路肩を規制して行う必要があるなど、時間や手間がかかっていたが、この機械を使えば大幅な省力化を図ることができる。作業頻度も上げられるので草が成長する前に刈れるため、処分の手間も省け、焼却の際に発生するCO2を抑えることができる。来月高速道路でテストし、効果が分かれば活用していきたい」と大いに期待していた。
 同社は3年前にもネクスコ・メンテナンス東北の〝高速道路の草刈り作業の軽労化を図りたい〟との要望を受けて『ガードレール下草刈りロボット』を開発しており、今回はその第2弾ともいうべき製品。「草の問題は農業の世界だけでない。我々の技術が活かせる場があれば、こうした共同開発を進めていきたい」と佐々木社長は述べた。