農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

農業機械公正取引協議会（冨安司郎会長）は、５月31日、東京都港区の八芳園で第43回通常総会を開催した。開会に先立ち冨安会長が挨拶にたち直近の状況について「農機の公正競争規約では違反が生じておらず皆様のご努力の結果」としたうえで感謝を述べた。総会では令和４年度事業計画などが承認された。また、任期満了にともない役員の選任が行われ新たな会長にヤンマーアグリ代表取締役社長の増田長盛氏が就任した。

　総会の冒頭挨拶にたった冨安会長は「情勢が激しく変動する昨今、農業の構造的変化はますます加速し、国内農機市場においては、スマート農業技術やみどり戦略の実現に向けた環境に配慮した技術の普及、食料安定供給に向けた作付転換への対応など農業の構造的変化に即応する形で時代のニーズにあった取組が求められている」と農業を巡る情勢を説明した上で「農業機械の公正競争規約の分野では、昨今違反事案は生じておらず、会員のご努力の賜物と感謝している。一方、当協議会には、規約以外の流通適正化への取組が不十分とのご指摘を頂いている。今後は公正な取引に反するような事案の掘り起こしを行う。公正な取引を推進し、業界の活性化のため、一層のご協力をお願いする」と述べた。
　また、来賓として消費者庁表示対策課の南雅晴課長、公正取引委員会事務総局取引企画課の田中久美子課長、農水省技術普及課生産資材対策室の吉田剛室長、経産省産業機械課の川内拓行課長補佐がそれぞれ挨拶した。
　その後、令和４年度事業計画・収支予算などを審議、承認した。
　また、役員の改選が行われ、新たな理事に渡辺丈氏（ヤンマーアグリ）、久保浩氏（やまびこ）、上林明英氏（上林商会）、田中裕氏（中四国クボタ）、土屋勝氏（ヰセキ北海道）が就任。その後の役員会で、役員人事を審議し、新会長に増田長盛氏（ヤンマーアグリ）、副会長には冨安司郎氏（井関農機）が就任。副会長の髙橋豊氏、齋藤徹氏、松田英明氏、冠範之氏、吉田康二氏は再任された。
　増田新会長は、就任にあたって「農業機械業界で公正取引規約を設定してから40年以上が経過したが当時の業界を取り巻く環境と現在は全くといっていいほど異なる。この間、規制緩和の推進・消費者利益の重視等の様々な時代の要請があり、これらに対応して、公正取引規約も時代を反映した形・内容となるよう都度見直しを行ってきた。今後も新たな要請があれば対応していく。そして、時代の要請にかなった規約を真摯な姿勢で遵守していくことが重要であり、このことがひいては農業機械の需要者である農家の要請に応えていくことにもなり、農機業界の信頼にもつながると考えている」と述べた。