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諸岡 新型フォワーダを披露 2.5m前後の林道走行 展示 試乗会乗って良さを体感

 諸岡=諸岡昇社長、茨城県龍ケ崎市庄兵衛新田町358=は、7月26・27日の2日間、同社阿見デモセンターで展示試乗会を開催。最大積載量4tのゴムクローラ式フォワーダ「MST40F」などの新製品の紹介をメインに、破砕・走行デモ、製品試乗体験、中古の入札方式の販売イベントを行った。51社88名が来場し、熱心に機械の性能を確認していた。

  今回は、〝製品・サービスとのタッチポイントを増やす〟を目的に開催。関東を中心に一部長野県や福島県のユーザー、ディーラー、広域レンタル会社担当者が来場した会場には展示・試乗機をズラリ用意。期間中はフォワーダやキャリアダンプがひっきりなしに稼働していた。
 担当者は、「ユーザーとコミュニケーションを取ることで、諸岡にお客様が求めているのかを知ることがメリットだと考えている。今回の目玉であるゴムクローラ式フォワーダ『MST40F』は、CXPI―EXPOでもお披露目しているが、今回が初の試乗できる機会。もう一つの目玉である横投入式破砕機『MRC―3000』についても、破砕機の中では同機種はバイオマス需要にも応えられるとして注目が集まっている。実際に試乗をして、見て納得してもらい、導入を検討して頂けるよう努力したい。今後もこういった体験型の展示会を開催していければ」と話した。
 今回の主役であるフォワーダ「MST40F」は林業機械の大型化が進む一方、地域によって幅員が3m以上の作業道を作れない現場も存在することから、全幅を2100㎜に抑えて2.5m前後の幅員でも走行・作業しやすいフォワーダをコンセプトに開発したもの。上部旋回をしないタイプとなっており、また、重心を低くして安定感を確保。電気制御式2本レバーを採用し、安全性を高めるデイライト・シーケンシャルウインカーを初採用したほか、生産性を向上させる次の機能を搭載。充実した仕様となっている。
 ▽荷台の耐久性を向上=荷台床面に耐摩耗鋼板のHARDOXを採用。ポールは高張力鋼板のSTRENX仕様をオプション設定▽視界性の向上=フラットなエンジンカバーにしたことで運転席からの視界性を向上▽サブシートの設定=スイッチバックなどの後進でも楽な姿勢で運転▽足回りの強化=履帯の芯金によるフレームの干渉・削れを防ぐために上位モデル同様に後方にもキャリアローラを設定▽遠方から稼働状況が分かる遠隔管理システム「M―eye」の標準装備など。
 実際に試乗した三喜重車輛(宇都宮市)の入江司社長は、「上り坂の粘りが強くスムーズに進めるし、操縦席も広く快適だ」と高く評価した。
 自走式横投入型木材破砕機「MRC―3000」も注目を集めた製品。最大処理径450㎜で、長尺材の破砕ができるのが特長で、林内にも進入できる他社にはないコンパクトさもあって関心を集めている。標準装備の刃はカッター(切削)タイプで、バイオマス燃料に有効なチップを効率よく大量に生産する。カッター回転数や破砕材送り速度を任意に設定でき、切削刃タイプのカッタードラムを標準装備。切削刃が一定方向から切るので、形状が非常に均一で質の良い燃料用木質チップを適切なサイズで生成する。今回は約4m材で実演。木材のチップ利用への関心が高まるだけにデモ開始時間には多くの来場者を集めていた。
 この他、フォワーダの特注仕様パッケージ製品として販売中の離れた場所から遠隔操作できる「ラジコン・シリーズ」と共に、8t以上のクルクルキャリアシリーズに標準設定予定の「3D360MONITOR」、特注仕様予定の人感センサー「AI CAMERA」を参考出品。屋外会場で最大積載量3t新型キャリアダンプ「MST30C」、横積式ミニフォワーダ「F―20」も参考展示。また中古機械の入札イベントでお手頃価格の製品を用意したこともあり好評を博した。