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サタケ 広島から最先端技術「真吟」誕生 広島若手3蔵醸造 4月 2日に真吟酒「お披露目会」

サタケ(松本和久社長、広島県東広島市西条)が開発した精米技術「真吟精米」を使った日本酒「始―HAJIME―」が4月16日、広島醗酵共同研究所(三輪酒造、藤井酒造、旭鳳酒造)から発売された。真吟精米は米の磨き方で日本酒の酒質が変わるという最先端技術。発売を記念して22日に広島市の「味比べ味探しのお店こびと」でお披露目会を開催する。

 サタケは2018年に新型醸造精米機を開発。これで精米した扁平・原形精米に由来する技術・米・酒の総称を「真吟」と命名している。
 従来の精米機で磨くと米は球形状になっていくが、サタケの新型醸造精米機では「米の幅と厚さの比率平均値が1・00以上となる「扁平精米」を可能にした。この扁平・原型精米を同社では「真吟精米」と名付け、普及推進している。 
 真吟精米は、日本酒の雑味のもととなるタンパク質を効率よく取り除くことができる革新的な技術だ。例えば通常の精米法ではタンパク質含有量を4%まで減少させるために酒米外層を50%削る必要があったのを、扁平精米では30%削るだけで同程度のタンパク質含量の精白米を得ることができる。酒に含まれるアミノ酸は原料米のタンパク質が米麹の酵素で分解され生じたもので、アミノ酸度が高いと濃厚で芳醇、低いと淡麗でスッキリした味わいになる。
 同社執行役員経営本部広報部宗貞部長は、磨いた米の模型を手に「こっち(球状米)は肥満、こっち(真吟米)は細いけど身長が高い。でも体重は同じ。タンパク、脂肪分が少ないということは雑味が少ないということ。お酒を醸す時の苦労もあるようだがそのノウハウが蓄積され、いい酒ができてきている。吟醸酒は60%以下だが65、70%くらいでも遜色ない。香りが立ち、マスカットのような味がでてくる」と力説した。
 こうした「扁平」や「原形」など米の形がもたらす日本酒の新たな可能性が注目されている。
 2022年に発足した広島醗酵共同研究会は、広島県の3つの蔵元(三輪酒造、藤井酒造、旭鳳酒造)が醗酵文化を研究する任意団体。その第1弾となるのが真吟精米を用いて醸す「始―HAJIME―」だ。価格は3本セット(税込み6600円)で、仕込み水と土地柄、各蔵の技術の違いを堪能できるよう可能な限り同等スペックで仕込んでいるという。
 お披露目会では、この真吟酒「始―HAJIME―」のほか、各蔵の仕込み水の飲み比べを実施。3蔵の蔵元も来場予定だ。
【お披露目会の概要】▽日時=2022年4月22日17時~21時▽会場=味比べ味探しのお店こびと(広島県広島市中区鉄砲町8―24にしたやビル2階)▽主催=広島醗酵共同研究会▽参加費=1000円。

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