農林業機械・農薬・資材についての動向を紹介する

寺田製作所＝静岡県島田市牛尾８６９―１＝はこのほど、静岡県農林技術研究所茶業研究センターと有機栽培時の炭疽病を軽減する『茶園クリーナー』を開発、販売を開始した。
　炭疽病などは、罹病により落ちた葉からも感染が広がることが多い。茶園クリーナーはこの罹病葉を茶園の樹冠内部から風の力によって、袋に回収し、感染の拡大を軽減するもの。隣接する樹木の落葉などの回収にも効果を発揮し、摘採前の異物回収作業にかかる時間も短縮できる。またチャノミドリヒメヨコバイ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキの捕虫効果もみとめられている。
【茶園クリーナーの仕組み】①寺田製作所の乗用型摘採機ＴＴ―１６８、同―１７４、同―１８０型に装着して使用するアタッチメント②機体前方に装着されるクリーナーダクトの先端ノズルを茶畝の樹冠内部に挿入し、ノズル自体で樹冠を押し広げ、揺らしながら走行し、落葉した罹病葉を圧力風で吹き飛ばし、回収袋に回収することにより罹病葉の除去を行う③感染・発病した状態を改善するものではなく、感染・発病の程度を軽減する予防・抑制を目的に開発されている。予防としての防除処理の適期は萌芽前。同一畝の往復処理により高い予防効果を得られる。
　この『茶園クリーナー』は炭疽病防除の物理的手法の一手段として非常に有効だ。
　ただし茶園クリーナーのみで防除を行うのではなく、土壌改良や周辺環境の改善（場合によっては品種の変更）等と併せて総合防除を行う。