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下刈りドローン実証実験 森林管理の省力化 初の取組みに期待集まる ~千葉大、九電とBlueBee~

BlueBee(熊本市)、千葉大学(千葉市)、九州電力(福岡市)の3社は、林野庁の補助事業である「令和3年度林業イノベーション推進総合対策のうち戦略的技術開発・実証事業」に係る公募採択に伴い、11月12日に「くじゅう九電の森(大分県由布市)」で、森林の下草を刈ることのできるドローンの実証試験を実施した。
 同実証試験は全国初の取組みであり、林野庁、国立研究開発法人森林研究・整備機構などの関係者の協力により、現在開発中の下刈りドローンの有効性や安全性を検証。
 日本の林業には慢性的な人手不足という課題があり、特に下刈り作業は、体力的に過酷で危険が伴うため、林業従事者の離職の大きな原因の一つとなっている。また、林業従事者の高齢化が著しいことから、下刈り作業の省力化(機械化)は喫緊の課題。このような背景を踏まえ同事業では、大型ドローンと特殊刈払機を開発、それらを組み合わせた下刈りドローンの実現を目指す。
 3社は実証試験を通じ、下刈りドローンの実用化に向けた課題を抽出・解決し実用化に繋げることで、林業の生産性向上、安全性向上を目指すとともに、将来的には林業の植林などを可能にする「空飛ぶ作業ロボット」の開発に取り組む予定。互いに同事業を通じて、森林保全によるCO2削減などSDGsの達成に貢献していく考えだ。
 3社の役割は、BlueBeeが大型ドローン及び特殊刈払機開発、千葉大学がドローン制御システムの開発、九州電力が実証試験における諸調整と運用提案。
 実証当日は、午前が①調査概要などの説明(実証試験スケジュール、下刈りドローン開発の背景・経緯、下刈りドローンの実証内容)、実証試験(60分)、質疑応答など。午後が検討会(九州林産事務所)。
 今回の実証試験の内容は、高度を一定に保ちながら、先ずは水平部の草を刈り取れるかを確認。午後からの検討委員会で課題などを議論し、今後改良していく考えである。
 今回は試作機で、継続して開発中であり、飛行時間は10分であったが、今年度内に60分の飛行時間の開発に向けて取組む計画。
 また、特殊刈払機にも現状はナイロン製やステンレス製だが、今後金属製にするなど切れ味の改良を図っていく予定。

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