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井関農機2022年上期新商品⑥ 乗用管理機JKZ23など

井関農機(冨安司郎社長)は昨年12月8日、2022年上期新商品16品目27型式を発表した。本紙では回を分けこれを紹介する。最終回は適応性が向上し、更なる先端技術を織り込んだ乗用管理機「JKZ23」と、高い冷却性能で野菜の予冷ができ、より鮮度を保つことができる農産物保冷庫「ファームストッカFSV―DX仕様」、安価でスピーディーな位置情報配信サービス「ISEKI IoT高精度GNSS位置情報サービス」を紹介。全て税込希望小売価格。

【ヰセキ乗用管理機JKZ23】発売型式JKZ23(23‌PS)。
 同社はこれまで防除を中心に水田から畑作まで様々な作業を1台で対応できる乗用管理機JKB23を投入し高い評価を得てきた。近年、農地集約による経営規模の拡大が進み厳しい条件での作業が増え作業の効率化・高精度化、疲労軽減への要望が高まっている。今回、機体構成の見直しによる適応性の向上や先端技術の採用により、こうした要望に応える新型機を開発した。
《主な特長》①適応性の拡大・向上▽走行部のさらなるハイクリ化で適応性が向上=有効地上高を90㎜UP(5型)し作物をまたいでも干渉しにくく、湿田での使い勝手も向上。さらにロングホイールベースを115㎜延長し安定操作が可能。また、車体下部をカバーで覆い走行中の作物への損傷を防止▽効率アップ(HP、H型)=防除作業から中耕培土作業に切替える際、従来外していた防除用のサイドブームを装着したまま作業が可能。切替え時間が短縮でき作業効率がアップ。
 ②先端装備による高精度作業▽高性能ブーム制振装置(Z型)=凹凸の多いほ場での作業はブームの揺れにより散布にムラが出てしまうため、従来からの水平制御に加え衝撃を吸収するアキュムレータを追加しムラを最小限に抑え、葉の裏にもしっかりと薬剤が付着する高性能なブーム制振を実現③ブーム一発収納・一発展開(GV、GVC型)=「収納」を押すと収納直前位置まで一発で作動し「展開」を押すとブーム最大幅まで一発で展開する④高能率防除作業(GV、GVC型)=従来の乗用管理機のブーム幅より300㎜長く最大散布幅16・5mになり標準機より効率よく散布作業が行える。タンク容量は600ℓで給水回数が少なく1回の薬剤と水の補給で3反ほ場を2枚散布することが可能(JKZ23で1反当り100ℓを散布する場合)。
 ⑤作業時の疲労軽減=メインクラッチを乾式クラッチから湿式クラッチに変更することで低振動、低騒音作業を実現。長時間作業での疲労を軽減⑥新デザイン▽ボンネットの形状、オーナメントを一新▽液晶メーターパネル採用=カラー液晶で散布設定や速度等、機体状況をわかりやすく表示。また、モニター位置は前方にあるため視界の移動が少なく作業中の状況を把握しやすい。
 発売は昨年12月。希望小売価格は、JKZ23=323万6200円~768万9000円。

【ヰセキ農産物保冷庫ファームストッカFSV―DX仕様】発売型式はFSV28DX(玄米30㎏袋×28袋)、同21DX(同21袋)、同14DX(同14袋)。
 農産物直売所等の農作物の取引は生産者にとって重要な販路となっており農作物の鮮度をより保てる農産物保冷庫が要望されている。こうした要望に応え高い冷却性能で野菜の予冷ができ、より鮮度を保つことができる農産物保冷庫を発売。
《主な特長》①冷却性能向上▽マイナス5℃~15℃の温度設定が可能=同社では今までにない、マイナス温度帯を設定可能。温度帯の拡大により、低い温度帯での保管に適した作物に今まで以上に対応が可能▽専用冷却ユニットの搭載=DX仕様専用の冷却ユニットを搭載し、標準機に比べより急速に作物を冷却可能▽野菜の予冷が可能=設定温度が拡大し、冷却性能を向上させることで野菜の予冷が可能に。採れたての野菜を予冷することで、より野菜の鮮度を保ち品質向上に貢献②内外装ステンレス仕様=FSV標準機の外装ステンレス仕様にプラスしてDX仕様では内装もステンレス仕様にしたことで、FSV標準機と比較して高級感が増し、耐久性も向上③ヒータデフロスト方式採用=霜の付きやすいエバポレーターの付近に熱源となるヒータを取り付け、ヒータを発熱させることで除霜を行う。低い温度でも安定した冷却性能を保てるよう標準機とは異なる除霜方式を採用。
 発売時期は2022年1月。販売目標台数=年間50台。希望小売価格はFSV28DX=44万円、同21DX=39万6000円、同14DX=30万9100円。


【ISEKI IoT高精度GNSS位置情報サービス】近年、農地の集約による規模の拡大が進んでおり衛星データを利用したロボット農機を用いた農作業の省力化や高精度な自動作業が求められている。しかし従来のGNSS位置情報サービスは料金が高く必要な時にだけ契約することが難しく、普及の障害となっていた。こうした課題を解決するため同社は今回、月額3300円+契約手数料、さらに月ごとに契約できる安価な高精度GNSS位置補正サービスを開始。同サービスで、GNSS位置情報ロボット農機の更なる普及を目指し、顧客の高精度自動作業をサポートする。
《主な特長》①料金システム=同サービスの基本料金は月額3300円+契約手数料と安価。さらに契約開始月から1年間の間で使いたい月のみ契約可能。繁忙期に合わせた契約ができコスト低減を図ることができる。
 ②アンテナや基地局などの初期投資不要=同サービスは国土地理院により全国に設置された約1300局の電子基準点とdocomo基準局を利用し農機使用者がアンテナ等の基地局を設置することなく補正情報を活用できる。
 ③高精度な位置情報(RTK―GNSS)=同サービスの補正情報を受信することでRTK―GNSSが利用可能に。その精度は誤差±数㎝以内と非常に高精度のため、ロボット農機等の自動化に活用できる。
 サービス開始時期は2022年1月。契約目標数は年間1000件。希望小売価格は月額3300円+契約手数料。

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