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密苗×ロックウールマット 作業効率化が決め手 宮城県東松島市の木村さん

密苗×ロックウールマット 作業効率化が決め手 宮城県東松島市の木村さん
宮城県東松島市で水稲栽培を営む木村昭裕さん(64歳)は、地域でも早くから密苗などの省力化技術を取り入れてきた担い手農家だ。自身が管理する水田は美里町と東松島市に併せて16haほど。「さらに妻の実家や弟と共同で作業するほ場を含めると、作業規模は20haを超える。家族経営を基本に、将来の後継者でもある息子は、現在は施設野菜(小松菜の周年栽培)を担当しており、水稲と施設園芸を組み合わせた複合経営を行っている」と説明する。
 作付けは全て食用米で、「ササニシキ」「つや姫」「だて正夢」など複数品種を栽培。経営規模の拡大とともに課題となったのが、育苗と田植え作業の省力化だった。
 木村さんが密苗栽培と日本ロックウール=広渡雅叙社長、東京都中央区入船2―1―1=のロックウールマット(エースマット)を本格導入したのは2018年。ヤンマーアグリジャパンみさと支店の高橋史郎支店長に提案され、密苗体系を構築した。
 「面積が増えてくると、とにかく苗管理と田植えの効率を上げないと体がもたない。密苗は使う苗箱の枚数を大幅に減らせるのが一番大きい」と木村さん。現在は、ほ場条件や品種特性に応じて移植と直播を併用しているが、移植の大半は密苗によるものだ。
 数ある育苗資材の中でエースマットを選んだ決め手について、木村さんは「軽さと扱いやすさ」を挙げる。「年齢を重ねると、苗箱の重さは本当に効いてくる。エースマットは片手でも持てる感覚で、土の苗とは全然違う」。密苗栽培では苗箱一枚あたりの重量が重くなるため、マットの軽さは作業負担を大きく左右するという。
 また、少人数作業でも対応できる点も高く評価する。「昔は種まきに人を集めていたが今は3人程度でも十分。パレットに並べてリフトで出し入れできるので、育苗作業全体がかなり楽になった」。
 一方で、ロックウールマットならではの管理ポイントもある。「水はマット一枚当たり2リットルかん水すること。中途半端に水を減らすと失敗する。育苗器の温度も上げすぎず、28℃前後でじっくり育てるのがコツ」と経験を語る。マット苗の色はやや淡く見えることはあるものの、定植後の生育や収量への影響はないという。
 「密苗は最初の1カ月は慣行苗より田植え後、見劣りすることもあるが、その後は追いつく。最終的な出来に差はない。省力化と作業分散を両立できる密苗とエースマットは、大規模水稲経営を支える欠かせない存在だ」と力を込める。こうした技術の定着を支えているのが販売店との強い信頼関係だ。現場をよく知る担当者と課題を共有しながら体系を磨き上げてきたことが、安定した省力経営に繋がっている。
 「体が動かなくなっても、口は動く」と笑う木村さん。自身の経験を次世代に伝えながら、密苗とロックウールマットを武器に、持続可能な水稲経営を実践している。

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