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地域の資源を活用 自給飼料コン持続性高いモデル表彰 

地域の資源を活用 自給飼料コン持続性高いモデル表彰 
日本草地畜産種子協会(布野秀隆会長)は3月14日、東京都千代田区のKKRホテル東京で第10回全国自給飼料生産コンクールの表彰式を開催した。
 全国自給飼料生産コンクールは、飼料基盤に立脚した畜産を推進するため、自給飼料の効率的な生産及び利用技術並びに放牧等の環境に調和した持続的な生産・経営方式等優秀な事例を全国から選定・表彰し広く紹介することで畜産経営における飼料基盤の重要性を啓発し、畜産農家の経営安定に資することを目指したもの。
 今年度の受賞者は次の通り。敬称略。
 ▽農林水産大臣賞=広島県酪農業協同組合(温泉川寛明組合長、広島県三次市、飼料作物の部(単年生の飼料作物))▽農林水産省畜産局長賞=忠類農業協同組合放牧酪農牛乳生産グループ(北海道幕別町、放牧部門)▽同=苗代ロールベーラー組合(岡山県真庭市、飼料作物の部(永年牧草))。
 表彰式では、はじめに布野会長が挨拶。「昨今の酪農畜産を巡る情勢には厳しいものがある。未来に向かって持続的な畜産物生産と環境の負荷低減を図っていくには、従来にも増して輸入飼料への依存体質を改善し、自給飼料の生産、利用の拡大を進めることが重要。本日表彰される優良な自給飼料生産や放牧の事例は、そのモデルになると期待している」と述べた。また、来賓として農水省畜産局飼料課の廣岡亮介課長が「今ほど国産飼料の生産・利用拡大が求められている時はない。そのため、耕畜連携や国産飼料の広域流通、コントラクター等の育成が重要となっている。農水省としても様々な施策で後押しをしているところ。自給飼料の拡大に向け皆様とともに取り組んでいく」などと挨拶した。
 その後、審査委員長の寺田文典氏が審査結果及び審査講評。「受賞者は、それぞれ異なった自然条件、環境条件の下ではあるが、独自に工夫し、環境に優しく、地域の資源を最大限に活用した素晴らしい自給飼料生産に取り組んでいる。皆様の取組は、地域の特性を活かした多様性に富んだ畜産業の展開こそが非常に重要で、かつ有用であることを示すものと感じた。今回の受賞を機に、今後、皆様がさらなる高みに向けて取組を進められること、 地域を先導していくことを楽しみにしている」と述べた。その後、賞状と副賞の目録(飼料作物の種子)が手渡された。
 農林水産大臣賞を受賞した広島県酪農業協同組合が運営するみわTMRセンターでは、中山間地域の狭小な耕地で農業生産が行われている広島県でWCS用イネを生産する耕種農家(集落営農法人)と酪農家との間で資源循環型耕畜連携システムを組織し、飼料自給率向上と地域の持続的な農業経営の展開を支えている。WCS用イネは栄養価と嗜好性に優れる極短穂型品種(たちあやか、たちすずか、つきすずか)に集約、継続した栽培・給与技術研修会や刈取業者を対象にした収穫技術研修会の実施のほか、栽培暦による統一的な指導などによって高品質な飼料を供給していることなどが評価された。
 同組合の温泉川寛明組合長は受賞に際し、「先代の組合長から1円でも安く生産者に飼料を供給するとの想いで行ってきた取組が評価され嬉しい。審査時は144‌haだった飼料作物の面積だが、現在は200‌haを超えている。今後も、国産飼料をしっかり供給することが組合の使命であり、広島県の農家の離農を防ぐポイントとなる」としつつ、今後の酪農振興に向け、「生産抑制など『入口戦略』が取り組まれているが重要なのは『出口戦略』、即ち消費拡大だ。現在学校給食では、牛乳は年間180日程度しか提供されていない。例えば、残りの185日も『牛乳券』を配って飲んでもらうなどの取組も必要ではないか。人口減少下のわが国だが、探せば伸びるところはある。その努力をする必要があるのではないか」などと語っていた。

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