日植防シンポ 温暖化がもたらす 新たな病害虫発生リスク
日本植物防疫協会(早川泰弘理事長)は1月22日、都内でシンポジウムを開催した。テーマは「温暖化がもたらす新たな病害虫発生リスクを考える」。2025年の夏は日本の観測史上例を見ない猛暑となり、農作物への影響も大きく、収量・品質低下が課題となった。シンポジウムでは、高温などの気象変化に伴う病害虫の発生について、全6講演が行われた。
農林水産省消費・安全局植物防疫課の春日井健司氏は「近年の気候変動と病害虫の発生」をテーマに講演した。気候変動の影響として、台風の強まりによる飛来害虫の増加、極端な大雨による病害の蔓延、平均気温上昇による害虫の世代数増加や分布域の拡大などを挙げ、佐賀県でのタマネギべと病の多発事例や、水田におけるスクミリンゴガイなど、具体例を紹介した。また、FAO・IPPCが気候変動下での植物防疫体制強化、リスク分析(PRA)等の重要性を指摘していることにも触れた。
国内の病害虫発生状況については、水稲ではカメムシ類の増加、白未熟粒の多発などが見られ、果樹では高温による着色不良や害虫増加、イチゴではアザミウマ類や炭疽病の増加など、気温上昇や降水パターンの変化が幅広い作物に影響していると説明した。さらに、アザミウマ類、炭疽病、灰色かび病、赤かび病、水田のクサネムなど、防除が難しい病害虫・雑草が増加していることを指摘し、温暖化により発生時期が前倒し・長期化していると述べた。
特に斑点米カメムシは2025年は全国的に発生量が多く、注意報は35都道府県で46回と、過去10年で最多となった。大型カメムシ類の増加や活動の早期化、世代数の増加など、気候変動の影響が疑われる変化が見られる。また、ハスモンヨトウやタバコガなど主要チョウ目害虫の注意報も2023年以降急増しており、警戒が必要とした。冷夏の減少により、水稲の重要病害であるいもち病の大規模発生は減少傾向にある。一方、台風によって海外から飛来するミカンコミバエの侵入例が九州全域で増えていることから、早期発見と迅速な防除の重要性を強調した。
春日井氏は最後に、気候変動の進行、薬剤抵抗性の拡大、農業従事者の減少などにより、病害虫管理は年々難しくなっていると指摘。「例年通りの防除では対応できない。予防・予察を軸とした総合防除(IPM)の実践こそが、持続的な農業の基盤になる」と訴えた。
続いて、農研機構本部事業開発部の竹内徹氏が「温暖化がもたらす畑作病害の発生リスクに関するトピックス」と題して講演した。竹内氏は、コムギ赤かび病、コムギ眼紋病、ダイズ葉焼病を中心に、試験データと現地事例を紹介。赤かび病は開花期前後の短期間に集中して感染しやすく、予防散布では開花期を正確に捉えることが重要と説明した。十勝農業試験場の試験では、開花初期と7日後の2回散布が最も効果的で、開花後2週間以上経過した散布では効果が低いと報告された。また、北海道の多発地域でJAや普及センターと連携し、3日おきの調査や降雨前倒し散布を徹底した結果、基準値以下のカビ毒濃度に抑えられた成功事例も紹介した。
眼紋病については、温暖化により、これまで問題化していなかった地域で発生拡大の懸念があると指摘した。ダイズ葉焼病では高温や台風の影響で発生が増えており、農研機構が育成した抵抗性品種が有効であると説明。竹内氏は「温暖化で病害の発生環境が変化しており、従来の経験則だけでは対応できない。生育ステージや気象条件を踏まえた柔軟な判断が必要」と締めくくった。
このほか、トビイロウンカやツマジロクサヨトウなど海外飛来性害虫、果樹カメムシ類、リンゴ病害(黒星病、褐斑病、輪紋病、炭疽病)、シロイチモジヨトウなど、さまざまな病害虫に関する話題が提供された。最後の討論会では、気候変動が進む中で、予察情報の迅速な共有が必要だとの指摘があがった。
農林水産省消費・安全局植物防疫課の春日井健司氏は「近年の気候変動と病害虫の発生」をテーマに講演した。気候変動の影響として、台風の強まりによる飛来害虫の増加、極端な大雨による病害の蔓延、平均気温上昇による害虫の世代数増加や分布域の拡大などを挙げ、佐賀県でのタマネギべと病の多発事例や、水田におけるスクミリンゴガイなど、具体例を紹介した。また、FAO・IPPCが気候変動下での植物防疫体制強化、リスク分析(PRA)等の重要性を指摘していることにも触れた。
国内の病害虫発生状況については、水稲ではカメムシ類の増加、白未熟粒の多発などが見られ、果樹では高温による着色不良や害虫増加、イチゴではアザミウマ類や炭疽病の増加など、気温上昇や降水パターンの変化が幅広い作物に影響していると説明した。さらに、アザミウマ類、炭疽病、灰色かび病、赤かび病、水田のクサネムなど、防除が難しい病害虫・雑草が増加していることを指摘し、温暖化により発生時期が前倒し・長期化していると述べた。
特に斑点米カメムシは2025年は全国的に発生量が多く、注意報は35都道府県で46回と、過去10年で最多となった。大型カメムシ類の増加や活動の早期化、世代数の増加など、気候変動の影響が疑われる変化が見られる。また、ハスモンヨトウやタバコガなど主要チョウ目害虫の注意報も2023年以降急増しており、警戒が必要とした。冷夏の減少により、水稲の重要病害であるいもち病の大規模発生は減少傾向にある。一方、台風によって海外から飛来するミカンコミバエの侵入例が九州全域で増えていることから、早期発見と迅速な防除の重要性を強調した。
春日井氏は最後に、気候変動の進行、薬剤抵抗性の拡大、農業従事者の減少などにより、病害虫管理は年々難しくなっていると指摘。「例年通りの防除では対応できない。予防・予察を軸とした総合防除(IPM)の実践こそが、持続的な農業の基盤になる」と訴えた。
続いて、農研機構本部事業開発部の竹内徹氏が「温暖化がもたらす畑作病害の発生リスクに関するトピックス」と題して講演した。竹内氏は、コムギ赤かび病、コムギ眼紋病、ダイズ葉焼病を中心に、試験データと現地事例を紹介。赤かび病は開花期前後の短期間に集中して感染しやすく、予防散布では開花期を正確に捉えることが重要と説明した。十勝農業試験場の試験では、開花初期と7日後の2回散布が最も効果的で、開花後2週間以上経過した散布では効果が低いと報告された。また、北海道の多発地域でJAや普及センターと連携し、3日おきの調査や降雨前倒し散布を徹底した結果、基準値以下のカビ毒濃度に抑えられた成功事例も紹介した。
眼紋病については、温暖化により、これまで問題化していなかった地域で発生拡大の懸念があると指摘した。ダイズ葉焼病では高温や台風の影響で発生が増えており、農研機構が育成した抵抗性品種が有効であると説明。竹内氏は「温暖化で病害の発生環境が変化しており、従来の経験則だけでは対応できない。生育ステージや気象条件を踏まえた柔軟な判断が必要」と締めくくった。
このほか、トビイロウンカやツマジロクサヨトウなど海外飛来性害虫、果樹カメムシ類、リンゴ病害(黒星病、褐斑病、輪紋病、炭疽病)、シロイチモジヨトウなど、さまざまな病害虫に関する話題が提供された。最後の討論会では、気候変動が進む中で、予察情報の迅速な共有が必要だとの指摘があがった。





