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進む輸出拡大 〝稼ぐ力〟最大限に 年内に10品目団体立上げ

農林水産物・食品の輸出が依然として好調だ。農水省が財務省通関統計からまとめた最新の数値によると、1―8月の累計出荷額は前年同期比14・6%増の8826億円だった。特に増加が大きい品目としては、牛乳・乳製品が同25・9%増の199億円、鶏卵が同42・4%増53億2600万円、いちごが同28・9%増の38億700万円、ぶどうが同43・3%増の24億9900万円などがあった。
 こうしたなか、10月5日には、官邸で第16回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応に関する関係閣僚会議が開かれた。当日は野村農相が農林水産物・食品の輸出の状況と課題について報告。2022年の農林水産物・食品の輸出額について、円安の影響や欧米を中心に外食需要が回復し、小売店向けやEC販売等の新たな販路への販売が堅調だったことで過去最高だった昨年よりも伸びていると説明。そのうえで、近年の情勢として、10月1日には、品目団体の認定制度の創設や新たな制度資金・税制特例の創設、有機JAS制度の改善などを内容とする輸出促進法の改正が施行。また、放射性物質輸入規制が12カ国で撤廃。更には今年から輸出支援プラットフォームが6カ国・地域、7都市で立ち上げられた、などと紹介した。加えて円安・物価高の影響については「円安で価格競争力が増すとともに、円ベースでの売上高が増えるという二重の効果がある」との見方を示した。
 こうした状況を踏まえ「円安による外需の拡大を最大限活用しオールジャパンで輸出に取組む体制を強力に推進する。特に品目団体の認定を着実に速やかに実行するとともに輸出産地の育成を進められていく」などとした。
 これに対し、参加した閣僚からは「日本産食品等の魅力発信に向け在外公館等を通じ貢献していきたい。また規制の撤廃に向け粘り強く働きかけていく」(山田外務副大臣)などの意見があった。
 こうした意見を受け松野官房長官は「2025年2兆円目標を前倒しで達成できるよう、円安により輸出の可能性が拡大している今、〝稼ぐ力〟を最大限に引き出す必要がある。改正輸出促進法に盛り込まれた施策の早急な実施と各省連携して国内の輸出支援体制の整備を進めてほしい。品目団体については、現在申請のある3品目(製材、合板、菓子)を含め年内に10品目以上認定を行ってほしい」とした。