農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

松山＝松山信久社長、長野県上田市塩川５１５５＝は、米（乾田直播）や麦、ソバなどの高精度で高効率な施肥播種を可能にする「ニプロスリップローラーシーダーＳＲシリーズ」を今年３月に新発売する。適応トラクタ馬力は60～１３５PSで、条件にもよるが毎時７㎞での高速作業を実現。作業幅は2.4ｍで、施肥・播種同時作業と播種のみ作業から選択が可能だ。
　水田を主体とした土地利用型農業は更なる効率化、経費削減を求められてきているだけでなく、食料自給率の向上から戦略作物である麦・大豆の増産は必須のテーマとなっている。これらのニーズに対応するシーダーとして松山は大型トラクタ用スリップローラーシーダーを発売する。
　最大の特長は名前の通り、鎮圧輪部を強制駆動で回転させることでローラー部への土の付着を低減させ、播種深度が安定すること。特に米の乾田直播では発芽率を安定させるためには浅い位置に安定播種する必要があり、また発芽当初の雑草対策のための除草剤散布には、高い鎮圧効果によって除草剤効果の向上が期待されている。これらのニーズから生まれた技術が鎮圧輪の強制駆動させるスリップローラー方式。麦・大豆・ソバ等の播種作業にもスリップローラーシーダーは有効で、大規模経営に対応するため、条件によって異なるが、最大で毎時７kmの高速作業を実現した。また、ロータリー部とシーダー部が一体となった専用設計のため、同社ＵＦシーダーに比較してトラクタ側に近く装着できマッチングバランスに優れ、枕地の工程も少なくなる。
　湿田での播種が可能なモーター駆動による強制落下方式を採用し、操作ボックスのボタン操作のみで播種及び施肥量・播種量の設定を簡単に行うことが可能。フィードバック制御により施肥・播種の繰り出し軸にかかる負荷を自動で検知して、常に適切な繰り出し軸の回転を維持し、高精度な作業が行える。この他、ＡＧ―ＰＯＲＴ付きのトラクタにマッチングすることで車速に応じて自動的にシーダーの繰り出し回転を車速連動させ、より精度の高い施肥・播種を実現。忙しい農作業をテンポよくこなすための機能が搭載されている。
【主な特長】①強制駆動の鎮圧ローラーで播種深度を安定させるとともに、除草剤が効きやすい高い鎮圧効果を実現②ロータリー部とシーダー部が一体となった専用設計で、同社ＵＦシーダーに比較してトラクタ側に近く装着できマッチングバランスに優れ、枕地の工程も少なくできる③「ニプロラクラク制御システム」の採用で設定した施肥量・播種量で高精度な作業を実現。また、設定も操作ボックスのみで簡単に行える④旋回時、作業機を持ち上げると自動的に施肥・播種を停止する「ムダ撒き防止スイッチ」を採用⑤25ℓの大型播種ホッパー及び90ℓの大型施肥ホッパーを採用して肥料・種の投入回数を減らすことで作業能率を改善。施肥ホッパーには仕切り板を装備し肥料の偏りを防止⑥作溝ディスクは各条ごとの播種深度調節が可能。微妙な播種深度が要求される米の乾田直播に対応⑦隣接作業をきれいに仕上げるサイドディスクを標準装備⑧耕うん部カバーはフロートラバーを採用し、均平板内側には樹脂を装着することにより土の付着を軽減⑨装着方式はＪＩＳオートヒッチ２形を採用し簡単装着可能。
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　今年３月発売予定で、作業幅は2.4ｍで、仕様も施肥・播種同時作業と播種のみ作業から選択可能。播種条間は８条仕様、10条仕様、12条仕様、14条仕様を用意している。希望小売価格は施肥・播種作業仕様は３８５万円～４４９万７９００円。播種仕様は３０６万９０００円～３７１万６９００円（共に税込）。公道走行部品が標準装備された型式（Ｚ仕様）も設定している。